規則改正に伴って、「換金の問題」が浮上する可能性について

今回は、業界の換金事情の先行きについてお話ししたいと思います。

 

規則改正の大波は業界各所へ

読者の皆さんは、2018年2月1日施行の規則改正について、特にスペック面や依存問題対策の内容などは、結構色んなところで見聞きする機会が多いかと思います。

 

実際、私も、過去記事で再三にわたって取り上げさせて頂いた話題ですので、今回はそれとはまた別の、規則改正によって少なからず影響を受けるだろう事について私見を述べさせて頂く事にします。

 

それは、特殊景品(ホール外の買取所で換金し得る景品)に関わる事です。

 

業界事情に明るい方であれば、当初警察庁が策定していた規則改正案において、「賞品(注:ホールが扱う「景品」と同義)の提供価格の上限引き下げ」についての言及があったものが、最終的に決定した規則改正内容からは業界団体の意見を酌む形で削除された事はご存知かと思います。

 

この経緯が分からないという方は、お時間があればで構いませんので、こちらの記事を参照頂ければご理解頂けるかと思います↓

 

【参考】2017年8月9日公開

『法改正案のパブリックコメントまでの経緯まとめ-全日遊連はどのような要望を出したか?』

 

要は、当初警察庁としては、スペック面の見直しによりリターン期待値を下げるだけでなく、遊技の結果得た玉/メダルでお客さんが交換取得する景品の上限値も下げる事で依存問題対策とする事を考えていたものの、ホール側(全日遊連)はそもそもこれまで警察庁自身が推奨して来たはずの「多種多様な景品の取り揃え」にマイナス影響するため、その施策は妥当ではないと見直しを求めた、という経緯です。

 

なので、規則改正というと、どうしても遊技機性能の事だけに目が行ってしまいがちではありますが、景品に絡んだ話もありますよ、という事にもう一度フォーカスして頂くべく、今回の記事の導入で紹介した次第です。

 

この規則改正と景品の事情ですが、もう一つ重要な側面があります。

 

それが、今回の記事のメインである、換金の問題です。

 

ホール経営は落ち込む

ぱちんこ業界と、程度の差はあれ射幸性/依存度の高低は、密接に関わっています。

 

いかに余暇産業、「遊技」であるとは言っても、ホールに遊びに行く事で「いい思い」をしたり喜怒哀楽が刺激されなければ、打ち手にとっては詰まらない児戯に等しいものに留まると言えます。

 

今回の規則改正は、法の厳格適用を求める時代の要請とも言えますし、カジノ関連の事を動かすために必然だったとも言えますが、そこは置いておいて、動かしようのない事実として、スペックの弱体化によって打ち手を刺激する力を削がれる格好になります。

 

この当然の帰結として、ホール運営における営業数字の要素と言える売上/稼動/粗利の全てがダウンする事は明白です。

 

もっと言えば、減った売上でも従来通りの粗利を残そうとすれば、釘調整/設定配分は打ち手にとって不利なものになり、更なる稼動低下を招き、またそれが売上減に繋がり粗利減に・・・

 

このような流れになるお店も沢山出て来ます。

 

そして、実入りが減ったホールは遊技機を買い控え、これまで2万台完売していた新機種でも5千台のセールスがやっと、という場面も出て来るという観点でメーカー側も少なからず影響を受ける事になります。

 

ここまでは、ホール、打ち手、メーカーのお話です。

 

ここからが本題ですが、この流れは、換金所にも大きな影響を及ぼす事になります。

暇な換金所

 

「お客さん」が減ると…

特殊な業界なので、打ち手の皆さんでも普段はあまり意識しないと思いますが、特殊景品を手にした打ち手は、換金所にとっては大事な「お客さん」です。

 

ここからは、どの業界/商売であっても共通していますが、お客さんが大きく減れば、その運営にも影響が出て来ます。

 

換金所は、3店方式における商取引相手としてホールに関わっていますので、ホール側の営業状況によって利益が変わって来ます。

 

規則改正によって、打ち手にとってのホールで遊ぶ事の魅力やリターン期待値が減ったり実際に手にできる特殊景品の数量が減れば、換金所にやって来るお客さんが持ち込む特殊景品の数も減ります。

 

また、そうなれば、日々業界内で流通する特殊景品の数も減ります。

 

つまり、景品問屋がホールから仕入れてもらえる特殊景品の数も減るので、その懐具合も悪化するという事です。

 

要は、ホールの営業状況が悪化すれば、出入りする特殊景品の数量も減り、3店方式によって関わる問屋/換金所の利益も減るという構図です。

 

これが、どのような結果を招く可能性があるのか?

