今回は、パチンコ機種の仕様上の玉減り(無駄打ち)についてお応えします。
Contents
Nony さんからのご質問
いつも楽しく拝見しております。
遅ればせながら最近パチンコの北斗7を初打ちしました。
打ってて思ったのがこぼしポイントの多さ。
確中の無駄に長いリーチ、当たってからアタッカー開放までの間、ラウンド間の間と、賞球ポケットがあるとはいえ止め打ちをする人としない人で大きく出玉が変わるだろう印象を受けました。
ただ同時にこれって良くできてるなとも思いまして、一般ユーザーからすれば球が減っていることに気づきにくいんですよね。
球が直後に出てくるシチュエーションが多いので。
- こういう台は、お店からすればありがたい台なのかなと思いますが、実際どうなんでしょうか?
- 塵も積もればなんとやらで、思ったより利益が取れているな、ということはあるのでしょうか?
お忙しい中申し訳ありませんが、お時間のあるときにでもご回答いただけると幸いです。
よろしくお願いします。
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ここまでが、ご質問内容です。

なんか、損してる気がする・・・
回答
<機種選定では>
まず、北斗7がどうだとか、リーチ時間(図柄確定に要する秒数)やアタッカー開放までの時間間隔といった細かい事以前に、パチ屋が基本的にどのような造りの機種を好むか=ご質問にもあった、どのような機種ならありがたいのか?
これについてお話します。
これは一言でいえば、設計上の分間スタート分岐が自店にとって有利かどうか、これが最も重視されます。
※コンテンツ力などは度外視してお話しています。
あくまでも、ハード面の事情です。
打ち手の皆さんにはあまり馴染みが無い数値ですが、調整上はこの分間スタート(回転率)を少なくとも小数点第一位まで見て調整します。
※例:分間スタート「5」ではなく、「5.9」や「5.1」くらいの精度で見ます。
※このブログでは、打ち手の体感でより分かり易いように「千円あたり」の回転数に換算しています。
このスタート分岐の考え方には絶対評価と相対評価があり、まずは自店の損益分岐がどのくらいの数値なのか=絶対評価が重要です。
そして次に、相対評価ですが、これは主に低レート営業のお店が重視する見方です。
例えば、33個交換のお店であれば、最新台であるA機種のスタート分岐データと睨めっこして、
「エリア内にはマルハン、害悪、三海楼、億兆、DIE南無、P悪・・・27.5~28個交換店ばかりで、低レートはウチだけ」
「今回のA機種のミドルは、競合店の交換個数分岐だと千円21回水準か・・・じゃあ、彼らが手堅く台粗利5,000円以上とろうとしたら、千円17回前後で叩くのかな」
「ウチの交換個数だと、損益分岐が千円23回水準・・・千円20回前後の調整でも、ギリギリ台粗利5,000円残せる感じか」
「基本的には利益調整しやすい設計値で、しかも他店よりも釘の見た目が良い状態で置いておける、じゃあ3台買っといてもいいかな」
もの凄く、簡単に説明すれば、こんな感じに考えます。
次に、今回のご質問にもあった、打ち手が発射のタイミングだとか、狙う場所だとか、そういう事に無自覚に遊技してしまった場合に損をする造りの機種をお店側は好むのか、これについてお話します。
<あくまでも、おまけ>
こういった、細かい造りを知らない打ち手が損をしやすい=お店側にとって都合が良い造りの機種については、あくまでも副次的というか、そういう造りなんだな、くらいの感覚です。
なので、例えば、「右を狙え!と液晶画面にナビ矢印/音声が出てからアタッカーが開くまでの秒数がかなり開いているから、ここで無駄打ちするオッサン方が多くて利益になりそうだな」とまでは考えません。
むしろ、まともな感覚の調整担当であれば、こういったタイムラグが大きい造りの機種に関しては、「これを導入した際に、スタッフとお客さんが変に揉めたりしないかな、どうかな」といった具合に、営業現場で誤解が生じる余地があるかどうかの方を重要視します。
