今回は、いくつかのご質問にまとめてお応えします。
パチ専すわっぴ さんからのご質問
初めまして。
いつも一杯やりながら楽しく拝見しております。
私は1974年頃から親父に手を引かれて都内の遊技場に出入りし、雀球・スマートボール・アレンジボール・パチンコを楽しんできた者です。
現在も、時間のある限りは情報収集し、目一杯稼働し、月の遊び代程度は稼がしてもらってます。
さて今日は、お教え願いたいことがありまして・・・。
①ハンドルに付いてるボタン(注:ストップボタン)、ウェイトでしたっけウォッチでしたっけ?
技術介入でこれだけ問題が起こるのであれば、元凶であるコイツを取っ払ってしまおうという動きはないのでしょうか。
真っ先に考えそうなことなのに、業界から当局に要請して・・・とか、全然聞いたことがないですよね。
②甘デジ・遊パチ・デジハネ、呼び名はさておき、この専門店が無いのでしょうか。
どっかにあるのかもしれませんが、私は一軒も知りません。
1パチの店があるならば、と、思うのですが。
③パーソナル(注:各台計数機)の店が増えましたよね。
出玉の細かい個数管理等には最高に便利ですが、これからは導入する店は多くなっていくのでしょうか。
出玉感のアピールは弱いですし、箱を使ってる店で、箱の中に1/3位持ち玉があっても、「これっぽっち流しても・・・」との思いから、つい使い切ってしまいがちですが、パーソナルですと、簡単にカードに貯玉されて帰られちゃう。
けっこうな違いだと思われますが、人件費は節約できる・・・。
が、初期投資が・・・。
他にも、●●店にあるガラスケースの中のラジコンの4WDは横転した時はどうすればよいのか、■■店にいつもいる、ウルトラ加齢臭のあのヤロウはどうやっつければよいのか、等、ご相談したいことは山ほどあるのですが、長くなりましたのでまたの機会ということで。
どうぞ返事はごゆっくり、忙しい時に無理をなさらぬよう。
と言いつつ、更新を楽しみにしております。
では。
________
ここまでが、ぱち専すわっぴ さんからのご質問です。
それでは回答です。
回答
①ハンドルのストップボタンについて
ハンドルの機能についてですが、ご存知の通りパチンコは「遊技」な訳ですから「技量」の部分がないとその根本が揺らぎ業としては成立しなくなります。
現行の風適法施行規則を見ますと
第八条 著しく射幸心をそそるおそれのある遊技機の基準
として、いくつかの項目で「こういう造りの遊技機はダメ」というのを規定しています。
その項目の十番目に記載してある内容を書き出します↓
・客が操作していないにもかかわらず遊技球を発射させることができる遊技機であること
・遊技盤上の遊技球の位置を客の技量にかかわらず調整することができない遊技機であること
・客が遊技盤上の遊技球の位置を確認することができない遊技機であること
・役物を著しく容易に作動させることができる性能を有する遊技機であること
・遊技の公正を害する調整を行うことができる性能を有する遊技機であること
・客の技量が遊技の結果に表れないおそれが著しい遊技機であること
・遊技の結果が偶然若しくは客以外の者の意図により決定されるおそれが著しい遊技機であること
こんな感じです。
客の技量うんぬんという内容を掘り下げて見れば、
「打ち手が任意で、玉を遊技盤面上のどこに弾くか調整しながら遊ぶのがパチンコであり、それができない仕様ならば著しく射幸心をそそるおそれがある」
このように解釈でき、もっと言えば打ち手に技術介入させないお店なら、そこは遊技場ではない、つまり法規上の存在が危ういとも言えるかと思います。
※法律知識がある訳ではないので、あくまでも私見です。
まあ、ごく簡単に言えば、打ち手の技量によって玉の発射を調整できるように強弱幅があったりストップボタンが付いているという訳です。
なので、発射を司る機能に関して強弱幅がなかったりストップボタンを取っ払ってしまう事は、メーカーとしては打ち手がその技量を遊技に反映させにくい仕様で製造/販売していると警察庁から指摘されても不思議ではないため、「この機能を上手い具合につかって”遊技”してね」という製造者側の意図を端的に示すものとして付けている機能であるため、敢えてこの機能を無くする事は無いと思います。
ところで、ここでひとつ、問題があります。
では、「三洋の右打ち切り替えボタンは合法なのか?」という事です。
これは、ハンドルを右に回す事なくボタン操作によって遊技盤面の右領域の同じ場所に玉を発射できる機能な訳ですが、解釈によっては、打ち手の技量に依らず一定の発射が可能という事で、
「客の技量が遊技の結果に表れないおそれが著しい遊技機」に該当するのでは?
