警察庁の「釘曲げ」へのスタンスの変化は、警察庁生活安全局保安課TOP人事と共に

今回は、私の備忘録的な意味合いでの記事です。

 

資料を読み返してみる

最近の記事で、1月の全日遊連全国理事会の内容なり、依存問題への取り組みに本腰を入れる必要性なりを扱って解説させて頂きましたが、ふと「年始の行政講話って、かなり重要だよな。場合によっては、その年の取り締まり行政側の方針演説にも近い重要性があったりするし」、と妙に気になった次第です。

 

なので、手元にある正月の行政講話の資料集の中から、いわゆる「遊技くぎ」について警察庁が発した言葉を、「不正」遊技機の撤去問題に発展する直前の数年分を拾い集めてみました。

 

それによって、これまでは「ダメだぞ」とは言いながらも、メンテナンスの範囲でほぼ黙認に近かったものが、2013年(平成25年)以降は特に厳しい文言で違法性を指摘して、更には具体例や入賞個数などの数字をあげての講話内容に変化している事が見て取れました。

 

ただし、例年であれば、大体は正月の講話内容はそのまま年間を通じて同じトーンというか、場合によっては定型句の如く同じ文言で注意するに留まっていたものが、2015年(平成27年)は年間を通じてどんどん具体的かつ厳しい文言に変化していった事は、過去記事でも何度も触れました。

 

この変化が生じた理由としては、取り締まり行政側の人事異動およびそれに伴う取り締まりスタンスの変化が大きく関係しています。

 

これまでは、警察庁人事などどうでも良いという風潮であった業界でも、一端の役職者であれば、当時要職にあった「保安課長小柳氏」と「保安課長補佐大門氏」の役職とお名前、そして行政講話内容は、強く印象に残ったものと推察します。

 

実際、以下で解説する行政講話内容は、この小柳氏によるものから、非常に具体的な内容に変化している事が見て取れるかと思います。

 

それでは、2013年(平成25年)正月の行政講話から、順を追って見て行きます。

 

2013年(平成25年)

1月25日 全日遊連全国理事会

於:第一ホテル東京

 

警察庁生活安全局保安課 課長 古谷氏による行政講話より(要旨)

_______

「釘曲げに手を染める営業者等は、依然、後を絶たない」

 

「警察としては、引き続き、遊技産業健全化推進機構と積極的に連携しつつ、厳正な取り締まりを推進して行く」

 

「釘曲げをはじめとする遊技機の不正改造は、本来店がコントロールできない遊技機の性能に変更を加えるという点で、絶対にあってはならない”イカサマ”である」

 

「釘曲げは、風営法の規則に反するだけでなく、客の信頼に対する裏切り行為である」

 

「業界のイメージを、そして社会的地位を上げようと、(パチンコ業界は)長年にわたり努力を続けて来たが、他方でこのような風潮(釘曲げ)に改善が見られなければ、いつまでも真の意味での大衆娯楽とは成り得ないし、ファン以外の人々からの肯定的な評価には結び付かない」

 

2014年(平成26年)

1月24日 全日遊連全国理事会

於:第一ホテル東京

 

警察庁生活安全局保安課 課長 楠氏による行政講話より(要旨)

_______

「業界の総意で設立し、業界全体でその活動を支えている遊技産業健全化推進機構の活動については、(設立以来の)立ち入り検査店舗数が昨年末時点で1万8千店舗を超え、この立ち入り検査を端緒に検挙に至った事例も多数あり、その成果は着実に上がっていると認識している」

 

「しかしながら、こうした業界団体の取り組みの一方で、不正改造(ゴト行為など)の手口は一層複雑巧妙化しており、釘曲げ等に手を染めて行政処分等を受ける営業者等は、依然、後を絶たない」

 

「警察としては、引き続き、遊技産業健全化推進機構と積極的に連携しつつ、厳正な取り締まりを推進して行く」

 

2015年(平成27年)

1月23日 全日遊連全国理事会

於:第一ホテル東京

 

警察庁生活安全局保安課 課長 小柳氏による行政講話より(要旨)

_______

「営業所に設置されたパチンコ遊技機の釘を曲げたり、取り替えたりする事により、検定や認定を受けた遊技機と異なる遊技性能を創出する事は、悪質な不正改造である」

 

「このような行為は、風営適正化法で規制される無承認変更事案である事はもちろんだが、それに加えて各都道府県公安委員会が適正であると認めた性能を有さない遊技機を設置している事として、風営適正化法第20条第1項の規定にも違反する」

 

