パチ屋に関係する諸規制の出発点と現在地-その⑤「貯玉/メダルの再プレー」について

シリーズで公開している規制絡みの記事も、これで5つ目です。今回は会員システムの一環である「貯玉/メダルの再プレー」についての規制を解説していきます。

 

取り締まり行政が定義する貯玉/メダルとは?

まずは、警察庁が通知した本規制に関する書面の表題の画像と、冒頭の部分をご紹介します。

貯玉/メダルの再プレー

貯玉/メダルの再プレーに関する通知書面の表題

 

ここで、いきなり小難しい表現でもって、概ねこのような内容の事が記載されています。

※実際にはもっと複雑であったり語彙が異なりますが、業界外の方にも分かりやすいように一般的な表現に変換します。

 

遊技客が遊技の結果として表示された玉/メダル数の全部又は一部の数量を(会員)システムに記録したり、既に記録されている数量に加算して、次回以降にその数量に対応する金額と等価の景品の提供を受ける事ができるシステムを貯玉システムと言う。

 

そして、更に、このような内容が続きます。

 

(会員)システムに記録されている貯玉/メダルを次回以降の遊技において使用し、遊技料金を支払う事なく再び遊技する事ができるシステムを再プレーシステムと言う。

 

そして、これらのシステムについての取り締まり行政側の見解としては、

 

上記2つのシステムについては、警察庁としても、適正に運用されれば、一部の景品=特殊景品/金景品に交換需要が集中している現状を是正する一助となるものと認識している。

 

このように記載されています。

 

換金は存じ上げない!

いきなり、小難しい定義をご紹介しましたが、前項で触れた事から何が分かるかというと、

 

①取り締まり行政としては、貯玉/メダルの利用に関しては、極めてユーザー目線である

⇒貯めてある数量は、それと等価の景品と交換されるべきである=交換の一時保留状態と同義。

 

②貯玉/再プレーシステムの適正な運用は、幅広い景品提供という観点から好ましいと考えている

⇒適当な数量を貯める事で、単に余り玉(端玉)での交換だけではなく、遊技客が任意の景品を取得する機会が創出される。

 

③取り締まり行政としては、換金は認知していないというスタンスの確認

⇒一部の景品に交換需要が集中している=あくまでも、特殊景品/金景品は、数ある景品類の中でも遊技客から最も人気がある景品の一つに過ぎないものと認識している、という事の確認。

※このスタンスは、後年、国会の場での答弁でも話題になったので、記憶にあるという読者の皆さんも多いかと思います。

 

新たな指導内容の追加

上記のような感じで、会員システムに伴う貯玉/再プレーに関しては、取り締まり行政側としては適正な運用がなされれば業界を監督する立場としては好ましいものであると考えている事が分かったかと思います。

 

その、更に適正な運用のために、新たに1つの項目を指導事項として追加する事になります。

 

手数料の徴収を明確に禁止した事です。

 

通知書面の内容を噛み砕いて解説します。

 

一部のホールにおいて、貯玉/再プレーシステムの利用に伴う手数料と称して一定数の玉/メダルを徴収している実態が見受けられる。

これは、名目のいかんを問わず、本来遊技の用に供するための物に過ぎない玉/メダルを、金銭として扱う行為に等しい。

つまり、実質的に、換金行為を行なっているとみなし得るものである。

 

このように厳しく指摘した上で、

 

これらの事を踏まえれば、貯玉/メダルの再プレーシステムの利用に伴い、手数料を徴収しているホールは、直ちに自店における運用を見直さなければならない。

 

このように指摘しています。

 

つまり、業界側としては、「再プレー時の手数料(貸し出し時の減産個数)の大部分は、交換時のレートを反映しているので、自ら換金行為を認めているのと同じ事だぞ」、と指摘された訳です。

 

業界側の解釈と、自主規制について

以上が、警察庁が正式に通知した規制の内容です。

 

このシリーズ記事では何度も見られる事ですが、取り締まり行政側が規制書面を通知した後は、それを実際の営業現場での事に落とし込んで考えて、遵法かつ無難な営業ができるように業界内での解釈基準やガイドライン、組合側と各ホール管理者との間での質疑応答などが書面化されて効力を持つに至ります。

 

今回の規制に関しても、同様の流れが発生し、通知から2週間後に即座に解釈基準が策定されています。

 

その内容を噛み砕いて解説します。

 

(貯玉/メダルの)交換に際して提供される景品は、有体物に限られる。

よって、役務(サービス)やデジタルコンテンツなどの無体物を提供する事がないように注意するように。

 

(運用の改善指導に伴って)今後は手数料を無料にするとの広告宣伝を行なう事は必要性が認められるが、それを恒常的に宣伝し続けたり、特定の日に連動させて(=集客目的で)行う事は、認められない。

 

このように注意事項を定めています。

 

特に、「●●の日は貯玉/メダル再プレーがお得」といった具合にシステム利用の利便性や優位性を謳う行為については、広告宣伝規制にも抵触する違法行為として禁止しています。

 

その後の、具体的な数量の規定について

上記のような経緯で、貯玉/メダルの再プレー手数料を徴収する事は違反になりました。

 

