東京都遊協より、パチンコの「不正」遊技機の2016年内の撤去およびスロットの「新基準に該当しない遊技機」の段階的な設置比率減の取り組みについての状況通知が出されたので、その内容をまとめてご紹介します。
パチンコスロット双方の撤去問題
全国的にアンケート形式にて(回答必須)、2016年11月以降、年内に自店のパチンコの撤去対象機の台数は、これ以後どうなるのか申告させて、2017年1月1日時点で、撤去が完遂しているように台数を把握するという取り組みがなされていました。
また、スロットにおいても、本来は業界側の努力目標ではあるが、警察庁にも伝えている取り組みであることから、実質的にはほぼ強制に近い形で
- 2016年12月1日時点で、設置比率を50%以下に減ずる
- 2017年12月1日時点で、設置比率を30%以下に減ずる
こういった流れで、段階的な撤去を進めていました。
パチンコに関しては、これが完遂できないようであれば、ほぼ間違いなく警察庁から厳しい文言でもって年明け早々の行政講話にて業界全体に苦言が呈され、何かしらの措置が講じられる可能性があると言えるでしょう。
また、スロットに関しても、最近の記事でも触れましたが、警察庁としてはこれを単なる努力目標とは認識しておらず、射幸性が高いスロット機が姿を消さない事には、業界の健全化はあり得ないと断言して段階的な撤去に向けて発破を掛けていると言えます。
【参考】2016年12月16日公開
『5.9号機時代に突入したら、旧基準AT機などが撤去対象になる可能性がゼロではない根拠は?-回答』
では、双方の撤去の状況は、年の瀬も押し詰まった現在、どのようなものになっているのか?
全国全域のデータまではまだ出揃っていませんが、警察庁のお膝元であり、最も動向をチェックすべき東京都のデータが出てきましたので、それをご紹介したいと思います。
東京都のアンケート回答状況
- 回答したホール店舗数=902店舗(回答率100%)
- 非回答ホール数=30店舗(休業中=29店舗、営業停止中=1店舗)
パチンコの状況
<2016年12月31日が撤去期限になっている、第3次(最終)リスト記載機種の設置状況>
- 11月30日時点=12,653台
- 12月31日時点=137台(11店舗)
- 1月1日時点=0台
<年末時点で残存する137台の、今後の取り扱いについて>
- 1月1日時点でベニヤ板張り対応=100台(10店舗)
- 1日1日から休業=37台(1店舗)
東京都のパチンコの状況は、このような感じらしいです。
もちろん、これをもって「全国的にも同様の流れである」とまでは言えませんが、本件は強制力が強い案件であるため、敢えてこの取り決めを破ってまで年明け以降も営業を続けるというお店があれば徹底的に糾弾される事は不可避でしょう。
スロットの状況
<12月1日時点で、新基準に該当しないスロット機が50%を越える店舗>
- 該当数=60店舗
<超過分の、今後の取り扱いについて>
以下、該当ホール側からの回答内容(あくまでも、自己申告)
- 「12月5日時点で50%以下にする」=5店舗
- 「12月12日時点で〃」=1店舗
- 「12月15日時点で〃」=1店舗
- 「12月16日時点で〃」=1店舗
- 「12月19日時点で〃」=7店舗
- 「12月21日時点で〃」=1店舗
- 「12月26日時点で〃」=11店舗
- 「年内には〃」=8店舗
- 「未定だが、決まり次第連絡する」=6店舗
- 「対応できない/実施困難」=3店舗
これに、「年内で50%以下にできなかった分(超過台数分)は電源を落として稼動を停止する」ように、都遊協側から要請されている16店舗を加えて、全60店舗が当初予定していた2016年12月1日時点で50%以下の設置比率にするという努力目標に反した事が分かりました。
スロットの見通しは悪い
エリア内に900以上の店舗を擁する東京の状況がこれですから、楽太郎としては、他の都市部、特に近畿および東海エリアの一部や九州北部エリアなども、同様の状況になる可能性は高いと推察します。
全日遊連としては、当初は努力目標として挙げはしたが、取り締まり行政側のスタンスが厳しいものである事を睨んで、実質的には強制力をもってこれに取り組みたいと考えている。
しかし、業界が置かれている状況の認識が甘い、或いは「正規の仕様、手順でもって型式試験を通過して検定を得た遊技機を、なぜ撤去しなければならないのか?法的な拘束力の有無は?」といった問題に持ち込んで可能な限り長く設置し続けたいと考えるお店もある。
または、そもそもの資金不足(入れ替え費用が捻出できない)や営業状況の悪さという事情によって、撤去が出来ないお店がある。
最悪のケースであれば、いけるところまで売上/粗利貢献度が高い旧基準AT機を使って営業し続け、組合なり行政側から更に追求された場合は廃業して逃げてしまうといったお店も出てくる可能性がある。
・・・これらの状況が、今後どのような方向に進んで行くのか?
