旧MAX機とお別れし、パチンココーナーの今後の状況はなかなかに難しい様相を呈してきます。
スペック面の整理
エリア差なり店舗の規模にもよりますが、2014年7月の牙狼金色あたりから旧MAX機のシェアが大きく伸び、撤去問題が具体的に出てくる2016年前後にかけて、自店の旧MAX機の設置比率が30%以上というお店がほとんどであったかと思います。
場合によってはその比率は40%以上というお店もあり、これらが確率1/319且つ65%継続機に入れ替わった途端に営業数字を大きく落としてしまったという話も良く耳にする状況です。
年末にかけての見通し記事で頻繁に触れましたが、入替プラン上、前述のスペック機を「新基準MAX機」として位置付けて、かつての旧MAX機の客層や売上/粗利をそのままこのスペック機にスライドさせようと目論んだお店は、私見では高い確率で失敗すると見ています。
確率上、現行機では最も重いというのだけが共通点であり、「新基準MAX機」は打ち手側にとっては期待値が低いものであるからです。
MAXとは単なる確率最大値の事では無く、高継続率が絡んだ高いリターン期待値も含めた上での事であり、この点を間違えてしまうと大変です。
自店に200台あった旧MAX機を、ルパンthe END、慶次X、ヱヴァ11、牙狼シリーズ(闇照、BEAST of GOLD、ANOTHER)のみで置き換え、仮に今後、新作の北斗拳王7確率1/319&65%継続スペック的なものが出てきたらそれを大量導入するというのでは、うまく行かないでしょう。
こういった事情もあり、楽太郎的には、確率1/319且つ65%継続機に、「新基準MAX機」という呼称は相応しいものではないと思っています。
客層の整理
旧MAX機を好んで遊技していた客層、或いはそれ専門の客層に、今後どのスぺックのどのような台を打ってもらうのか。
これが、まずは2017年初頭の課題と言えます。
もちろん、ミドル域、ライトスペック、低貸し玉コーナーの運営も大事ではありますが、取り敢えずは売り上げ貢献度という観点でこの客層は絶対に無視する事はできません。
しかし、前項でもお話しした通り、リターン期待値が低い確率1/319且つ65%継続機にすんなり移行してくれるのかと言えば、全くそうではないため、いわゆる「ヘビーユーザー層」の受け皿となるスペック/機種はやはり新たに見出していく必要があるでしょう。
以下で、現在のパチンココーナーの状況を総合的に見て、この受け皿として機能する可能性があるスペック/機種について、要所で調整数値も踏まえた上で書かせて頂きます。

投資金額負担もリターン期待値も重量級・・・
ヘビーユーザー層の受け皿①
「緻密にボーダー数値管理した確率1/319且つ65%継続機」
確率1/319且つ65%継続機は、すんなりと受け皿にはならないと書いたばかりですが、これは使い方によっては若干ですが状況は変わるでしょう。
すなわち、新時代のハイスペック機として認知してもらうまで、徹底的に打ち込んでもらう事です。
打ち込んでもらうには、それ相応の回し方をしなければなりませんが、言うは易く行うは難しとはこの事で、これができるお店と言うのは、そこまで多くは無いものと推察します。
千円12~13回転の確率1/319且つ65%継続機で、確率分母通りに初当たりを得て、なんとか7,000個を獲得する事ができた。
投資金額は25,000円水準であり、28個交換でのリターンは25,000円です。
理論上は、時短引き戻しも含めた継続率で見れば75%前後の水準にある機種も多いですが、打ち手側が遊技するか否か判断するのはあくまでも確変継続率と言え、大当り5連前後して7,000個を得る事のハードルは非常に高いと思っている打ち手が多いと推察します。
そんな状況で、前述のような渋い調整の台ばかり提供していたのでは、今どきの表現で言えば、話題の新台であっても無理ゲー感が満点でヘビーユーザーはおろか誰も着席してくれず、即飛びの通路状態になるでしょう。
私見では、確率1/319且つ65%継続機をしっかりと稼動させる事ができる調整数値は、自店の交換玉数におけるボーダーからマイナス4回転水準までであり、理想ではマイナス2~3回転であると考えます。
これは、28個交換店の牙狼BEAST of GOLDで言えば、右側の調整にもよりますがボーダー21回と規定すれば、渋く使ってもせいぜい千円17回までが下限と言えます。
しかし、どうでしょう?
