先ごろ、検定時と異なる釘の状態で販売された可能性がある遊技機=「不正」遊技機を、スロット機に入れ替える場合の施策について、いくつかのメーカーから条件提示されたという情報が出ましたが、今回はこれについて解説させて頂きます。
はじめに
まずはじめに、お断りを1つ述べさせて頂きます。
まとまった期間、このブログを読んで頂いている方はお気付きかと思いますが、楽太郎的な用語の使い方というものは結構しっかり決まっていて、それにはそれなりの理由があります。
その最たるものは、「不正」遊技機の定義として、検定時と異なる釘の状態で販売された可能性がある遊技機としている点です。
実は、この問題に関しては、はじめに話題に上った頃から実際に撤去が進んでいき、現在ではその最終段階にある訳ですが、業界内でも
「不正」遊技機=?
この?の部分、つまり定義の部分が、事の進み具合によって若干変わって来ており、この話題を扱う業界誌やwebサイトによってもいくらかの変化が見受けられます。
最終的には、全日遊連が定義するところの「不正」遊技機は
「検定機と性能が異なる可能性のあるぱちんこ遊技機」という事に落ち着いているようですが、楽太郎としてはこの定義に納得が行かないので、あくまでも当初から使っていた「検定時と異なる釘の状態で販売された可能性がある遊技機」という語句でもって、「不正」遊技機と定義しています。
それは何故か、また、それらの違いはどこにあるのか?
本来は、釘の問題であったものが、性能という語句の使用によって、払い出し性能やもっと細かい開発上の機種仕様の話にボカされて話の根本がすり替わっているような気がして、私自身納得がいかないからです。
こういった理由でもって、例えば今回全日遊連から出てきた通知書面で
「検定機と異なる可能性のあるぱちんこ遊技機を回胴式遊技機に入れ替える場合の施策について」
このような表題が付いていても、楽太郎的な語句に変換して
検定時と異なる釘の状態で販売された可能性がある遊技機=「不正」遊技機を、スロット機に入れ替える場合の施策について
このように変えてご紹介していますので、ご理解頂きたいと思います。
・・・さて、前置きが長くなりましたので、表題の件、一気に解説していきます。
事の経緯をご紹介
本件に関しては、
①全日遊連が、スロットメーカー団体である日電協に対して、各ホールが「不正」遊技機をスロット機に入れ替えるという場合に、値引き等の優遇を図ってくれるように要請した
②日電協加盟の各メーカーはそれを検討し、書面回答したメーカーがある
③11月中旬時点で回答が来たのは3社であり、今後も別メーカーから随時回答が出てくる可能性がある
このような経緯になっています。
このブログの「今週の見通し」記事でもたびたび話題にしている通り、パチンコの業況は非常に悪く、最近別記事でも触れた通り、この先パチンコ島/コーナーをスロット島/コーナーに変更するお店も増えて来そうな雰囲気が高まっています。
【参考】2016年11月9日公開
『スロットコーナーを増設するお店が増えてくる見通しについて』
なので、今回の全日遊連の取り組みには、私としては合点がいくというか、タイミングとしては妥当であると思います。

率先して手を挙げて頂きましたが・・・
各メーカーの回答内容
それでは、実際に、どのメーカーが、どのような回答をして来たかについてご紹介していきます。
<山佐>
- 「不正」遊技機の撤去に伴い、その場所に同社スロット新機種の設置を行う場合、その台数等に応じて値引き等を検討する。
- 撤去した「不正」遊技機の下取りは実施しない
- 撤去証明書等の書面確認を求める場合がある
- 2016年12月末までの同社スロット新機種の導入を対象とする
- 希望するホールは、同社営業マンに相談するように
<オーイズミ>
- 同社の乱嵐エイサー30Φを1店舗5台以上導入する場合は、メダル計数機「型式MS-2020」を1台無償で提供する ※[参考]一般的なメダル計数機の価格は、1台100万円程度
- または、同じく乱嵐エイサー30Φを1店舗5台以上導入する場合は、同社の島設備製品である自動メダル洗浄機やメダル回収システム等を格安で提供する
