パチ屋の経営者自らweb上で店舗PRする手法は、今後流行ると思いますか?-回答

今回は、コメント常連の方からのご質問にお応えします。

 

いしけん さんからのご質問

いつも楽しく拝見させていただいております。

 

今回はWEBを使っての集客についてお伺いしたいと思います。

 

●●という店が動画で集客をすることで業績をV字回復させました。

 

具体的には月の売り上げが1000万円を切る状態から4000万円を超えるまでになったようです。

 

ほとんどコストをかけることなくこれだけのV字回復というのは珍しいことと推察しますが、今回の■■(経営者名)の成功は、オーナーのキャラ立て、売り上げの公開、などをすることで打ち手と店舗の距離を近づけるという方法だったと思います。

 

まず、売り上げが1000万円から4000万円になるということは驚異的な成功なのでしょうか?

 

成功だったとすると「ぱくり」が横行するこの業界であまり「ぱくり」がすすんでいない理由はあるのでしょうか?

 

最後に楽太郎さんは今後このような手法が広がってくると思われますか?

 

以上質問ばかりで恐縮ですがご回答お願いします。

________

ここまでが、いしけん さんからのご質問です。

 

それでは、複数のご質問に対して順次回答させて頂きます。

経営者自らPR

 

回答

売上の劇的な回復について

まず、今回話題に挙げた店舗は設置台数がP150台/S80台前後の小規模店舗に分類されます。

 

私自身にはこのお店界隈の土地勘が無いのですが、地図を見る限りでは電車ではなく車やバスでのアクセス、周囲は商業施設等よりは神社の方が多い、という立地のようです。

 

以前の経営会社が不幸にも立ち行かなくなり、今回の会社、経営者の方がこのお店を買い取るに至った流れとしては、よくあるパターンとしては主要駅や幹線道路沿いの大き目の店舗が仕掛ける大規模且つ回転の速い新台入替に押されて基本稼動の水準が低下し、それに伴って減った売上の中でも同じ水準の粗利を維持しようとした結果、遊べない釘調整/設定配分になり虎の子の地元民稼動を飛ばしてしまったのかな、と推察します。

 

状況が悪い小規模店舗の特徴としては、総バラエティー化があります。

 

話題性があって売上が見込める機種の導入のための機歴/抱き合わせ販売に付き合えず、中古機で動きそうなものをちょこちょこ買って遣り繰りしている内に、例えば以前はCRエヴァ奇跡の価値は全15台で構成していたような島/コーナーでも、適当な中古機を2台ずつ7~8機種置いて多機種構成にしていく流れで、一見すると全部バラエティーコーナーのような感じになってしまう状況です。

 

これは都市部の駅前店などであれば一見客稼動も多いのでそれなりに機能したり、別に何も悪い訳ではないのですが、業界セオリー的には新しいもの好きな会社員層の養分稼動による、まとまった売上/粗利を得にくいため、営業数字が跳ねる日を作るのが難しいと言えます。

 

当初は機械代の抑制になるかと目されても、中古機はそれなりの売上にしかならない場合が多いので、次第に売上なり粗利金額は減って行く事になります。

 

なので、最初のご質問である「売上が1000万円から4000万円になるということは驚異的な成功なのでしょうか?」という事に関しては、月間でそこまで落ち込んだ売上金額を新しい経営主体に変わって以降回復させたという事は、このご時世では、相当凄い事だと思います。

 

なぜ、「このご時世」なのかと言えば、15年ほど前までであれば、売上水準の差はあれ、これくらいの数字の上昇は「一発当てれば」十分に可能でしたし、実際にそうして業績回復させたお店も知っています。

 

具体的に例を挙げれば、それまではトラッドやパルサー、ジャグラー、ハナビなどを設置して「パチンコ営業のオマケ」としてスロットコーナー運営していたお店が、吉宗、初代北斗、ゴッドなどのストック機/爆裂AT機をメインに据える事でスロットコーナーの存在感を一気に上げて営業数字も跳ね上がる、という状況がかなり多く見受けられました。

 

今の20代~30代前半の打ち手では想像も付かないでしょうが、かつてスロットは、パチ屋の営業における脇役的なポジションでした。

 