特に都市部では、実際にはもう既に千円15回以下の水準で使っているというお店も多く、これでは2017年1月末を待たずしてヘビーユーザーはもちろん誰も打ってくれなくなるものと推察します。
ヘビーユーザー層の受け皿②
「1/200~1/319確率帯で、継続率が高い機種」
既述の通り、ヘビーユーザー層の受け皿として機能させるには、リターン期待値が高いものを提供するのが理想です。
ここで、ちょっと古めではあるが、継続率が高い機種を活用するという選択肢があります。
こういった観点で見れば、手持ちで以下のような機種があるお店であれば、使い様によってはヘビーユーザー層を旧MAX機からスライドさせる事が可能であるように思います。
思い付いたものを、スペック面での特徴と共に、ざっと挙げれば
- 消されたルパン1/299(77%継続)
- 仮面ライダーフルスロットルRS1/319(ST150回、高確率1/92)
- 慶次1/319L6-K(ST125回、高確率1/79)
- 北斗無双1/319(ST130回、高確率1/81)
- ダンバイン1/319(ST80回、高確率1/32)
こんな感じの機種です。
場合によっては、AKB48バラの儀式(1種2種混合72%継続)、JAWS1/319(転落抽選)やタイガーマスク(変則高継続)、Re:CYBORG009(時短突破型高継続)なども機能するかも知れません。
ここで肝要なのは、各機種ごとの強い点をしっかりと告知する事です。
高い継続率などを、札やポスター等で前面に打ち出して、まずは着席意欲をそそる訳です。
しかし、エリアによっては、例えスペック上の事実であっても、それを札などに落とし込む事は殊更に数字を強調して著しく射幸心をそそる宣伝広告として駄目出しされてしまう可能性もゼロではないので、注意が必要です。
まとめ
以上、ごく簡単ではありますが、お店側にとっては軽視できないヘビーユーザー層の動向に注目して、直近のパチンココーナーの運営のポイントを見て参りました。
もちろん、どのように運営しても、どのスペック機や機種にもスライドせず、不幸にもヘビーユーザー層の常連客の多くを失ってしまうお店も沢山出てくるものと推察します。
これは、打ち手側のマインドの問題或いは懐具合の問題もあるので何とも抗い難い事情ではありますが、なるべくそうならないように努力は必要です。
現状のパチンコは、アメリカ社会学的な観点や資本主義経済の動向分析の分野でよく話題にされる「フロンティアを喪失した状態」であり、すなわち、
- 収奪対象(売上/粗利担当)としてのヘビーユーザー層の喪失
- 高いリターン期待値による、新規客の獲得要素の喪失
このような状況にあり、おそらくは状況が大きく改善される可能性はほとんど無いでしょう。
もしも、劇的に改善される可能性を探るとすれば、確率1/319且つ65%継続機ではホールに買ってもらえないと見切りをつけたメーカー側が、自主規制の禁を破り、継続率なり上限TY値なりを内規変更する、といったところでしょうか。
私としては、その可能性は十分にあると踏んでいたのですが、ここ最近のカジノ関連法案絡みで更なる射幸性の抑制案も浮上して来るような状況でもあるので、現状では成り行きを見守るよりほか無いと言えそうです。
今回は、これくらいにしておこうかと思います。
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腹の据わった&現場に対する意識が高いオーナー社長がいれば安心ですね!
・・・パチ業界含め、そんな人はあまりいませんが。脱税の方法とか経費の私的流用方法とか、ゴルフのスコアを考えてる暇はありませんよ社長さん。
ゴンザレス さん
キャバクラ遊びと株価のチェックが抜けていますよ!
地域の客層にあった機種構成を提供したい。
ゴーゴー さん
短いですが、深いですね。
その地域において、需要が無い事をやっても仕方がないとも言えるでしょうか?
どんな価値を提供するのかはっきりさせる事は営業の肝であると思います。
地域民は回る台ならどんな機種でも喜んでくれるのか、新台が良いのか、低貸しなのか、設備なのか?
見極めができていてブレないお店は、実はそこまで多くは無いものと推察します。
>「自分が通っているお店は、自店のボーダー数値なんか絶対に理解していない。
>アホみたいに回らない台ばかりだぜ!」
ホントこれです、コレに尽きます
ただでさえボーダーがキツくなり、平均出玉も継続率も下がったのに
回転率はいつものボッタ釘のままで放置の店が99%かと思います
例えば最近でた新基準機のエヴァ11とか、数万円使って5R通常とか誰が打つんでしょうか。
代わりに確変電サポ状態での継続率が高いとか、16Rの出玉が多いとかならわかりますよ?
ぶっちゃけ1kで30回まわっても打ちたくないですねw
通常5R単発だった場合、少ない持ち玉で粘れないし、確変突入しても「あー・・また即落ちか・・」が現実ですし。
(電サポ状態の通常大当たりですら5R)
新基準機のスペック自体が客側から見て「これはさすがに無理」ですね。さらに回らない店が大半ですし。
勝とうと思って打つ台では無いです、絶対に。
にゃんぱすー さん
確率1/319且つ65%継続機の運用は、半年にわたってまともに動かすためには平時からボーダーマイナス2~3回転の調整水準でないと無理だと思います。
なので、大体の機種は千円17~18回くらいで使っていて、どうしても抜かなければならない場面ではマイナス4回転水準に落とすといった感じです。
最初から、旧MAX機水準の粗利は期待していないので、稼動の維持が厳しい現状にあって、まずは打ってもらうことを主眼に置いた調整です。
ただ、これだとしっかり稼動しても日あたり台粗利3,000~3,500円くらいにしかならないので、大量導入するリスクは犯せませんね。
かといって中古機ばかりでは、会社員層の「養分打ち」による売上/粗利が無くなり、既存の機種を開ける余裕さえ失うので、やはり適当数の新台は必要、ざっとこんな感じです。
こういった状況で、バラエティーコーナーの稼動が上がっています。
ちょっと古めの機種でも、打ち手側にとって相対的に価値が高まっているような感じに見えますね。
自分の周りの10数年来の中毒者達は、ついに皆辞めだしました。
理由は皆一様に、当たっても脳汁が出ない、続かないのが分かってるからそんなに嬉しくないと言ってますね。
旧MAXの感覚に慣れた人々は新基準に魅力は中々見出せてないのだろうと思います。
承り太郎 さん
ウチの旧MAX機の常連客も、バラエティーに置いてある継続70%以上のちょっと古めの機種を好んで打つようになり「新基準機は無理だ~」と絶句しています。。。