或いは、「当たってから右打ちのナビが見にくいな、これはジーサンバーサンには分かりにくいか・・・ウチの常連の年配層には、贔屓にしてもらうのは難しい機種なのかな」だとか、「まず①スルーに玉を通して、次に②を狙って、次に③の手順を踏むのか・・・面倒な印象を持たれないといいけど」といった事の方を心配します。
なので、分かりにくい、打ち手側が損をしやすい造りに関して、それを理由に積極導入するとは言えません。
ただ、得をするのは事実であるため、それは「おまけ」的に、有り難く頂戴する、くらいの感覚です。
<賞球遅れについて>
特に即連時において、玉の払い出しに時間がかかって、凄く遅い場合は大当り終了後30秒ほど経ってもまだ玉が出切らずに次の当りが来て、また払い出しが遅くて・・・といった状況があるかと思います。
こういった造りの機種について、「右打ち中は、無茶苦茶厳しい調整で使ってガンガン玉減りさせても気付かれないかな」とまでは考えません。
まあ、これは調整担当のタイプというか考え方にもよるので、一概には言えませんが、払い出しが遅い機種だからこういう調整で使おうとまでは、プランを練っている訳ではありません。
むしろ、右打ち中にかなり削って運用したいと考えるタイプの調整担当が気にするのは、上皿の容量の方です。
最近の台枠の上皿は、玉が70個入るかどうかくらい容量が少ないものもあります。
これは、チャンスボタンなどが巨大化している弊害と言えます。
こういった造りの場合、1個戻しタイプや調整上の削りが多いとロングSTの場合は2~3杯分も上皿に玉を補充する場面が出てくるので、調整担当としては「削りにくいな」と考えて、普通はそこまでマイナス調整はしません。
※こういう事を全く考慮せず、ガンガン削ってくるタイプの調整者も居ますが・・・
また、上皿の深さも結構重要で、着席状態では余程身長が高いか胴長の人でもない限りは上皿の中を覗き込む事が困難な造りのものもあります。
こういった造りの台枠で、削りが大きいと、いつの間にやら発射が空打ちしていて、いざ覗き込んだら上皿に弾が無い、こういった状況で打ち手が感じるストレスは相当なものです。
なので、先ほどの上皿の容量が少ない台枠と同じく、派手に削るのはダメだな、そう考える調整担当は多いと思います。
※こういう事を全く考慮せず、ガンガン削ってくるタイプの調整者も居ますが・・・(2回目)
<造るのはメーカーなので・・・>
色々と説明して来ましたが、お店側が機種選定する際にはまず稼動が見込めるかどうか、そして先に触れた通り自店の交換個数で使い勝手が良いかどうかで判断します。
なので、細かい造りの好き嫌いや、打ち手がどう感じるか、こういう事情については、仮に色々とマイナスポイントがある機種であっても「こういう造りでメーカーが出して来たんだから、仕方ないじゃん」くらいの感覚で導入を決める機種選定担当者がほとんどです。
もちろん、メーカー営業マンとの会話上、
「液晶に大当たりと表示されてから、アタッカーが開くまでの時間が長すぎるよね。これオッサン方はかなり無駄玉を弾くぞ」
「賞球が遅いのに上皿、下皿の容量が少ない。これだと各台計数じゃないお店は面倒だぞ」
「右打ち開始なのに、肝心のナビが見にくいよ、ユーザー目線じゃない」
「ミドルと甘デジで盤面にほとんど見た目の違いが無い。これだと、年寄りは勘違いして打ってしまう場面もあるかも。手抜きしないでもっとデザイン変更するとか、色を変えるとかしないとマズいだろ」
こういった遣り取りはある訳で、意図的に紛らわしいもの、打ち手側が損をしやすい造りのものを選んで導入する事はなく、むしろ修正すべき点は話題にします。
それが、実際にメーカー側の新機種企画/開発にまで伝わっているかまでは、私には分かりませんし、伝わっていたからといって実際にそれがハード面、ソフト面に反映されているのかも分かりません。
塵も積もれば?
