今回は、画像添付でお問い合わせを頂きましたので、それにお応えします。
ノルン さんからのご質問
はじめて質問させていただきます。
先日地元の店で化物語を打っていたのですが、AT途中にエラーが出て店員を呼びました。
(中略:お住まいの地域、店舗名などが具体的に記載してあります)
すぐに直せなくて色々やっていて、ATがクリアーされたりしたら困ると思い、もしもの時の証拠にとトラブル対応の様子をいくつか撮影しました。
結局10分くらいかかって直り、その後は特に変な事は無かったのですが後でよく見てみると、その時撮った写真で主基板らしい場所にテープが貼ってあるのが気になりました。
これは何のためのテープ(ガムテープ?)でしょうか?
楽太郎さんのご意見をいただきたいです。
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ここまでが、お問い合わせの内容です。
それでは、回答です。
回答
<画像解説>
まずは、添付でお送り頂いた画像をご紹介します。
※画像の上部にはデータランプ、右上にかけては店員さんの制服の腕の部分が写っているので、そこはトリミングで除外させて頂きました。

送って頂いた写真(一部加工あり)
画像判断ではサミー筐体であるのは確実で、リールの所に見えるのはチェリー図柄でしょうから、仰る通り化物語である事は間違いない模様です。
まずは、筐体内部の解説からさせて頂きます。
画像下部はリールユニットで、それが大き目のハーネスで主基板に接続されています。
筐体内部右側の内壁に取り付けられている小型の基板および多色の配線類は、データランプ経由でホールコンピュータに接続している中継基板およびハーネスで、筐体奥壁の穴を通って島内へ伸びています。
ここまでは、何の変哲もない、スロット機の設置状況と言えます。
しかし、主基板の右のあたりに、ガムテープらしいものが貼り付けてあるのが確認できます。
<場所の特定>
これは、主基板ではなくて、設定変更やエラー状態からの復帰(リセット)に関わる機能が集約されたユニットです。
このユニット内の下部に見える丸いものが、リセットボタンで、設定変更する時もこのボタンを規定回数押して切り替えていきます。
ここは、右開きの扉になっていて、扉はツメでしっかりと固定されて閉まる構造です。
ユニット内の上部に見える黒い四角い部分は押下式のセンサーになっており、扉がしっかり閉まるとセンサーを押し込む格好になり、遊技機にとって需要な箇所と言える設定変更に関わる部分の扉が閉じられた事を感知します。
扉がしっかりと閉まっていない限り、筐体のドアを閉めたとしても、設定扉開放のエラー音/筐体枠発光などが止まずに遊技状態には復帰しません。
仕組みを説明して来て、まずはご質問の「主基板らしいところにテープが貼ってある」という事に関しては、これは主基板自体ではなく設定変更に関わる場所である事がお分かり頂けたかと思います。
<テープ貼りする理由の推理>
ここからが、ご質問の主旨である、何のためのテープ貼りなのかについての回答です。
回答ついでに、お店側が遊技機にテープ貼りする状況について何パターンかあるので、それらも書いておきます。
遊技機へのテープ貼りについては、法規上、お店側が意図的に検定時と異なる状態に変更する訳ですから、厳密には違法行為です。
なので、どんな理由があるにせよ、そこら辺を厳しくチェックするエリアの所轄担当者であれば、これは違法であるとしっかり指摘して来ます。
さて、それでは本件、なにぶん現場を見た訳でもお店の方から状況を聞いた訳でも無いので、あくまでも経験上で応えさせて頂きます。
①設定keyや、筐体内部の特定箇所(ユニット、ASSYなどと呼称します)の分解/開放のための鍵の貼り付け
特にアルゼ系機種で多いのですが、特定の基板などを取り外す際に専用のkeyが必要な場合があります。
こういったkeyは滅多に使用しないのですが、もしもそうなった場合にすぐ使えるように、筐体内のどこかにテープ貼りして保管しておく場合があります。
ですが、今回はサミーの化物語という事で、この可能性は無いと思います。
②入れ替え時の設置場所確認
パチンコでもスロットでも、適当な規模があるお店の場合は、特に既存の台を他の場所に移設する際、並び順などを間違えないように遊技機枠/筐体外部、或いは今回のように内部のどこかに貼り紙やテープ貼りして「2012番」などと台番を書いておく場合があります。
管理が適当なお店だと、入れ替えが終わった後でも、その確認用のテープ貼りがそのままになっている場合があると思います。
ただ、今回の貼り付け場所は日常的に開閉する場所であり、いくら目印としてもこんな所に貼るのは聞いた事が無いので、これも違うかと思います。
③ドア開閉時に、何かを挟み込む恐れがある場合の、固定用
パチンコでもスロットでも、日常的にドアを開閉する都合上、ハーネスやちょっとしたプラスチック部品などを挟み込んで壊してしまわないように、テープで固定するお店もあります。
ただ、今回は、筐体ドアの開閉とは関係が無い場所であるため、違うかと思います。
④設定変更ユニットの扉開閉センサーの固定用
私見では、今回のテープ貼りの目的は、これで間違いないと思います。
以下で、詳しく説明させて頂きます。
かなりマズいお店です
私にとっては同業という事で、ちょっと厳しい言い方になりますが、今回写真を送って頂いたお店は、相当適当なタイプの店長さんが管理しているマズいお店だと思います。
というか、複数店舗持っているホール企業が、こういったその場しのぎの修繕で営業している事に、ちょっと驚きました。
この扉は、ツメで固定すると書きましたが、おそらくは日々の設定変更時の開け閉めを乱暴に行っていて、ツメを折ってしまったものと推察します。
ツメが折れると扉がしっかりと閉まらず、結果的には扉開閉センサーを押し込む事ができずに、いつまでもエラー解除できず遊技も不能なままです。
なので、この扉を、テープで貼り付けている、という訳です。
送って頂いた写真では、テープの左上が折り込まれており、日常的に剥がして貼ってを繰り返していた様子が窺えます。
このテープ貼りが、ノルン さんの遊技中に何らかの理由で剥がれて、扉開放を感知してエラー発報したのでしょう。
(筐体内部は高温になり、また振動も生じるので、しだいに剥がれて来る状況も想定できます)
対応がモタついたのはおそらくはキャリアが浅いアルバイトの方で、設定変更はもちろん、こういったセンサーエラー系はあまり詳しくないため、なぜ遊技可能な状態に復帰しないのかアタフタしていたものと推察します。
また、ここからは邪推ですが、最終的には新しいテープを持って来て、貼り付けたのではないでしょうか?