「パチンコ営業が、射幸心をそそるおそれのある営業である限り、射幸性の適度な抑制は健全な営業であるための不可欠な条件であるが、釘に手を加えて遊技性能を変更するという行為は、この絶対条件を蔑ろ(ないがしろ)にする行為であり、風営適正化法の趣旨を没却する最も悪質な行為の一つである」

 

「しかしながら、この悪質な行為は、毎年のように平然と行われている状況が続いている」

 

「平成23年から25年までの間に、釘に関する無承認変更の行政処分数は22件である」

 

「この行政処分事案の中身を見て行くと、そのほとんどが、遊技盤面下部の左右に存する一般入賞口付近の釘を狭めているか、大当たり抽選が作動する中央入賞口の釘を調整しているものであり、それによって大当たり抽選の入賞に偏らせるなど、営業者の身勝手な都合により遊技性能を改造している事が疑われるものである」

 

「業界内では、メンテナンスとして釘の調整をする必要性が議論される事もあると承知しているが(この場合のメンテナンスとは、日々の営業で釘は微妙に変化するので、それを検定時と同じ状態に戻すという意味)、少なくとも、我々行政が把握している釘曲げの事案については、釘の劣化によるメンテナンスといったものではない」

 

「(現在ホールで行われている釘調整は)意図的に遊技性能を改造して、過度に偶然性に頼った遊技等を創出している事が窺われる事案である」

 

「この釘の問題について、更に例を挙げる」

 

「某都道府県において、パチンコ遊技機の新台入れ替えに係る変更承認を行う際、その審査のために営業所へ実地調査に警察署員が赴いたところ、従業員がパチンコ遊技機の前面ガラスを開け、ハンマーで釘をまさに叩いていた」

 

「釘を叩いていた理由を調べると、やはり大当たり抽選が作動する入賞口への玉の入りやすさを調整していたとの事であり、更には、当該抽選に関係する釘の場所や入賞口付近の釘の間隔が図示された紙片を販売業者から入手していた事が判明した」

 

「この販売業者の行為は、営業者が不正機を設置しようとした行為に荷担したと言われかねない」

 

「この事は、(ホールに設置された)遊技機が検定機と同一である事を都道府県公安委員会に対し保証した製造業者の信用を傷つける行為でもあり、遊技機の型式試験制度の根幹を揺るがす悪質な行為であると言える」

 

「釘の問題は、業界内の広範囲で、甘く考えられているのではないかと危惧している」

 

「全日遊連においては、この釘の問題が、風営適正化法に基づく射幸性の適正管理を堂々と侵害している厳しい現状を真摯に受け止めた上で、業界全体で改善すべき課題と捉え、その認識を業界の常識とするように尽力し、不正改造事案の絶無を目指して頂きたいと思う」

_______

ここまでが、2013(平成25年)~2015年(平成27年)1月の行政講話内容の要旨です。

 

いかに、小柳氏の講話内容が具体的かつ厳しいものであったのかがお分かり頂けるかと思います。

 

そして、この後、業界がどのように動いて行ったのかについては、ちょうど1年前に公開した過去記事を参照して頂ければ、事の経緯の振り返りには十分かと思います。

 

【参考】2016年1月30日公開

『「不正」遊技機の撤去が問題になるまでの経緯(お問い合わせへの回答)』

 

 

今回は、これくらいにしておこうかと思います。

コメント頂ける方は、下の方からお願い致します。

 

 

「近所のお店は、釘問題が出て来る前と、ほとんど状況が変わっていないんだが・・・」、「一般入賞口が1個も拾わない台ばかりのお店が近所にある」、という方は、そっと押して下さい。
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コメント
  1. 最近、チョロチョロと打って、3000円くらいで回らなくて吐き気がして帰る、それまでに当たったら交換できる程度まで出たらすぐやめて帰る、くらいのことをしています。
    で、釘について思ったのは、とにかくワープゾーンに入らない!最近流行りの調整なんですかね?

    • Daidai さん

      ゲージ的に、かなりキツ目(玉ゲージで11.03くらい)にしておかないと通過しやすい機種が多いので、ステージ入賞を抑えたいお店は過度に無難な調整にする傾向はあるかも知れませんね。

      どんなゲージなのかと言えば、液晶が非常に大きく、左側の領域がかなり縦細長で釘(寄り釘、バラ釘)も少ないような機種です。

      イメージしやすいところだと、ルパンスーパーヒーローでしょうか。

      玉の経路が限定的であり(左右の振れ幅が少ない)ワープ付近の釘に絡んでしまうと通過しやすいので、じゃあワープ入口はガッチリ閉めてしまえ、と。

      • 楽太郎さん、どうして釘は開け閉めしたらダメよ!って、警察からこれだけ言われてるのに釘を閉めるのは何故なんですか?

