先日、社用で関東圏の某所に遠出致しました。
お、思い出したぞ~
その帰りに、目下、小池劇場でお馴染みの新宿に立ち寄り、都会の風に吹かれてデキるビジネスマンを気取って街を歩いていた楽太郎。
途中、小綺麗なお花屋さんを発見し、店内外の陳列品を色々と見ておりましたら、実にセンス良く設えてあるギフト用のブーケを発見。
これは、嫁さんの機嫌をとるには最適だ。
お値段は約5,000円。
えいやっ、と購入し、白と青の2色に金色の縁が付いた素敵なテープでラッピングしてもらい、気分良く退店。
さてと、お散歩もこのへんにして、帰宅してビールでも飲んで寝るか、と思って駅方面に戻っていたら・・・長らく忘れていたある思い出が、街の景色と共に蘇って参りました。
「あ!そういえば、昔、お遣いで新宿に来たな!」
やっちまったか!
当時の私は、いわゆる若手マネジャー的な役職で、その日は時間帯責任者である先輩マネジャーと一緒に早番時間帯勤務しておりました。
時間は、たしか昼過ぎだったかと思います。
突如、不穏なインカムが入ります。
「社員の方、すみません。●階の●コーナーまで来て頂けますか!」
「どうしましたか?」
先輩マネジャーが応えます。
すると・・・
「不手際で、お客様の所持品を、ダメにしてしまいました!」
むむ!これは、やっちまったな!
先輩が現場に直行。
私はたしか、別フロアの休憩回しフォロー中だったか何かで、現場には行っていません。
ですが、インカムの遣り取りから、マズい事態であるのは伝わって来ます。
やっちまったもんは仕方ない。
あとは、何をやっちまったのか、それが重要な訳です。
携帯か?
時計か?
それとも・・・
事務所にて
事務所に戻り、現場対応した先輩マネジャーと顔を合わせた楽太郎。
「ど、どんな感じなんですか?」
恐る恐る聞くと、
「5万円だってさ」
「はい?」
「このメロン、なんか凄く良いやつで、5万以上するんだって!」
「な、なぬ~!!!」
目の前には、激しくぶつかって落としてしまったらしく、角が大きく変形した箱が。
中身は、大きめのメロンが2つ。
凄く嫌な言い方をすれば、「パッと見では、中身は押されて凹んだり潰れたりしていないから、別に大丈夫じゃん」といった感じでしたが、包装具合からしていかにもな贈答品です。
当時、我々2人では、この金額の対応のための現場裁量権は無かったので、すぐさま店長にTEL。
状況を話すと、「金額を証明して頂けるものを預かって、最速最短で同じ物か同等の物を弁償しろ」との指示が。
購入時の領収書をお持ちだったので、それをコピーさせて頂く事に成功。
しかし、初老のお客さんの口から出て来た一言は、
「明日、鵠沼(注:神奈川県藤沢市)の知人宅に訪問する時の、手土産のつもりだったんだ。弁償してくれるって言ったって、間に合わないよ・・・」
ぐ、ぐわあ~、これは、いよいよマズいぞ!
アウェーの地、新宿へGO!
さて、ここから先は、大体は察しが付くかと思います。
当時のパチ屋は厳格な縦社会(今では幾分マシになりました)。
「時間帯責任者が、店を離れる訳にもいかん。楽太郎、今すぐ新宿まで行って、同じやつ、買って来い!」
その時の先輩と私の手持ちを合わせて、たしか約7~8万円。
これを握りしめて、いざ新宿へ。
20代前半の頃は、よく裏モノを打ちに来ていた懐かしいエリアではありますが、もう完全にアウェーであり、一気に緊張感が漂います。
迷子にならずに、ミッションクリアできるものか不安です。
しかし、時間が無いという事で、言わずと知れたフルーツの老舗、新宿高野 の場所を調べて、最寄り駅にダッシュで向かいます。
約2時間後、無事に辿り着いた楽太郎。
領収書のコピーを元に、お客さんが購入した商品を探してもらうと・・・
高級メロン様、登場
清潔感溢れる明るい老舗高級フルーツ店内で、ヤニ&汗臭い社会のド底辺パチ屋の楽太郎が、ドキドキしながら店員さんを待ちます。
「しまった・・・事前にTELして、同じ商品があるか聞いてから来れば良かった」
「もしも、同じやつが無かったら、どうしよう?店長は”同等の品物”と言ったけど、フルーツで同等のものって、一体何なんだよ!」
間もなく、店員さんがやって来ます。
「ございますね。同じ商品がご用意できます」
おお!助かった~
何とかミッションはクリアできそうです。
そして、ギフト商品コーナーに案内され、実際にモノを見せてもらった楽太郎。
「こ、これが、5万円・・・」

頭が高い!高級メロン様のお通りじゃ~!