しかし、数多く出て来ては消えていく当時の4号機のリリース状況にあって、前出のようなエポックメイキング的な機種は時折生まれ出て来た訳であり、そういった「当たり機種」をまともな台数規模で導入すれば、今回話題にしているような売上金額の回復程度であれば、容易だったと言えます。

 

しかし、今現在のパチンコスロットシーンはそのような状況ではない事は、多くの打ち手が当然のように知っている訳であり、いくら話題の新機種と煽られても、そんなに頻繁には遊びには行きませんし、存在するだけで営業数字を跳ね上げる力がある新機種はほとんど出て来なくなっているのは周知の通りです。

 

また、今回話題にしているお店は、そもそも新台による集客やイベント営業をメインに据えている訳ではないので、そういった意味で、ご指摘頂いた水準の売上金額上昇は、かなりハードルが高い事だったと言えるかと思います。

 

成功事例なのにパクらないのはなぜ?

これは、

 

「真似しないのではなく、できない」

「経営者は、営業自体に興味は無いから、自らこのような手法はとらない」

 

という回答が適切かと思います。

 

今回の場合ですと、経営者の方が「自分自身を(集客)ツール化」する事と、その立場がなければ不可能である「営業数字の開示」によって注目を集めたり営業PRしています。

 

この手法は、店舗管理責任者レベルである店長職や営業部長などの判断では無理であり、また馬鹿正直にお店の数字を出せるかと言えば会社の許可がなければ不可能です。

 

営業ノウハウを有した個人事業主/コンサルタント的な立場の者であれば、「カリスマ設定師」といった肩書でweb上やSNS等で自身を集客ツール化できますが、こういった告知を伴った営業手法は全て広告宣伝規制に違反します。

 

私などでも、付き合いのある業界内の方から「~に出演して欲しい」といったオファーや「誌面上で~さんと対談して欲しい」というオファーを頂いても、一応会社にはそのようなお話があったとは伝えますが、経営者からは全てNGが出ます。

 

10年ちょっと前までであれば、実は私はちょこちょこメディア出演していたりしますが(CS番組、雑誌など)、当時は社内的にもそういった事に大らかだったから可能でした。

 

ですが、広告宣伝規制が敷かれ、仮に集客の色気を出したつもりではなくても、何かメディアに出た事が原因で取り締まり行政側から射幸心をそそると判断されて面倒な事になるのをリスクと考えて、私の会社ではそういった案件を受ける事や、買って実施するようなイベントは、全て禁止扱いになっています。

 

また、もし仮に私が会社から許可を得られたとして、営業数字の発信を行い、「薄利営業の優良店」という認知を得て集客に成功したとします。

 

これは、他のホール企業/店舗からしてみれば、

 

  • 「開示している数字はマジもんなのか?(違っていれば詐欺的な集客手法だろ)」
  • 薄利営業のPR=釘調整/設定配分が甘いと言っているようなもので、これは広告宣伝規制に違反するだろ!」

 

このように受け止められる可能性が高いでしょう。

 

要は、お店の数字を出すには経営者クラスの権限が無いと無理、露出する事によって広告宣伝規制上のリスクが発生する、というのが本件の回答です。

 

また、もうひとつ挙げた「経営者は、営業自体に興味は無いから、自らこのような手法はとらない」という事に関しては、わざわざ説明しなくてもイメージできるかと思います。

 

もしも多くの経営者が打ち手の感覚を持っていたり本当に営業の内容に拘っていれば、今のような業界の姿にはなっていない、とも言えます。

 

特に、単店/小規模店舗の経営者の特徴というか傾向としては、営業に絡んで来る場合には「自分のイメージ」だけでとことん絡んで来ます。

 

お店を良くしようとか、お客さんの事を考えるのではなく、機種の扱いに対しては好き嫌いを反映させたり、管理職への接し方についてもその人物を育成しようと考えるよりは小間使い的に接する場面も、いまだに多いと思っています。

 

そして、反対に、興味が無い経営者であれば、営業には全く絡んで来ないで、自身が決めている営業数字の水準を割り込んだら、即刻閉店します。

 

業界を取り巻く厳しい状況にあって、小規模店舗中心に、ここ2~3年は閉店ペースが上がって来ている事はお分かりかと思いますが、そういった状況になるお店は、経営者が適切な度合いで営業現場に接することができていなかったという特徴を備えたお店であると、私としてはそう思っています。

 

今後同様の手法が流行る?