では最後に、無駄玉なり、勝手にこぼれて持ち玉減になりやすい、或いは調整によって削る事で、それが数個ずつであっても塵も積もればお店側の利益としてはまともなのかどうかについてお話して、締めようかと思います。
これは、専業層は非常に良く理解している事でも、一般の打ち手の方にはなかなか感覚が分からない事かと思いますが、単純に数値を書き出してみれば、ちょっとした玉数減でも、例えば終日稼動した場合などは大きな違いが生じる事がすぐにお分かり頂けるかと思います。
極端な例を挙げます。
大当り時に必ず1,600個出るスペック機があって、これが高確率で継続するループ型だとします。
大当り~確変時は右打ちで、幸運にも30連チャンしたとします。
確変時の玉減りが全く無い造り或いは調整の台なら、理論上は1,600個×30連=48,000個が獲得できます。
しかし、今回のご質問であったように、何らかの理由で打ち手側が損をしやすい要素が複数あったり、調整によってマイナスポイントを作られている場合、これよりは獲得個数が減ります。
それが例えば、「右を狙え!」というナビの発生タイミングだったり、アタッカー開放のタイミングだったり、或いは電サポ性能が低くて玉減りしやすいといった要素が絡んだ結果、毎回の大当たりのたびに50個前後が減っていたとします。
これが30回ほど続けば、前述した理論値と比べて約1箱分=1,500個(28個交換では5,300円に相当)の違いが生じる訳で、これが更に営業日を重ねればより一層の違いが出て来ます。
設置期間が長い機種だと、お店の交換個数にもよりますが、日あたり台粗利3,000~4,500円くらいの運用の機種が多い訳ですから、上記のようなちょっとした個数の差でも、お店の利益にとっては軽視できないものと言えます。
なので、塵も積もればお店側にとっては大きな利益なのかどうかと聞かれれば、それは事実である、という回答になります。
まとめ
以上、機種の仕様或いは調整上、玉減り(無駄打ち)しやすい機種に関して、
- こういう機種は、お店からすればありがたい機種なのかどうか?
- このような事情で発生した玉減りは、塵も積もれば、まともな利益になっているのか?
こういった主旨のご質問に、補足も交えながら回答させて頂きました。
今回は、これくらいにしておこうかと思います。
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[記事公開]
2017年5月9日
再導入されたミリオンゴッドライジングの199の潜伏を拾い、運良く電サポ入りました。
上皿崩壊どころかスルー全然通らず電チュー開かない、液晶動かないの鬼調整。
前日に打った時に止め打ちして微増させたから甘いデータが上がって締めたでしょうか。
止め打ち以前に打ちっ放しでも遊技にならない釘ってどうなんでしょうかね…
こんにちは
ミリオンゴッドライジングってMAXの導入当時から右ルート全般が厳しい調整してる店が多かった覚えあります
この機種に関しては前日の利益とかデータとか関係なく厳しい調整してるんじゃないでしょうか?(なかなかの出玉力をお持ちなんで 笑)
私の地元にもまだミリオンゴッドライジングのライトミドル残ってますが導入当時からずっと鬼調整されてるままです。
それでも好きだから打っちゃうんですけど…
パチンコおじさん様
前日は打ちっ放しで微減、止め打ちで微増だったんです。(少し締め気味の調整)
翌日も潜伏落ちててシメシメと打ったらとんでもない調整になっててストロークどう弄ってもスルーに寄らない締め方でした。
シビ様
なるほど
前日も打たれてたんですね
こっちの地元はほとんど調整なしでずっと締めっぱなしです
こまめに調整する店があるだけでも羨ましいです(´;ω;`)
シビ さん&パチンコおじさん さん
釘はマメに動かしてくれた方が、釘読みする楽しみができるので打ち手にとってはウェルカムなはずですが、ここ何年かは「動く=マイナス調整」なお店ばかりで勝負にならないですよね。
私自身、打ち手として、ひと昔前は、万年釘で放置だと思っていた台の釘頭が光っている=久しぶりに叩いたな!?とか、色々邪推しながら弾いていました。
プラス調整だと思っていたら、実は店長が「引っ掛かったな!それ、ただ釘頭を指で撫でて光沢を出しただけ。残念!」とか答え合わせされたり、まあそれはそれで楽しい日々でした。
今は、こういう楽しみ方が出来るお店は少なくなって来ていますよね。
古くはひぐらし、最近では銭形(高尾)とか、右打ちにストレスのかからない台ほど
回らない傾向は感じますが。もっとも新要件は戻し1なのでサポがあってもガンガン減るのがデフォですね。仕様で減るのはしょうがないですが、スルー絞りは店の悪意以外の何者でもないので調整としても考えていただきたいものです。
daidai さん
たしかに、無調整でもかなり減る造りの機種はありますね。
それを更にマイナス調整すれば、技術介入して確変ベース85前後がいいところ。
会社員のお父さん方だと、60台といったところかと思います・・・
こういう質問って自作自演とかの場合もあるのではと思っています。
以前ブログをやっていた経験上そんなに頻繁に問い合わせなんか来ないのは分かっているので。
oioi さん
そこらへんは、バカ正直に運営しています。
だいたい、月間で40件前後のお問い合わせフォームのご利用があり、Twitterでも月に30件前後のダイレクトメッセージ対応をしています。
参考にして頂けるように、今月のお問い合わせ管理画面画像2枚をTwitterで公開しておきました。