或いは、遊技盤面の右領域に、技術介入の余地がある何かしらの役物が付いている遊技機であれば、
「役物を著しく容易に作動させることができる性能を有する遊技機」に該当するのでは?
という事です。
ここらへんの事情については、実際に問題視されたり訴訟になったりした事例を知っている訳ではないのでこれ以上は何とも言えませんが、ご質問頂いた発射関連の事については、例に挙げたように色々と解釈が分かれるものもあるとだけお伝えしておこうかと思います。
②甘デジ専門店はあるの?
いざ聞かれてみれば、なかなか見掛けないな、と新鮮な気持ちになりました。
名古屋と大阪に専門店があったかな?
などと思い起こしますが、店名までは出て来ず、また今なお元気に営業しているかも分からず、仕方ないので調べてみたら兵庫県の姫路市で1店舗発見しました。
『人生劇場』という屋号で営業中で、設置機種欄を見ますとたしかに甘デジ専門である事が確認できます。
しかし、こちらはPS併設店ですので、純然たる甘デジ専門店かと聞かれればそうではない訳で、もしも存在するのであれば、逆に私の方が教えて頂きたいです。
ちなみに、営業上もしもそのような専門店にしたらどうなるかですが、遊技機代がやはりネックにはなりますが、稼動が8,000~10,000個水準で台売上13,000~15,000円水準くらいを維持できるのであれば、台粗利2,000円の調整なら、そんなに見た目も悪くない営業ができるかと思います。
ただし、大きく抜ける(粗利が残る)日が少ないので、「無難な」調整にしようとマイナス調整する内に稼動が飛んでいって、5,000個以下のアウト個数になったら廃業予備軍入り・・・という嫌な流れも見えます。
まあ、やれと言われれば、私としてはノーサンキューとだけお応えしておこうかと思います。
③各台計数機のお店は増えるのか
まず、各台計数システムの導入に際してのコストですが、どのメーカーの機器を選定するか、またどの程度の島設備/遊技機周りの改修が必要か、或いは値引き幅がどの程度かはお店によって大差があるのでざっくりとしかお話しできませんが、玉積みだったお店が初期導入する時の総工事費を概算した場合は1島あたり1,000万円は必要とお考え頂いて良いです。
この費用負担が高いかどうかもお店による訳ですが、お店側の者は大体、こんな事を考えていると言えます↓
・採用難や人件費上昇の流れが続くのであれば、各台計数にした方が良いかも
・立地や建物の構造上、外からやる気が見えた方が集客に繋がるので玉積みの方が良い
・立地や建物の構造上、出玉が弱くて外から見えない時は集客に繋がりにくいので、各台計数の方が良い
・低貸し玉コーナーの台数が多くなり、そこにこれまでと同じ人員で巡回するのはコスト的に見合わないから各台計数にして巡回人員を減らしたい
・古いビル物件だから、島内が狭い。積める玉箱の数に限度があるし消防法上の安全な避難経路を確保できない可能性もあるから、各台計数にした方が良い
・ウチは40個交換店だから、持ち玉移動されると打ち手側に有利になりすぎる
・スペックダウンに主眼が置かれた法改正以降は、より一層出玉感のPRが重要になる。デジタル表示ではなく、やはり玉積みでの視覚的な演出が必須である
・管理遊技機時代に突入するなら、出玉も遊技機周りでデジタル表示化される可能性がある訳だから、それまでは現行の玉積みシステムで良いだろう
こういった色んな事を天秤に掛けて判断します。
なので、各台計数のお店が増えるかどうか聞かれれば、採用コストの上昇傾向がどこまで続くかや、法改正後に出て来る遊技機の仕様にも影響を受けるので、現状ではどちらとも言いにくいです。
まとめ
以上、ぱち専すわっぴ さんからの複数のご質問に、お応えして参りました。
はっきりした回答ができないものばかりで申し訳ありませんが、ひとつ思ったのは普段は自分ではあまり考えない事を、こうして質問して頂くのは新鮮で楽しいな、という事です。
業界歴が長くなって参りますと、自分の身の回りや限られた思考の範囲内でしか活動できなくなるリスクもあるなと、改めて実感させて頂いた次第です。
今回は、これくらいにしておこうかと思います。
コメント頂ける方は、下の方からお願い致します。
「技術介入させない店なんか、潰れてしまえ!」という方は、そっと押して下さい↓
[記事公開]
2017年8月26日
姫路の人生劇場は、大正レトロを意識した外観とか
いろいろ凝った店で、知る人ぞ知る存在だそうで
(パチンコに大正は古すぎるだろ とか突っ込みたくはなりますが)
かねてより、一度 行ってみたいと思っています。
大阪のナンバにも甘デジ専門店をうたったオクチョーという店があったはずですが
閉店してしまったようですね。
人件費やら何やらが高い大繁華街で、この営業スタイルは難しいんでしょうね。
いわんや東京では
各台計数っていくらかかるんだろうと思っていましたが、1島1000万円ですか!