 

やっていけない換金所が出て来る!

あるパチンコスロット店の近くで、たまたま営業している小さな不思議なお店では、中年の窓口スタッフがTVを見ながら誰か来るのを待っていて、無言で特殊景品を買い取ってくれる。

 

これが、ホール側が関与しない、外での事情です。

 

もしも、今回の規則改正によって、とある小規模店舗の営業状況が悪化して日々発生する特殊景品の数量が大きく減れば、それを取り扱う換金所の経営状況も悪くなります。

 

しかし、いくら経営状況が悪くなったとは言え、「こんな粗利じゃ、もうやってられませんわ!」と最寄りの換金所が廃業しては、ホール側としては営業にかかわる事として困ってしまいます。

 

特に、ホールが密集しているとは言えない地方では、より切実な問題になります。

 

近くに換金所がないため、3km離れた隣町ホールの換金所まで行かないといけない、こんなホールで遊ぶ人はそう多くはないですから。

 

では、経営状況が悪化した換金所に対して、近場のホールはどうするかと言えば、これは業界の裏話ではありますが、換金に持ち込まれる特殊景品の数量によらず一定額の買取手数料を支払ってその経営の安定化を図ったり、物件の家賃/維持費或いは人件費などを「援助」して、何とか営業を続けてもらおうと考えます。

 

こういった行為は、3店方式に関わる者同士での資金提供とみなされ行政処分の対象となる可能性が非常に高いと言え、今回の規則改正によって、今後こういった事例による摘発は、今までよりも増えて来るのではないかと思っています。

 

こういった事情は、過去記事でも触れていますので、より詳しい事を知りたい方はこちらをご覧頂ければと思います↓

 

【参考】2017年1月20日公開

取り締まり行政側(政府)が認めている3店方式が、100%成り立っている状態の定義とは?-回答

 

もしも、本当にそのような状況になれば、警察庁としてはこれを機に換金の問題に踏み込んで法整備しようと考える可能性も出て来るものと推察します。

 

それが、「換金、ダメだよね」という方向に動くのか、それとも「パチンコ業法を作って、しっかりとした買取手順の策定を前提に換金を認めて、然るべく課税されるようにしよう」という方向に動くのかまでは読めませんが、何かしらの動きのきっかけになるのではないかと、私としてはそう思っております。

 

読者の皆さんは、どのようにお考えでしょうか?

 

 

今回は、これくらいにしておこうかと思います。

コメント頂ける方は、下の方からお願い致します。

 

 

 

 

「換金の際、何らかの形でしっかり課税して、それが地域経済の足しになるような施策とかなら、悪くないかもという方は、そっと押して下さい↓

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[記事公開]

2017年9月25日

コメント
  1. 1円パチンコが出始めた頃から、換金所やっていけないって話出始めましたよね。
    定額にしても行政からは、それは給料払いと同じと見なされるおそれもありますし、、。
    縮小期には色々問題でてきますねぇ。

    • てんま さん
      必ずとまでは断言できませんが、この話題はまた出て来るんじゃないかと思います。
      国会の場で若手議員の質問ネタになるとか…

  2. ヤクザ「僕と契約して違法換金をさせてよ!」・・・ナンチャッテ

    ギャクとしてはツマランですが、絶対に無いとは言えないのが怖いですね。無論昔と比べれば透明性が増してるとは言え、失礼ながら度々横領事件が起きてる業界ですし(先日は店側の言い分で億単位の横領事件も発生)、みかじめ料は作れなくもない。そして暴力団も日々新しいシノギを探そうとしてる。用心せねば。

    まぁ全うな方法で再建しようとしたら、換金以外に古物商として別の買取りを行う等、副業を行うとか?うまくいくは分かりませんが。

    しかしTUCとかなら、今回の話もしっくり来ますが、地方のようにパチンコ屋のほぼ同じ建物内に併設している換金所だと、撤退するイメージが全然湧きませんね(´・ω・)基本、中が見えないから、仮にホール店員がいてもバレないし(笑)

