パチ屋に関係する諸規制の出発点と現在地-その④「総付景品」について

今回解説する題材は「総付(そうづけ)景品」、つまり、配り物についての規制です。

 

総付景品規制とは?

これは、特にパチ屋に限って適用される規制ではなく、社会において生活者が日々触れる機会がある物品(有体物)或いは役務(無体物)の提供について、それが適法か違法かを規定している規制の事を指します。

 

私はもちろんただのパチ屋であり、法律の全容について説明したり解釈するだけの知識はありません。

 

言い訳がましく見えるかも知れませんが、他のホール企業の店長さんや部長さんであっても、私が今回取り組んでいる規制絡みのシリーズ記事で書いている以上の法規解釈や規制絡みの知識をお持ちの方は、そこまで多くないと思います。

 

まあ、パチ屋は所詮パチ屋であり、自分たちの業界に関わる事くらいしか精通していない、という事です。

 

なので、「いや、消費者庁が規定する景品類の定義はもっと広義/狭義だ」とか、「医薬品の場合など、業種によっては、書いている事が当てはまらない場合もあるぞ」といった、突っ込んだ解釈に関しては回答する事ができません。

 

そういう訳で、これから解説する事は、あくまでもパチ屋の店内外での配り物に関しての規制について、そうお考え頂ければと思います。

 

配り物に対しての、取り締まり行政側の考え方

まず初めに、取り締まり行政側が総付景品の提供の仕方についてどのように考えているかについて触れます。

 

これは、ここ数年内に出てきた通知書面の中でも最も有名な、いわゆる「広告宣伝規制」の書面の中に、「玉/メダルと交換する景品以外の物品を来店者に提供する場合」という分類で記載されています。

 

以下で、その個所を嚙み砕いて解説します。

 

玉/メダルと交換する景品以外の物品を遊技客に限らず来店客全員に対し提供する事を表示(告知)する場合は、著しく射幸心をそそるおそれがある方法でこれを行わない限りは、風適法に抵触しない。

 

ただし、この場合には提供される物品は200円以下とすること、また現金又は有価証券を提供することがないように留意すること。

 

このような内容の事が記載されてあり、更に

 

業界5団体(全日遊連、遊技関連事業協会、遊技産業経営者同友会、余暇環境整備推進協議会、チェーンストア協会)が2011年(平成23年)10月21日に策定した「総付景品等の提供に関するガイドライン」は風適法の各種規制に則った内容であるため、このガイドラインに沿って行うのであれば問題ない。

 

このような内容が続きます。

 

つまり、「大まかな事は法律に則って伝えておくから、実際の営業現場での細かい事は自分たちで規定したガイドラインに則って運用するように」、と言っている訳です。

 

このような経緯で、配り物の決まり事に関しては、上記のガイドラインが全面的に取り締まり行政側からお墨付きを得ていると言えます。

 

ガイドラインの内容について

まずは、本ガイドラインの表題および冒頭部分を画像添付でご紹介します。

総付景品ガイドライン

2011年(平成23年)に作成され、その後何度か改正されている。現行のものは2014年(平成26年)改正版

 

それでは以下で、本ガイドラインの要点を噛み砕いて解説していきます。

 

<総付景品の種類>

提供可能な総付景品は下記の通りの種類の物とし、自店において玉/メダルで交換する景品として提供していない物に限る。

(玉/メダル交換用の景品と、配り物用の景品は、明確に区別するように)

 

・菓子類

・飲料

・ティッシュその他の日用雑貨

・来店ポイント

 

提供される景品は、善良の風俗、清浄な風俗環境又は少年の健全な育成に障害を及ぼすおそれのないものとする。

 

このように決められており、日用雑貨にあたるものがどの程度のものか、ここらへんが判断が分かれるところと言えます。

 

また、善良な風俗云々に関しては、単純に危険物(破裂するおそれがある、刺さるおそれがある、特殊な薬剤を含む等)やエロ/グロ系のもの(性感用具/用品など)でない限りは問題ないと解釈できます。