緊張感を持って、成り行きを見守って行きたいと思います。
読者の皆さんは、どのような流れになるとお考えでしょうか?
今回は、これくらいにしておこうかと思います。
コメント頂ける方は、下の方からお願い致します↓
「スロットは、取り決めを守らないお店が沢山出てきそう・・・」、「これで警察庁が怒って、期限を設けた強制撤去に向かう可能性があるかも・・・」という方は、そっと押して下さい。
にほんブログ村
今週の入替でも旧基準ATを入れる店がありました。
撤去したのは動きの悪い新基準機、店側の稼働減少に対する苦悩が見て取れますね。
4号機末期に通路だった北斗SEが消去法で人気機種になったのを思い出します笑
シビ さん
うーん、やはり地域によって稼動状況なり打ち手の動きが違うんでしょうかね。
一番は、設置台数なんでしょうが。
私が管理しているお店は、そんなに多くの台数を抱えている訳ではないせいもあってか、まどマギ2、北斗修羅、バジリスク3どれも、まあこんなもんかなくらいの稼動はあるので助かっています。
土地が余っているせいか1000台前後の大型店舗が多いので、分母に比例して大量導入するので初期需要が済めば一気に通路になる感じです。
500台クラスの店舗だと多くても8台とかの導入なのでそれなりに動いている様に見えます。
地域自体の景気が悪いので何処の店も低貸ばっかり繁盛してるので機械代の回収が大変そうで…
シビ さん
仰る通り、まどかマギカ2でもバジリスク3でも、5~10台程度であればやり方によってはしっかり稼働すると思います。
30台とか50台とか、さすがにそれは多いですよ、と。
特定機種にハイパフォーマンスを期待する時代は終わっているのに、いまだに派手な台数を購入する理由が私にはよく分からないですね。
まあ、当たり機種を掴んだ時の数字のハネ方が大きいので、それを期待しているんでしょうが・・・
今年も残すところあと10日となりましたが、MAX機がまだ残っていたり、撤去リストに載っているパチスロ機が圧倒的に多いホールがたくさんあります。(地方に行くほどヒドイです)
何か混沌とした状況で年越しを迎えそうですが、来年は楽太郎さんにとっても良い年となることを願っております。(奥様も見ているようなので来年は下ネタ控えめに致しますw)
ナナベエ さん
ブログ運営を始めてまだ1年と2ヶ月なんですが、思いのほか読者の方が増えて、コメントやお問い合わせも沢山頂ける様になって毎日充実しています。
嫁さんも、業界内で留め置くんじゃなくて世間の目に晒した方が良い方向に行く可能性がある事なら、どんどん発信すればいいじゃないみたいなノリなので助かっています。
質問です。12/31まで対象の遊技機を使い、
1/1からベニヤ対応するホールがありますが、
調整中等の貼り紙をして、稼働させずに次回の入替え時に撤去するというのではダメなんですか?
西会 さん
電源OFF状態で留め置く事は「撤去」とみなさない、という取り決めがあります。
あくまでも、設置状態の解消、つまり所轄がホールの設置中機種の配置図の書類上で対象機が全廃されている事を確認できない限りはNGという訳ですね。
ありがとうございます。10店舗の店長さんは
撤去とベニヤ貼りで年を越すことになりそうですね
西会 さん
メーカーの事を呪いながら、自らベニヤ板張り対応する店長さんもいらっしゃるんじゃないですかね。。。
来週に新規開店するホールがあるのですが、そのホールは勿論旧基準機の設置比率は50%以下なのでしょうか?