前述の流れで言えば、なかなか同様の取り組みはできないので、広く普及する可能性は無いと思います。

 

今回話題にしたお店は極めて例外的であり、

 

  • 経営者自らメディアに出る
  • 店舗運営の内容を発信する
  • それなりの発信頻度を維持する
  • 発信内容に齟齬が無い(ように、営業現場では見える)
  • 経営者自身がいち打ち手である
  • 経営者がパチンコスロット好きである
  • 発信による広告宣伝規制違反のリスクを負える

 

このような事を自ら実施できたり、敢えて実施しようと考える経営者は、全国でも数名程度であるように思います。

 

 

以上、十分な回答になったかは分かりませんが、今回はこれくらいにしておこうかと思います。

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[記事公開]

2017年9月16日

コメント
  1. 最近、楽太郎氏は自身について情報をだしはじめていますが、そろそろ特定されて身元がバレるのではないでしょうか?

    まあ、もしかしたら楽太郎という人間は存在しなくて、複数の業界通の方が輪番制で架空の人物である楽太郎氏の中身を演じているのかもしれませんが。

    いつか、楽太郎氏の身元が判明した時に
    楽太郎氏がつとめている(いた)パチンコ店に打ちにいきたいと思っております。

    • やるせなす さん
      ふふふ、さあ、どうでしょうね。
      まあ、このくらいのブログですから、別に皆さん私の正体なんかにはそんなに興味が無いでしょう。

  2. パチ・スロ系動画の中でも それなりに有名になっていて
    私も一度遠征してみたいと思っているのですが、
    そもそも、店を買い取ってみた という出発点と
    旧台珍古台でユルく営業しています という特異なスタイルだから
    まあ許されるのであって、
    普通のお店がこれをやったら、反感を買うばかりで
    逆効果じゃないでしょうかね

    • 東京の通りすがり さん
      もうちょっと小さい箱なら、私も経営してみたい気はありますね。

      2円パチンコ70台(35~40個交換)、20円スロット50台(7枚前後)、収益率15%

      こんなもんなら、本当の意味での「遊技」を提供できると思います。

  3. そんなチャレンジャーな店は何処なんだろう(すっとぼけ)

    結局あそこは色んな組み合わせが上手くいった(経緯や経営者の人柄や外見やチクるライバル店の有無等)、という稀有な例なんですね。特に店長のキャラクターが。

    確かに経営者が出演して「暑い日が続きますので、皆さん水分を忘れずにお取りください」なんて時候の挨拶を言った日にゃ「水分→海物語?」「暑い日が続く→激熱?」とか邪推される可能性もありますし、色々注意せにゃなりませんね。

    そこまでのリスクは、確かに負うには覚悟がいりそう。

    • ゴンザレス さん
      負ったリスクに対して、返って来るものがプラス効果の方が大きいのか否かといえば、大きめのお店ならリスク自体込みでマイナスの方が大部分だからまずやらない手法でしょうね。

      ごく小さいお店が、このままでは近隣の競合店から潰されるのでダメで元々的に取り組むなら、まあ無い話ではないかと思います。

      • 窮鼠何とやら。

        弱小店オーナー店長だからこそ取れる、リスクもリターンも全て自分が被るノーガード戦法ですね。是非とも応援したいがちと遠い・・・

  4. 高設定を打つ良釘を打つ更にその店の過去の傾向等からも推測する過程を楽しむてのは醍醐味では有りますが個人的にほボッタ傾向の店の方が優良店ですね。ヒラ打ちやエナをしつつ稀にこんな台に高設定入れてたかて感じで打つのが好きです。優良店と呼ばれる店はテコ入れ時期は確かに美味しいですが回収や騙しが上手い事の裏返しでも有りますし一部強い日なんての有ると抽選引いて終わりなんて日も出てきます。
    設定使う店にどれだけ通っても勝てなきゃ面白く無いですし適度に付き合うのがやはり大事ですね。しかし、このご時世にそれほどの成功を収めた店ならその心意気を忘れず頑張って欲しいものですね。

  5. tak さん
    仰る通りで、理想系は「いつ行っても、適当に遊べる台が適当台数あって、息が長く適当に運営している」お店ですよね。

    下手に頑張ったり、テコ入れ的な営業をすれば、どこかで凹ませなければならないのは道理ですから。

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