 

補足的に書いておきますが、餅菓子(個別包装のきな粉餅やくず餅など)や一部のゼリー系菓子(「こんにゃく畑」など)がありますが、これらはガイドライン上は提供可能な菓子類に分類されますが、嚥下不良を来すおそれがあるものとしてホール側としては原則として配布提供しません。

 

もし、提供しているお店があれば、昨今の窒息事故などの事例を鑑みない軽率な行為であると判断されても仕方ないものと推察します。

 

<金額的な価値について>

総付景品の金額は200円以下とする。

 

同一日に、総付景品と来店ポイントの提供を同時に行う場合には、両方を合算した金額が200円以下になるように。

 

総付景品の金額的な価値の算定にあたっては、市販されている場合は通常購入価格とする。

(ディスカウント店での価格ではない)

市販されていない場合は、ホール側がそれを入手した時の価格、類似品の市価などを勘案するように。

 

行政当局から総付景品の金額の算定などについて説明を求められた場合に対応可能なように、自店で提供している物の金額の資料を用意しておくように。

 

このような内容の事が記載してあります。

 

注意すべき点としては、ディスカウント店での価格ではない事、そして市販されていない物を提供する場合の価値の算定についてです。

 

無理やり例を挙げれば、お店側が新台の購入に際してメーカーから提供される機種ポスターや非売品(機種販促物)、展示会などに赴いたりして提供される限定グッズなどが沢山あって、それらを提供しようとなった場合には、金額価値の算定には細心の注意が必要になるという訳です。

 

<総付景品を提供できる日数>

ホール内外における総付景品の提供は、1か月以内に1日までとし、複数日にわたり連続して行ってはならない。

また、ポケットティッシュの提供に関しては、例外的に1週間に1日まで可とするが、これも複数日にわたり連続して行ってはならない。

ただし、正月三が日の3日間の連続提供は、可とする。

 

ホール内において、毎日提供して良い物は、下記の通りとする

・湯茶(ただし、缶、ペットボトル、紙パックその他の密閉容器により提供されるものは除く)

・おしぼり、ポケットティッシュ、うちわ、マスク、あめ玉(個別包装品に限る)

 

このような内容になっています。

 

この解釈について注意すべき点は、複数日にわたり連続して行ってはならないという文言です。

これは、例えば月末日に配布したのに、翌月1日にも配布する事を指します。

 

また、なぜポケットティッシュは月に1日ではなく週に1日まで良いのかについてですが、これは慣習的にホールはポケットティッシュに新台入れ替えの告知ラベルを封入して重要な告知手段としているのを考慮しての事です。

 

毎日提供可能なものに関しては、湯茶類を紙コップなどに取り分けて提供する事を指しますが、これは一般的なおもてなしの範疇であるため、別段サービス提供物扱いする必要はなく、マスクその他の物も、特別な提供物扱いはしないという考え方に立脚しています。

 

<提供方法に関しての注意点>

遊技客のみに限定して提供してはならず、来店客であれば例外なく提供しなければならない。

 

広告宣伝物(チラシやハガキなど)に引き換え券を付けるなどして、その券を持参した来店客に限定して提供するなどしてはならない。

 

遊技の結果に応じて提供する/しないを区別したり、提供物の価値を変更してはならない。

 

玉/メダルで交換取得する景品と一緒に渡してはならない。

 

景品カウンター内で提供してはならない。

(ただし、来店ポイントとしての総付景品は例外とする)

 

同一の提供日に、同一の来店客に対して複数回にわたり提供してはならない。

(ただし、前項の湯茶やあめ玉などは例外とする)

 

このような内容になっています。

 

注意すべきは、景品カウンターで提供する事は、法律上の解釈によっては遊技の結果得た玉/メダルで交換取得する景品に、別の物を上乗せしてサービス提供しているともとれるため、過剰な物品提供行為(等価交換違反)と受け取られるという点です。