同業の立場としては、非常にマズい遊技機管理の仕方と言えます。
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以上、
「店員がトラブル対応中の写真を撮ったら、遊技台の中に不審な物が写っていました。これ何ですか?」
というご質問に対して、私見を述べさせて頂きました。
今回は、これくらいにしておこうかと思います。
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最近は細かい事でも厳しくなっていますね。4号機の頃はアルゼのマックスベットボタン等が手垢で押しても戻らない様な状況になった時に店員さんが横の台のボタンと交換してくれてたりしましたが、今そんな事をすれば大変な事になるんでしょうね。
アボジ さん
やって良い事と悪い事が分かっている世の中ですからね。
昔はお店の事情はあまり情報が無かったかと思いますが、今では色んなブログでそういう事情を知れる訳ですから。
該当箇所を頻繁に開閉するのはHE対応をするホールスタッフではないのですか?
つーちゃん さん
ホッパーエラーが頻繁に発生しないくらい、稼動が無いお店なのかも・・・
というのは冗談で、新人スタッフだとセンサーエラー系でテンパる人が多いので、それで手こずったんじゃないですかね。
現場を見た訳では無いので、あくまでも推測ですが。
意識が低いホールさん、結構多いですよ
ジャグのストップボタンを別ジャグので営業している所を知っていますが、そういうホールさんだと今回みたいな筐体内部だと何でもござれかも
啓発にもなるので、この手の記事は業界にとって有用じゃないですかね
珊瑚 さん
ジャグラー部品の不正交換や欠損放置は結構聞きますよね。
遊技産業健全化推進機構みたいな、見る目が有る人たちから立ち入られた場合は、一発アウトでしょう。
エラーリセットする時もあのカバー開けなきゃいけないから、破損しやすいんですよね。
爪折れをテープで補修したくなる気持ちは十二分にわかるんですが、、、ダメなものはダメですからねぇ
部品交換で台を止めるのが嫌だったのか、認定取得してなくて部品交換自体ができなかったのか、果たして?
シラーニャ さん
バレないようにするなら、アロンアルファで根元を接着すれば良かった?
折れたツメ自体、紛失したとか?
色んな謎がありますが、まあ状況を見るに、折れた事は間違いなさそうですよね。
本日も勉強させて頂いております。
私がホールで汗をボタボタ落としていた時はスーパービンゴの4桁BCのHEでメダル入れるのが面倒だったのでハマリ台とホッパーを交換したことがございます。当時の筐体のホッパー、私の記憶が確かならばハーネスが一か所くらいしかなく取り外しが簡単だったんですよね!ベルコの台は!!
・・・僕だめですか?
ところで昔、今は亡き銀座のど真ん中にあったパチンコ店で働いていた頃、近くに『かもめ』という雀球が打てる遊技場がありました。たまにいってはルールすら知らずに球を弾いていたのですがネットを見ると既に店を閉めたという情報が。残念だなーと思いつつ関連動画はないか調べていると、YouTubeに過去動画がありました。
懐かしく思いながらその動画を見ていると、調子の悪くなった台があると店主が屋根裏倉庫に行ってどうやら撤去した遊技台から部品を抜き取りその場で修理しているではございませんか!
・・・雀球ならいいんですかね?
アナログ感が皆無な今の筐体を直せと言われても直せそうにございませんが…。
読者何某 さん
今の筐体は、カシメだらけでそもそも交換不能な箇所が多いですね。
それ故に、違法なやり方で破損した遊技機を生き返らせようとするお店も結構あるんじゃないかと心配しています。
見つかったら1発アウト系の。
レバーが壊れたけど、取り外せないので、オモチャ屋で同じ機種を買ってきてドアの部分ごと交換して、証紙も貼り替えてしまうとか。
噂レベルの情報ですが、あまりに部品交換の届け出が無い(期間が長い)お店は、違法交換しているんじゃないかと疑っている所轄もあるようです。