スロットの旧基準機には検定方式が変わった後の新基準純増2枚以上のAT期(北斗強敵、ガルパン等)は含まれるのでしょうか?30パー以下にするならば楽太郎さんが以前おっしゃってたようにスロットコーナーの拡大、Aタイプの増台をしなかれれば厳しいと感じました。
がのん さん
エリアによって、組合の拘束力が違います。
厳しいところなら、組合加入時に総設置台数を申請するのですが、エリア長から「当然、新基準に該当しないスロット機の設置比率はクリアしていますよね」と確認されるはずです。
ガルパン、北斗強敵、これらも新基準に該当しないスロット機に含まれていますね。
撤去とベニヤ貼り…。
確かに新台導入経費は発生しませんが
稼働台数の減少で、売上も減少ですね。
新内規も稼働悪化の一途ですから
ジャグやハナなどの固定的な客層から
搾取する安易な経営を考えたら
それこそ破滅へのスパイラル開始ですよね。
今期の期末には、赤字決算となると
先行不透明なこの業界に融資する
銀行は無いような。
何か策はあるのでしょうか?
レネゲード さん
イメージの問題もありますからね。
一旦懐具合の悪さや、なんかゴタゴタしている様子を地元民から知られると、一気に稼働が低下するという状況にもなり得ます。
そういった状況から立て直すのは難しいので、年末まで問題解決(完全撤去)を渋らないで前倒しで超絶安価な中古機(1万円以下の機種も結構あります)で入れ替えて行くのが良かったのでしょうが、もう遅過ぎますね。
ギリギリまで設置していたりベニヤ板対応になったお店と言う事で、組合や所轄からのチェック目線は厳しいものになる事が予想されます。
質問です。今年12月末、来年12月と段階的なスロット旧基準機の撤去が進むとは思うのですが、旧基準機には検定方式が変わった後の純増2枚以上のAT期(北斗強敵、ガルパン等)は含まれるのでしょうか?
自分の住んでいる地域は地方なので旧基準機を現在も増台したり、(分母が大きいから50%以内になっている)スロットを増台するホールも増えています。この先5.9号機以降の設置比率の展望をお聞かせください。
がのんくん@オールナイト参戦 さん
ガルパンも北斗強敵も含まれています。
今後、設置比率がしっかりと減少していくかどうかは、組合が努力目標ではなく強制力を持って事に当たるのが必須ですね。
この業界、「法的拘束力はあるのかどうか」といった問題に持ちこむホール企業が必ず出て来るので、そういった逸脱店舗にペナルティーを課す姿勢を示さないと、予定通りの段階的な撤去推進は不可能と読みます。
まあ、撤去の過程でジャグラー系に頼るお店が増えて、北電子はウハウハでしょう。
場合によっては、中古機の価格がハネるかも知れません。
沖ドキはリストに入っていませんが、今後も大事に扱われるのでしょうか?
北斗修羅やバジ3に設定入れるくらいなら、ジャグラーやハナハナと共に沖ドキも入れてほしいなぁと。
設定はわかりにくいですが、高設定はそれなりに恰好をつける展開になりやすく、機械割も低めなので使いやすい。そしてプロが嫌う(笑)
飛鳥 さん
沖ドキは扱いやすいですからね。
イベント時には、基本的には全台設定2に変更すればいいや、くらいのお店が多いでしょう。
5,000枚出ても良設定なのか展開に恵まれただけなのか分かりにくい機種ですからね。
これに設定6を使用するのは、ゴッド系やバジリスクⅡなど液晶画面で設定6示唆しない/しにくいような機種にもしっかりと6を使ってくるような実績があるお店だけで、ほとんどのお店は最高設定が4という場面が多いかと思います。
いつも興味深く拝見させて頂いております。
実は新台入替について疑問があります。
ホールさんによって「アンケートBOX」なるモノが設置されていることがあり、そのアンケートには接客や雰囲気などを評価する項目と「台」に関する感想を書く欄があります。この「台」の欄に「入れて欲しい台(新台&中古問わず)」を書いて入れる方が結構おりまして、実際にその希望台が入る場合も何度かありました。
この場合、アンケートによる希望はどの程度入替の際に参考にされるのでしょうか?ホール規模により異なると思いますが、楽太郎さんであればどのように扱うのかを教えて頂ければ幸いです。
TOKUSAN さん
外したい機種(低稼働等の理由)があって、特に購入予定機種が無い場合にはアンケートを考慮するお店もありますね。
考慮する基準になりやすいのは、中古価格が4円コーナーなら20万円以下、低貸しコーナーなら5万円以下といったところでしょうか。
(導入後1~2か月で機械代分の粗利を稼げる水準です)
スロットに関しても同じ事が言えますが、中古でも設置のためには書類が必要なので(1部2~3万円)、小規模店であれば、よほど熱心にアンケートに入れて頂かない限りは要望に応えて導入できない場面も多いかと思います。
ちなみに私は、低貸しコーナーの要望であれば結構応えていますm(_)m