必殺仕事人Vを初打ちした店は球箱方式でしたが、
下皿はないわ、アゴみたいに突き出ているわで、箱を交換しにくく
各台係数を前提に台を造っているのでは と感じました。
そういう台が増えてくるのでしょうか。
東京の通りすがり さん
各台計数に対応しているユニットサンドを既に設置しているお店なら、計数受け皿を付ければ客先の設備としては必要最少限のものはOKです。
それに、事務所内に管理用の端末を1台新設して、出玉演出としてトップランプをオプションで新設(持玉数に応じてランプ色が変わったりするやつ)、島内の配線工事、ホールコンピュータとの通信、作業人員の人件費・・・といった内訳ですね。
各台計数前提の遊技台が増えるかに関しては、管理遊技機の開発具合にもよるのでなんとも言えません。
なるほど!それで80年代以降登場した初期デジパチ機が大当たり抽選が「モード方式」であった為、このストップボタンを使って単発打ちが流行ったにもかかわらず、このボタンが無くならなかったのは、そういった根拠があったからでしょうか❔
ところで楽太郎さん?今でも純粋にこの単発打ちは有効な台って存在するのでしょうか?(所謂ゴト師が触っていない台で・・)
ニューマン さん
結局は開発上のポリシーや、解釈が分かれる遊技規則を無難に遵守するためのポーズなどもあるでしょうから、こういう事はやはりメーカー側の方に聞いてみない事には実際の理由までは分かりませんね。
ドツキなどを組み合わせず、単発打ちのみで大当りに直結するような攻略余地が大きい機種は、今は思い浮かばないですね。
それこそ、湘南爆走族やアラジンデスティニー、ファフナーくらい旨みがある機種となると、現行機では名前が挙がって来ません。
早速のご返答ありがとうございます。そして、伏せ字のご配慮ありがとうございます。
また何か分からない事がありましたら、よろしくお願いしますね。
パチ専すわっぴ さん
今月初めてお問い合わせが月間100件を越えました。
1日2件を目安に順番でお返事していますので、10日ほどお待ち頂く場合もあったり、調査が必要な案件だと更にお待ち頂く可能性もありますが、それでも良ければいつでもお気軽にご連絡下さい。
人生劇場は小さい箱で、現金店で、30玉交換です。
いっちょかみ さん
P-WORLDのHPを見てみたら、なかなかに味があるお店のようですね。
現金機時代にストップボタンを削ったり配線を切ったりして止め打ちさせない店が多数ありましたよね。アースも調整してあって硬貨などで固定したら手放しで玉が打ち出されつづけて。
単発打ち防止や打ちっぱなしにして無駄玉つかわせたかったのでしょう。
いちいちハンドルを戻すのはめんどくさいので殆どの客は打ちっぱなしにしていましたね。
やるせなす さん
ストップボタンがハンドル前面に付いていて押しにくい機種もありましたかね。
三星の権利物だったか…忘れました。
楽太郎氏は22~3年前に東京都杉並区に
日本唯一の羽モノ専門店、サンコーⅡという店があったのをご存知でしょうか?オープン当初は業界内でも話題となり各地から同業他社の方が視察に来たり、某有名一流パチンコ雑誌が取材におとずれたりしていました。
羽モノ専門店といっても実際には十数台ほどファンキードクターや現金機ノーマルパチンコ、普通機(一発台ではない)が設置されていましたが設置台の九割は羽モノでした。
そしてこの店はオープンから約2ヶ月間ほど店内に監視カメラが一台も設置されていないというとんでもない営業をしていました。後に警察の指導で監視カメラを設置してたそうですが今では考えられませんね。
ホールコンは景品カウンター横の磨り硝子に囲まれた場所にあり液晶画面などなくデータが印刷されたテープが何メートルもでてくる代物でした。なのにポスやジェットカウンターは今では当たり前ですが当時は珍しかったメンバーカード(会員カード)が使え、貯玉ができるマースの最新機種でした。
のちに一発台のミサイルやスロットが設置され羽モノ専門店ではなくなり一年半ほどで廃業したのですが私の記憶に残る名店いや迷店でした。
今の時代だと羽モノ専門店の営業はきっとムリでしょうね。
姫路の甘デジ専門店の話題をみて、ふっと昔の記憶が蘇りました。
知ってますよ高円寺サンコーⅡ!!!自慢じゃないが、100回は行ってるはず。すぐ近くには、さらに上をいく宇宙一の珍店「赤玉(ホントは赤宝)」もありました。ここはなんと、2000年頃まで「パーラーキング」や「初代フィーバークイーン」がありました。一回交換2.4円でしたね。
サンコーⅡでは「マジカルチェイサー(次回までで2箱増やした)」「マジカルランプ」「ジャングルハウス」「モンキッキ(保留止め攻略したなぁ)」などをよく打ちましたねぇ。
開店時、モーニングサービスで「玉ちゃんファイト」が大当たり直後の状態(連チャンしやすい)にしてあり、引けなかった人がみんなすぐに帰っちゃって、店内ガラガラに・・・。
当たり1回ごとに券をくれて(「甘ブリバリ原始人」の小当たりにまで!)、それを30枚位ためると【夢の台・定量2000発】が打たしてもらえるんです。
普段は1台だけ稼働停止中みたいに上から布を垂らしているんですが、それをまくり上げると・・・・・・夢のような「ファインプレー」が!!!