※実際には、若干見た目が違うが、たしか大体こんな感じだった。
猛ダッシュで店に戻る
そんなこんなで、約5万円のお支払いを済ませて、大急ぎで電車移動。
先輩にTEL報告も済ませます。
人生で、後にも先にも、これだけ高額な果物を買った事はありません。
しかも、結構重いです。
これを、初老の方が大事に抱えて、運んで来たのか・・・余程大切な訪問先なんだろうな。
色々な事を考えながら電車移動し、お店に戻ると、早番時間帯の勤務時間はとっくに過ぎていますが、先輩が待っていて、すぐさまお客さん対応へ。
お客さんは、のんびりパチンコを打ってお待ちだった模様。
程なくして事務所に戻って来た先輩の口からは、
「お許し頂けたばかりか、対応を褒めて頂いた」という一言が。
やらかしてしまったのは、若い男性アルバイトスタッフでしたが、こういう時は免責です。
弁償にあたっての私と先輩の持ち出し分も、後日店長から頂きました。
まあ、ハラハラドキドキしましたが、うまい具合に落着した「高級メロン事件」でした。
・・・最終的に、店長が、どのように処理したのかは謎ですが。
(当時の社内体制だと、ひょっとしたら自己負担?)
最後に、もしも、同業の読者の方がいらっしゃれば、初老のお客さんが大事そうに持っている「いい感じに包装してあるちょっとしたサイズの箱」には、十分にご注意頂きたいと思います。
今回は、これくらいにしておこうかと思います。
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[記事情報]
2017年2月11日公開
「高級メロン、こわい・・・」、という方は、そっと押して下さい。
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危機管理対応力100点です。
ケースメソッドは多種あると思いますが、若い管理職にも見習って欲しいな。
何をきっかけで自店舗を贔屓にしてくれるか?
ちょっとした事でもビジネスチャンスはあるものです。
体育会系の良い所が出ましたね。
だけど今は体育会系嫌われるからな…
きつく言うとすぐ辞めちゃうし、上になると率先垂範しなくなるからですかね?
北の養分 さん
私としては、今になって思えば、やっつけてしまった方のメロンの行方が気になりますね。
結構大きいし重いので、弁償分と2セット持って帰ったとは思えないのですが。
聞いておかなかったのが悔やまれます。
指導方針については、体育会系の熱血指導だと今ではパワハラになるので、そういうやり方は怖くてできないという役職者も多いんじゃないですかね。
ホール企業によっては、法規に触れないような指導の仕方、パワハラ、マタハラ、セクハラ等々や退社時に揉めないような接し方みたいな役職者研修的なものを導入しているところも増えています。
以前足を組み替えようとしたらネチョーっと腿にガムが付着。
前に座った客が台の下側に着けて行った様ですが、店員さんに苦情を言ったら白服さんがクリーニング代として諭吉を封筒に入れてくれました。
クリーニングどころか軍資金になって店に返しましたが笑
店に落ち度が殆ど無くても気持ちの良い対応をされると贔屓にしちゃいますね。
シビ さん
それはナイスなお店ですね。
ちなみに、私のお店では昔、お爺さんが座っていたところに別の方が着席したら、なんとお漏らししていて、あろうことか脱●した形跡まであったと苦情が来た事があります。
事後対応としては、シビ さんが受けたものと同じです。。。
はじめまして。
いつも勉強させていただいている、同業の者です(最近社員になったばかりです)。
今回みたいなおもしろエピソードと業界情報のバランスが絶妙で大変参考になります。
正直言って尊敬しています。
私が勤務する店には楽太郎さんのような方は一人もいませんし系列にもいるのかどうかわかりませんが、せっかく社員なったので昇進できるように頑張ろうと思う毎日です。
頑張るモチベーションを下さることに感謝しています。
これからの記事更新も楽しみにしています!