これが何を意味するかと言うと、結果的に、いわゆる交換ギャップがあるお店では(注:2016年現在では、25個等価交換はほぼ廃止されています)、貸し出し時と特殊景品/金景品との交換時のレートの差額分を店側が負担しなければ、再プレーシステムを運用する事ができなくなりました。

 

更に、1日にどの程度の数量の再プレーまでなら認められるかについても、各方面の組合組織で取り決めがなされ、例えば、東京都(都遊協)では、4円パチンコの貯玉であれば1日に1万円相当(=2,500個)までと規定されています。

 

この再プレー上限値に関してはエリア差があり、またこの規定数量の上限値を引き上げた方が良いという意見も出て来ている事から、今後若干の見直しが図られる可能性もあります。

 

更に言えば、この規制が出された時期と同じくして、各ホールコンピューターメーカー側のシステムの考え方にも変化がありました。

 

ユーザー保護の観点から、極大な数量の貯玉/メダルの保持は(店舗の廃業リスクなども総合的に考慮した結果)好ましくないとし、会員カードに貯めておける数量は金額価値にして100万円以内になるように変更される事になりました。

 

読者の皆さんの中にも、今までは何万枚貯めておいても問題なかった貯メダルが、ある日計数したら、MC(メダルカウンター)のチケット発券機からアラート音が鳴ったり店員があたふたして「すみません・・・貯メダル上限値オーバーです。なので、チケットで発券させて頂きます」などと声掛けされた事があるという方もいらっしゃるかと思いますが、これには上記のような経緯があった訳です。

 

 

・・・以上、貯玉/メダルの再プレーに関する規制について、解説してきました。

今回は、これくらいにしておこうかと思います。

 

次回の⑥記事では、諸規制の本丸である「広告宣伝規制」について解説してみる予定です。

 

 

「次回の⑥記事も、読んでやるかな!」、という方は、そっと押して下さると嬉しいです。
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コメント
  1. どうも力作お疲れ様です。

    都遊協は理事会と参加組合員の決議により、再プレー上限2500発にしました。
    不思議な事は4Pは2500発なのに低貸しも2500発の部分です。

    4Pと同価値なら低貸しは1万発程の再プレーを認めなければいけないと思います。
    貸し玉の1物2価があるように思えます。

    札幌方面遊協は、2014年8月からでしたかね、28玉交換になっています。
    この際大手法人の会議で再プレー上限は2500玉でやりましょうと紳士協定を結びました。
    裏取りありです。

    所謂カルテルです。

    私は再プレー上限の見直しをして欲しいと、お願い続けてきましたが上限は現在も変わらずです。
    再プレー上限のホール企業は現金売上高は増えるのですが結果アウト稼働落ちました。
    結構再プレーで遊技している方も多かったのでしょう。

    一部ホール企業は現在も無制限でやっております。
    北海道はSグループ、Hホールディングス、Sプロジェクト等の道内企業が強くて、そこに道外企業が対抗している感じで大手のMやGは苦戦しているように思えます。
    現在遣り手は山形のVがライターイベント等やんちゃな営業展開です。
    これも方面遊協から怒られて年内でイベント終了との事。

    ただ組合抜けても営業続けるとの話しも有り、Vは北海道から出ていって欲しいと思います。

    あんまり派手にやり行政からヤキが入り、他法人にまで悪影響を及ぼす気がして心配しております。

    • 北の養分 さん

      今回の規制絡みの記事では、全部書き切ったらまとめ的な記事を追加して総括しようと思っていましたが、コメント欄を見る限りその必要はなさそうですね。
      読者の皆さん個々人が、どういう規制なのか、現状はどうなのか、問題の根本はどこにあるのか考えてくれているのが伝わるからです。

      規制というとどうしても業界側が締め付けられているイメージがありますが、やはりそれによって守られていたり、自分たちで首を絞めている状況があるので、文句ばかり言ったり取り決めに従わないというのはフェアではないと思っているので。

      そういった中で、個社名が出てきましたが、例えばベガスベガスなどは山形県下であたりやの屋号でやっていた頃は地域のパチ屋くらいの感覚だったのでしょうが、今では手広く展開してあまり良い評判を聞きませんね。

      実際、広告宣伝規制が出た当初に覚醒番長でおなじみの清原氏が頻繁に呼ばれて来店イベントを実施するなど、かなり派手な事をやっていてこちらの方にも「やらかしてる会社がある」と情報が流れてきたくらいです。

      まあ、世の中の流れを理解して頂かないと困りますね。

      <世のため人のために>
      その根源は創業から続く、人のため、社会のために役立ってこそ商売は成り立つという考えです。
      自分さえ良ければいい、自分のところだけ儲ければいい、そうした私利私欲だけでは必ず付けが回ってきます。
      世のため、人のために仕事することが、自分達の幸せにも繋がってくるのです。
      一人の人間として、企業経営に携わる者として、人を大切にし、世の中のために何ができるかを常に考えていかねばならないと思い、
      今後の経営でも大事にしていきたいと考えます。
      (参照:ベガスベガス社HP)

    • ジャグキチ さん

      これはまた謙虚な!

      持っている会員カード全て、上限値まで貯めたいですね。

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