- 対応期間は「随時」(期限は記載していない)
- 詳細については、同社の直販窓口にて対応するため、営業担当に連絡するように
<ネット>
- 「不正」遊技機の撤去に伴い、従来パチンコ島だったところをスロット島に変更する場合に、同社新機種の値引き販売を実施する
- 2016年12月末までの同社スロット新機種の導入を対象とする
- 上記新機種導入時に、「撤去協力値引」として、1~3台導入時=1万円/台、4~7台導入時=3万円/台、8台以上導入時=5万円/台
- パチンコ機の撤去確認のため、変更承認申請書の写しの確認を求める場合がある
- 詳細については、同社営業担当に連絡するように
2016年11月15日時点では、上記の3社から、こういった内容の回答が出ています。
お申し出はありがたいが・・・
全日遊連からの声掛けに対して、いち早く回答を出してくれた上記3社に対して失礼な言い方になってしまうかも知れませんが、この3社の現状の新機種をまとまった台数導入するという選択は、ホール側としてはかなり勇気がある判断です。
例えば、最近のAタイプ機の地位向上をみて、山佐から伝統的なパルサーが6段階設定で出て来て、それに余計な機能も付いておらず価格設定も良心的というのであれば、じゃあ振るわないパチンコ島をスロット島に変更するに際して10台新パルサーを置いてみようというお店も出てくる可能性はありますが、今のところはそういった販売予定は無いようです。
或いは、新たな客層の開拓という観点から、沖スロを初めて導入してみようとなった場合、計数機を無償提供してもらえるか島設備を格安導入できるならオーイズミのプランを聞いてみようかな、というお店ならあるかも知れませんが、別に乱嵐エイサーに期待している訳ではありません。
要は、検討するにはちょっと心もとないメーカーの回答しか来ていない状況な訳です。
これが今後、サミーや北電子等のメーカーから具体的な優遇措置が提示されるのであれば、本格的に検討段階に入るお店が出てくるものと推察します。
また、別の観点から言えば、パチンコをしっかり販売していて、「不正」遊技機の撤去問題に絡んでホールに入れ替え費用負担を強いたメーカーであれば、全日遊連からのこのような要請にはいち早くしっかりとした回答をする必要があるように思います。
・・・また、別のメーカーから新たな回答が出てきた場合には、その都度記事にしてご紹介していきたいと思います。
今回は、これくらいにしておこうかと思います。
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営業戦略もあるでしょうが、積極的に回答を出すメーカーには好感が持てますね。
楽太郎さんのおっしゃる通り魅力的な機種が無いのが困ったところですが笑
ある程度MAX機のシェアを持っているメーカーが率先して提案すべき事案に思えて仕方ありませんね。
シビ さん
仮に優遇内容が薄いとしても、何も無いよりはマシ。
サミーに関しては、「無回答」だけはやめて頂きたいですよね。
回答したメーカーは新機種の販売状況が思わしくないだけかと。
それよりも、パチンコも出しているメーカーが回答すらないのには呆れるしかありません。
まあ、今時40万の定価を平気で掲げるメーカーに今更何を言っても無駄なんですがね。
虎 さん
初代冬ソナが出て来たくらいからは長らく399,800円が上限値として意識されていましたが、現在では438,000円水準にあり、京楽だけは468,000円や50万円といった不思議な価格設定という状況。
かなり世ズレしていますね。
ユ●バ「台数縛り10台を、ナンとまぁビックリ‼9台にさせていただきます。(ただし割引も無し。)」・・・ナンチャッテ。
そういや近所の駅前ホールが30Φが大量導入されて「?」でしたが、こういう理由があったんですね。
ゴンザレス さん
メーカーと個別で特殊な売買契約を結ぶ場合もありますからね。
大都や北電子のホールコンピューターを使っているから、同社の新機種が若干安く手に入ったり、少台数でも優先的に確保してもらえたり。