 

また、現実的に可能か否かは判断が分かれるところではありますが、同一の提供日に、同一の来店客に対して複数回にわたり提供してはならないという決まり事を厳密に守ることができるのかどうか、という点です。

 

多くの人が出入りする状況にあって、これを100%遵守する事は、お店側にとっては非常に難しいと言えるでしょう。

 

<提供する事を、告知する行為について>

総付景品(来店ポイントを含む)を提供する事に関して、射幸心をそそる広告宣伝は禁止する。

 

このような内容が記載されていますが、この射幸心をそそる、という判定基準に関しては、非常に解釈が分かれるところです。

 

 

 

・・・以上が、業界5団体が策定した「総付景品等の提供に関するガイドライン」の内容および解説です。

 

まとめ

ご覧の通り、ホール内外における総付景品の提供に関しては、かなり細かく規定されており、ホールの管理者によってはしっかりと内容を把握しておらず本ガイドラインに違反しているという場面も多々あるものと推察します。

 

特に、月に1日までの提供や、ポケットティッシュを店外で配布する場合は週に1日までといった日数規定に関しては、なし崩し的に破られているエリアが多いものと推察します。

 

更に言えば、本来はこのガイドラインは取り締まり行政側がお墨付きを与えたものであり、その内容をしっかりと把握していて然るべきではありますが、所轄レベルでは完全には把握しておらず、違反行為を見逃してしまっている場面も多々あると言えます。

 

例を挙げれば、街頭で毎日ティッシュ配布しているのを、近くに交番があり日常的に目にしているのに地域課レベルなどではそれを指摘できない、という場面ですね。

 

こういった事情は、特にエリア差が大きく、厳しいエリアであればとことん厳しくチェックされているが、所轄エリアが変わったり県境の向こうに行けば全然チェックされていない、なんて事も多々あると言えます。

 

また、自店の毎月の旧イベント日に合わせるかたちで「本日景品配布あり!」などと告知して配布を実施したり、6や7が付く日やゾロ目の日などに「当日限定の景品を入荷しました」などと告知してポイント交換会などを実施するお店もあるかと思いますが、それらも、チェックが厳しいエリアであれば違反扱いされているものと推察します。

 

 

・・・以上、長々と書いてきましたが、配り物に関しての規制は、大体はこんな感じになっています。

 

 

今回は、これくらいにしておこうかと思います。

コメント頂ける方は、下の方からお願い致します。

 

次回の⑤記事では、「貯玉/メダルの再プレーについて」の規制の解説を予定しています。

 

 

「少しは参考になった」、「次回の⑤記事も、読んでやるかな!」という方は、そっと押して下さると嬉しいです。
にほんブログ村 パチンコブログ パチンコ店・店員へ

にほんブログ村

コメント
  1. 最近更新スピードが速まってますね。ほぼ毎日ペースですか、お疲れ様です。

    うちの近所(複数のエリアでなので今回はあえて記載しません)で、いまだに(今日は甘~い甘~いスイーツを入荷!)とか(5の付く日はジャグラー景品取り揃えています!今日だけ)ってポスターを店の外に張り出している店があります。

    いつもいつも、だから何?っていう釘調整、設定なのですが。。。

    • ジャグキチ さん

      打ち手側からすれば、イタい告知の仕方をしているお店も結構ありますよね。
      景品なんかで釣られると思うなよ!と突っ込みたくなるポスターも見掛けます。

      他エリア探訪中に「まるごとカボチャプリン」なる物の入荷告知を発見したことがありますが、そんなのデパートの地下で買えます。

コメントを残す ※【送信】ボタンを押して頂くと、即時反映されます。読者の皆さん同士での遣り取りでは「>お相手名」表記して頂くと分かり易いです。※同じツリー(入れ子)内では最大10件までの遣り取りが可能です。