        • かっちゃん さん

          一般入賞口に関しては、いまだに全く拾わないようにマイナス調整しているお店もあるのは事実ですね。
          個人的には、こんな状況で、よくそんな危ない営業ができるな、と驚きますが、たぶん危機感が無いんでしょう。

          ウチには立ち入りは無い、と。

  2. 警察の力は凄いですね。

    記事読んで、最後の過去記事リンクも読んで、そしたらいかに怒濤の展開で撤去問題になだれ込んでいったかよーくわかりましたです。

    • ひろ さん

      まさに怒涛の展開でした。
      記憶が無い月もあるくらいですから。。。

  3. >「近所のお店は、釘問題が出て来る前と、ほとんど状況が変わっていないんだが・・・」

    この一言につきます
    口ばっかで何にも1ミリも変わってません
    お上のごたくはもう聞き飽きました、回らないクソ釘で365日放置が全てです。

    • にゃんぱすー さん

      現場に出て来ないタイプの店長さんや部長さんが釘を一任されているお店は、危険ですね。
      ストレスを抱えているお客さんの顔も見えないし、仮に立ち入られて釘を見られた時に対応する現場スタッフや責任者の気持ちも全く分からない訳ですから。

      遊技産業健全化推進機構の立ち入りを受けて、「一般入賞口、全然拾わないよ。所轄にお知らせしないといけないレベルの酷さです」と指摘されて、そのお店ではどう対応するんでしょうかね。

      過度にマイナス調整した台で、自店の営業を危険に晒す場面もある事を、認識すべきです。
      これは、綺麗事のように聞こえるかも知れませんが、今後は警察の意向でチェックが厳しくなるのは既に分かっているのですから、それに対応できないお店は色んな意味でヤバいと思います。

  4. 数年前ルパンを打った時、千円で2回しか回らなかった事がありますね…(苦笑)いくらなんでもこれは酷くないか?と思って以来、パチンコ自体に嫌気がさし今は全く打たないです…
    今後順調に釘問題が改善された場合、交換レートの変更などを店が講じ、結果としてゲーセンの延長線みたいな感じになるんですかね~

    • リョウ さん

      交換レートの変更にはネックになる点が1つあり、それは一物一価です。

      時間や労力は掛かりますが、長い目で見ればパチンコは低レートの方が営業しやすいとも言えるので、変更を企画する・・・が、それに合わせてスロットの方も下げないといけなくなります。

      仮にそのお店が若い客層が旧基準機メインで立ち回っていて売り上げの大部分をそれに依存していれば、場合によっては一気に営業数字が崩れるリスクが生じる訳で。。。

  5. 回らない、当たらない、お金が無くなる。結果、普通の思考をもった人ならば、パチンコを止め他の趣味を見つける。なので、今後、ホールには1パチ目当ての高齢者が増え、若者は減り、ホール経営は一層苦しいものとなるでしょう。
    もう昔には戻れない一線を業界が越えてしまったので・・・。パチンコやパチスロやらなくても死なないし。自浄作用が機能しない業界は、過去の歴史をみても衰退もしくは消滅しています。

    • 十全 さん

      業界人の私が言うのもなんですが、「今週の見通し」記事の冒頭で、定型文として書いてる通りです。

      パチンコスロットで得られる物は多くないですし、仮に得られてもそれは一時的、個人的な物であり、家族や友人など周囲の人を幸せにできるものではない・・・

      それを分かった上で打てる人でないと、十全 さんが仰るように何か別の趣味を見つける方が生産的だと思います。

  6. 静岡で理事の店舗がガサ入れ喰らって店長が逮捕されましたね
    見せしめ的意味合いが強いでしょうがこれすらもライバル店の嫌がらせなんじゃないかと思います
    とっととMなりDなりに踏み込んでほしいものです

    • タイムリー さん

      マルハン、ダイナムなどに対する、取り締まり行政側の強いスタンスはあまり感じませんよね。
      なぜなのかは分かりませんが。。。

      ダイナムは大手にしては大人しい印象ですが、マルハンはエリアによってはその界隈で最も激しい広告宣伝を実施していたり、突っ込みどころは多いと思うのですが・・・

      • 過重労働の見せしめとして労基が大企業に捜査を入れるように、警察も見せしめに捜査を入れるなら大企業の方が効果はあると思うんですがね?ハテサテ。

        • ゴンザレス さん

          不思議と入らないんですよね、大手には。
          なんでか?単に面倒だから?
          謎です。

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