「最初の100円だけは入れてください」(サンドに500円玉か100円玉を入れる時代です)と言われ、打ち始めると、10玉もあれば充分。あっという間に2000発。ただし2.2円ですが。
いや凄い釘でして、こんなものが今店にあれば、即営業停止➡店長逮捕・監禁・拷問➡死刑又は無期➡チェーン店国庫没収なのは間違いのないところ。
やるせなすさん、懐かしい店を思い出させてくれてありがとう。白鶴◯を呑みながら、涙が止まらないぜ。
赤宝…平成になってもザ・昭和なパチンコ屋でした。CR機未設置、基本、一回交換、八回大当たりで、同じ台を打てなくなるなど…。
最後までCR機未設置で連チャン現金機を設置期間が過ぎても設置し営業しつづけ摘発をうけ廃業という悲しい最期でした。
サンコーⅡはモンキッキの尻尾に玉が仕込んであるモーニングサービスもしていましたね。
あと、ミサイルで釘に玉がひっかかり(首吊り)店員を呼んだらド新人のアルバイトが対応にきたので、大当たり穴に保証玉をいれるようにお願いしたら無知な彼は本当にクルーン下の大当たりチューリップに玉を入れてくれました。
首吊りが発生した際に調子にのってまた彼を呼び玉をいれさせたら隣のドツキゴトプロ野郎にチクられ、役職から厳重注意をうけましたがその大当たりは許してもらえました。いい思い出です。
あの店をご存知な方がいて嬉しい限りです。きっと店でお会いしたこともあるでしょうね。
やるせなす さん&パチ専すわっぴ さん
店名だけは知っていますね。
当時は主戦場が神田、上野、池袋界隈だったので、そっち方面はエリア的に詳しくないです。
羽根物専門営業の可否についてですが、コンスタントに販売されるという前提であれば、不可能ではないですかね。
ただし、羽根周りに連釘が多いと拾いが良くて店側不利になりやすいので、最近の釘調整NGの流れに完全に逆行してぐんにゃり曲げないといけません。
35~40個交換くらいのお店が無調整/定量スタイルで台粗利2,500~3,000円くらい残せる設計の機種なら、そこまで利益追及しないホール企業であればアリな営業店舗かと思います。
1パチで締めるよりは、適当に遊べて同じくらいの粗利が残って入れ替え頻度も落とせる羽根物専門営業の方がマシという見方もできますからね。
しかし、こんなパチ屋のブログでも、オールドファンの交流の場として機能したり、適当に需要はあるもんだなと嬉しく思いますm(_)m
はじめまして…?
時々まとめ読みさせていただいております.
右打ちボタンの話をちらっと書かれていましたが,あのボタンは実は弱く押すと左打ちする事も可能です.
要はハンドルを捻る強弱をボタンの押し込みの強弱で出来るようにしたものなのです.
そういう点で規則もO.K.となっているようですね,時々試してみたりしますが途中で面倒になります(笑)
ゆさ さん
止め打ちの事をお話しするたびに思うのですが、そうやって発射の強弱を工夫しようと思うだけの機種や釘調整の台が無いお店も多いですから寂しいご時世ですよね。
ハウスルールで禁止なんかされた日には、もう何をもって遊技なのかすらも分からなくなってしまいます。
当たるまでボケ~っとハンドル握ってろ、と言っているようなものですからね。。。