    • ゴンザレス さん
      引退した釘の師匠は十代半ばから関西のホールでバイトして二十歳くらいで社員になって釘を叩いて、みたいな典型的な昔のパチ屋人材なのですが、当時は店の外に「パチンコ景品買い取り人」が居て、転売益を得る稼業等をやっていたらしいですね。
      彼らにも縄張りがあり、A店の裏口何mには近づかないとか、近付いたら身の保障はできないなどの暗黙の了解的な裏社会ルールで回っていたようです。

  3. パチンコ店の特殊景品を客から買い取りをしている景品交換所は古物商扱いなんですよね?
    都内にて、一つ5500円もする金を客から買い取る際に売り手に身分証の提示や住所氏名などを書類に記載させないのは何故?これは法律違反なのではないですか?
    また買い取り金額に本来なら消費税がかかるのでは?(これについては詳しくわかりませんが)

    • 記憶違いならスミマセン

      一万以内なら身分証の提示が必要なく、身分証の提示が必要の無い買取りは記録義務が無いから。いくつか景品貰って合計金額で一万以上でも、個々の商品が一万以下だから必要ないそうです。ザル過ぎてワロスワロス(´・ω・`)

      消費税については・・・分からんです。詳しくは楽太郎さんが教えてくれると思います。もしかしたら謎の古物商の事はホールの人はよく知らないかもしれませんが。あるいは三猿状態。

      しかし今TUCは大景品が5500円ですか。私の時は5000円だったと思いますが、ずいぶん値上げしたなぁ。換金のための組み合わせがめんどくさそうだ。

    • 景品交換所は古物商許可いらないですね。原材料(金地金)を購入して売買しているので、古物には当たらないです(ということになっている)。あと、換金に関わるものに関して、保安課が許可出すは思えないっすw

      • やるせなす さん&ゴンザレス さん&てんま さん
        業界的には、10年くらい前からですが一般の金券ショップ的なオープン且つ合法的な仕組みに出来ないものかという議論はありますね。
        もちろん、面倒ですが売り主にも所定の書面に記入してもらったり、といった事が前提です。
        今は、業界から進んで換金絡みの事で何か働きかけるほどの余裕は無いので、動いていないように思いますが。。。

    • さかな さん
      今回の記事や、引用した過去記事でお話ししているような「何かしらの援助」をしている事例は沢山あると思っています。
      データで出すのはほぼ不可能ですが、あくまでも経験的にそう思いますね。

  4. 換金所の副業が行われていないい事実から推測すると
    ホールと換金所はそういう取り決めがなされているんだろうなと思います。
    一般の古物商として換金をする傍らで様々な古物を扱うことは合理的でしょう。

    • けん さん
      金券等の買い取りもすると店先提示していたが、実際には難色を示したり担当が居ない等の理由で実質拒否したという話も聞きますね。

  5. 今や「三店方式」がほぼ確立されてるようですが、中でも大阪は早くからこのシステムが導入されてました。

    デジパチ機が登場する前、東京でパチンコをしていた時、大阪に比べ100円景品(当時はクシやライター石)が2~3玉上乗せ交換になっており、調べたところどうやらヤクザへの手数料になっておりました。

    交換所ももろその筋の事務所と分かるところで、中には彫り物入りのおあにいさんが、ゴロゴロいてました。

    その後、当時の警視庁が「ヤクザの資金源ランキング」を発表したとき、この交換業務が第7位にランキングされているのを見て、妙に納得した覚えがあります。

    まぁ、マーケットサイズが2~3兆円時代の話しですから、行政の管理・指導も緩かったのかと思います。

    • ニューマン さん
      警察も、地域課とかマル暴とかの部署だと、その地域の裏社会や有力暴力団の上層部と話が出来るような付き合いはしていたらしいですからね。
      引退した釘の師匠から聞いた話ですが。

      大阪と東京の換金事情については、大阪は戦後の「寡婦の雇用の受け皿」として、東京は首都における「暴排の推進」として着手された経緯がありますが、最近の若手業界人だとなかなかこういった事を知る機会は無くなって来ている感じですね。
      まあ、そもそも教えにくい事でもありますが。。。