青眼竜 さん
役立つと評価して頂いて嬉しいですが、同業の後輩という事で、申し訳ありませんがちょっと嫌な事を書かせて頂きます。
キャリアが浅い者が、自店にはまともな人間が居ないとか判断するには早過ぎます。
自分の接し方いかんで人物の見え方は変わって来るので、まずは自分の業務レベルを上げる事だけを考えて取り組んでみて下さい。
また、何年か経って、仮にそれでもまともな上司が居なかったりするのであれば、自分がそういう不毛な社内環境を変えるくらいのつもりで頑張って下さい。
(最悪の場合は、飛び出す判断も必要ですが)
良い上司に恵まれれば、見本にすれば良いですし、ロクな方が居ないのであれば、その方を反面教師として捉えて下さい。
こんな匿名ブログを運営していて実体が見えない者を尊敬するのは得策ではなく、青眼竜 さんのキャリアにはあくまでも「参考」程度のお役にしか立てません。
若いうちに接するべきは人です。
大変な業界ではありますが、成功する事をお祈りします。
頑張って下さい、応援していますm(_)m
青眼竜さんへ
良く、報告、連絡、相談、通称「報連相」と言います。
聴いた事あるかと思いますが、上司が嬉しいのは「相談」なんですよね。
今、管理職側からは、パワハラやら何やらで言い難い事が沢山あり、言葉を選んで部下との距離感を気にしたり、コミュニケーションの取り方に悩む上司が非常に多いのです。
職場のいろいろな方と相談をして、良いコミュニケーションを取り経験値や味方を増やして下さいね。
お二人共ご丁寧にありがとうございます。
若造にて考えが至らない点ご勘弁下さい。
色々と業界人ブログを読んでいるのですが、こんなに教養深い方がパチンコ業界にいるのかと正直言って驚きました。
アドバイスはありがたくいただいた上で、今後も勝手に目標にさせていただきます。
ありがとうございました。
青眼竜 さん
実り多いキャリアになるように、お祈りします。
高級メロンなんて都市伝説だと思ってましたん。そして千疋屋はテレビの中にしか存在しない架空の店かと(笑)
東京パネェっす。まじリスペクトっす。
結果として、潰れたメロンとの交換になったんですかね?試食はなさいました?
ゴンザレス さん
潰れた高級メロン、その後どうなったか分からないんですよ。
少なくとも、私は、食ってません!
あら残念。普通に考えれば最終的にお金を出した店長さんが持って帰ったんでしょうね。
ゴンザレス さん
当時の店長は、一人でおいしく頂くタイプですね!
迅速な対応に頭が下がります。
客商売は対応を誤ると、色々大変ですからね(私はその昔、飲食業界で対応を誤って大変な目に…短気は損気とはよく言ったもんです)。
それにしても、その初老のお客さんは相当なお金持ちに違いない(ゲスな話ですみません)。
私だったら5万もするメロン片手にパチ屋には絶対行けませんよ…。
テツ さん
そこまで身なりが整った方ではなかった記憶がありますがね。
それよりも、当時の私が驚いたのは、それを新宿から持って来たという事です。
結構重いので。
楽太郎さんの青眼竜さんへの返信を見て正直感動しました、普通なら縁もゆかりもない他人なんだから
耳障りのいい言葉を並べておけばいい人と思われて楽です、なのにあえてそれをせず相手の事を考えて
真摯なアドバイスをされておられますね、自分も楽太郎さんの店に行ってみたいと思いましたね。
ただその爺さん、そんな高い贈り物を持ってパチンコ屋に行くなよw
チェーン店糞くらえ さん
やはり、業界の後輩となると、扱いは違いますね。
物事には何でも、良い面と悪い面があり、それらは天秤にかけて判断すべきです。
その両面が見えてくるまでは環境がどうのとか同僚/上司がどうのとか、語るべきではないと思っています。
まあ、最初に悪い面が見えてしまうというのは、仕方ない事なのかも知れませんが、そこは踏ん張って欲しいですね。
携帯電話などの個人データ関連品の破損となると、
代わりのものを買って渡すことができないので大変ですよね。
(破損対応は代わりのものを買えば終わり、といいたい訳ではないです)
シラーニャ さん
実際に、スロット筐体のドア開閉時にスマホを挟んで壊してしまったが、画面などが割れただけでデータは無事だったという事例があります。
リスク管理が大変なご時世です。。。