  6.  ??? 店と換金所が形式的にはもちろん、実際にも無関係というのは意外でした。
    都心(23区内)と地方では事情が違うと思いますが、共通景品になる前は、店舗ごとに換金所があり、景品は当該店舗のみ有効でした。最近の関西(神戸)でも同じで、違う換金所に行ったら「店が違う」と言われましたし。そういえば名古屋では換金所で数%の手数料取られたなあ。

     意外というのは、例えば私の地元には3店ほどあり、それぞれに換金所(すべて同じTなんとか)があります。そのうちA店が廃業→α店になりましたが、換金所はそのままでした(人も変わってなかった)。B店も廃業してβ店になりましたが、やはり同じです。そして、B店(現β店)と前からあるC店は隣り合わせで、換金所もすぐそば(歩いて10秒)です。

     なので、三店方式とはいっても、実質的には店が換金所の経営に一定程度は関与している(実は店自体が経営者である)と思っていました。例えば場所の賃借料、アルソック、景品運搬・現金輸送の際の警備費用、人件費といった経費の負担ですね。

     ただ、今回の楽太郎さんのお話だとそうではない、と。
     ただそうなると、景品も共通で同じTなんとかなら改めてすぐそばに換金所開く必要なくない?
     上記の地元の例では、β店が新規開店した際、換金所なんか開かなければいいわけで。C店の使ってね、でいいのではないかと。すごい無駄な気がします。
     βがBから居抜きで買い取った際に、「換金所も続けてくれ」みたいな約束があったかもしれませんが、それだとやはり換金所と店には密接な関係があるわけで、楽太郎さんの話と整合しませんのでそういうわけではないのでしょう。

     なんか、ご説明受けても両者の関係はスッキリしません。換金が違法だどうだのくだらない話でなく、そういう中間の費用負担も遊技者に転嫁されているのではないか、という観点です。
     
     

    • daidai さん
      それこそ、現場の店長レベル、本社でも部長レベルでは関与していない、できない事情なのかも知れません。
      小規模店で、なんでも自分でこなす百貨店的な店長さんなら、経営者に非常に近い所で会社を見ていてこういった裏事情にまで噛んでいる場合はあるのでしょうが、私のようなサラリーマン色が強い店長だと、本社業務の本当に深いところ(税務や経理など)や裏事情までは知り得ないですからね。

      こういった裏事情は、私などよりも外から/中から色んなホール企業を見て来た方の方が詳しいですね。

      たとえば、交流がある 現役店長兼コンサルH さんとか。

  7. やあやあ、楽太郎殿、いつも貴重な業界情報をご提供頂き、感謝であるw
    我輩個人の意見としてはいつまでもグレーのままにせず、自家買いを認めてしまい、一時、話題となったパチンコ税を導入すれば良いのではないか?と、思うのであるが。それこそ、税収アップにもなり、ぱちんこ産業の発展にもつながり、WINWINではないかと。

    • さむらい さん
      私の言い方だと、「取られる前に差し出す」判断もそろそろ必要なんじゃないかと思いますね。
      規制にしても何にしても、やられるまえに自ら身を処す事ができないと、いつまで経っても今の様にあらゆる場面でサンドバッグ状態でボコボコにされるのを待つだけですから。

  8. 個人的には然るべき手順、運営方法で、オープンになっていくのが好ましいのではないかと考えてます。

    そもそも脱法の為に止むを得ず存在しているのは明白で、ここに着手しないようでは、パチンコ業界自体の透明化は避けられないでしょう。

    課税賛成派なので、自分のブログでも引用させてくださいm(__)m
    ※削除要請などあればご一報ください。

    • 倒産じぃじ さん
      貴ブログでのご紹介、ありがとうございましたm(_)m

      「扱う特殊景品の自由化」は正鵠を射ていますし、社会経済上の現実味もありますね。

      結局は監督官庁の意向によって全てが決まってしまいますし、何をしても「著しく射幸心をそそる」or「依存問題上不適切」と判断されれば業界側にとって面白い方向には動かない訳ですが。。。

  9. 行法と税制が必要な状況になってきているにもかかわらず、
    それが進まない理由はひとえに法制反対派の声が大きいからと考えた時、

    将来交換頻度が減って先に苦しくなるのは中小店舗企業だと仮定すると、
    反対派に回っているホールはさぞかし経営母体の大きな企g(——この投稿は検閲されました——)

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