先日、知人店長と会った際に、「不思議なお客さんが居る」と話題になった事を書かせて頂こうかと思います。
新宿界隈にて
その日の楽太郎は、社用も兼ねて知人に会うために久しぶりに都内に赴き、せっかくなのでぶらぶら他エリア探訪したり、嫁さんから「ラッキースポットだから行ってこい」と言われた神社にお参りしたりして、のんびりと過ごしておりました。
【参考】2017年3月17日公開
知人と新宿で会食し、その時に話題になったのが、
「ほぼ毎日、閉店間際にアイムジャグラーだけを打って帰る若者が居る」
という事でした。
以下、その時の、会話内容です。
知人店長語る
知人店長
「締め業務と調整があるから、どんなに遅くても22時には店に顔出すんだけど、去年の年末あたりからだと思うけど、いつも同じ若者をみかけるんですよね、20代っぽい」
楽太郎
「22時だと、閉店1時間前ですか?それだと勝負にならないでしょ」
知人店長
「いや、実質は1時間もないですよ。22時50分には閉めちゃうから」
楽太郎
「その時間で、何打つんですか?ジャグラーくらいですかね」
知人店長
「そう、アイジャグ(EX-KT)で、見た感じ毎回5,000円以内の投資で、相当な確率で流して(注:計数して)帰るんですよ」
「もちろん、マイナスの時もあるだろうけど、これがまた、ちゃんと流す」

アイムジャグラーEX-KT
楽太郎
「当たりは引けるって事ですね。まあ、ジャグラーですからね。トータル収支では、勝ってる感じなんですか?」
知人店長
「毎月プラスだと思います」
「毎回の来店で、プラスマイナスの幅が少ないですから。少しでもプラスになったら、即ヤメして帰る。少しのマイナスで終われそうなら、手持ちのメダルを流して帰る」
楽太郎
「ああ、時間消費でもない、大きな勝ちも狙わない、設定なんか関係ない、ただ少しでもプラスになれば良いって打ち方ですね。上手いですね、というか引きが強いとも言えますか」
知人店長
「その若者に凄く興味があるんですけど、さすがに尾行する訳にも行かないんでね」
「ウチの店の近くでバイトしてて、仕事終わりに寄るのかな?どうなんでしょうね」
楽太郎
「設定って、どんな感じなんですか?」
知人店長
「基本、全部2ですよ」
楽太郎
「アイジャグの2の合成って、どれくらいでしたっけ、1/170くらい?」
web検索で調べる
「ああ、1/172ですかね、BIGが1/282.5で、REGが1/442.8か」
知人店長
「まあね、常に5,000円くらいの投資だから、ちょいプラスが狙えて、マイナスもそれ以内に収まる訳だから、理論上は勝負にはなる感じですか」
楽太郎
「流して帰るってのがポイントなんでしょうね。バケでも?」
知人店長
「バケの即ヤメとかも、かなりありますよ」
楽太郎
「ジャグ連的なものは・・・」
知人店長
「いやあ、即ヤメですね。1Gも回さないで、きれいサッパリ流して帰ります」
楽太郎
「ふうん、徹してますね。なかなか感心な若者だ」
知人店長
「でしょう?完全確率機での定額勝負、今はそういうスタイルの方がストレス抱えないで、日数も多く打ちに来れる場合があるから、いいのかも知れませんよね」
楽太郎
「リアル”閉店くん”ってところですかね」
知人店長
「ああ~、そうですね、そう、閉店くん、そんな感じだ」
楽太郎
「まあ、本物の閉店くんは実際にはオッサンですけど、彼は本当の若者みたいですからね」
※閉店くん は1974年生まれ(P-martTV公式HP:プロフィール欄より)
「ところで、●●さんのところのジャグラーって、どれくらいの稼動なんですか?」
知人店長
「アイムだと、たぶん月間アベレージで9,800枚くらいでしょうかね」
楽太郎
「へえ、それだと、(台売上)35,000円くらいですか?」
知人店長
「いや、もうちょっと少ないですね」
楽太郎
「でも、さすが●●エリアですね。こっちの方だと、アイムの基本が(設定)2だと、まあマイジャグもですけど、それだと10,000枚近くなんてさすがに動かないですよ。羨ましい」
知人店長
「いや、甘えてるんですよ、お客さんに。本来なら、平日はもうひとつ上の設定を基本にして、会社員層で稼動が底上げされる金曜、土曜、あと余裕があれば日曜、ここで56を使うべきなんです」
楽太郎
「それができれば、優良店ですね。抜ける時に、敢えて抜かない、と」
知人店長
「都市部って、どこもそうなのかも知れないですけど、稼動が純増する時に、抜いちゃうんですよね。遊技客、観客が多い時に格好付けた営業をした方が、長い目で見れば絶対にプラスなのに、ノルマがキツイもんだから抜いてしまう」
楽太郎
「会社員客が減った、と嘆いている割には、その会社員には(厳しい釘調整のパチンコ)新台を打たせて売上/粗利担当にしたり、会社員層が一番来店しやすい日に、好んで打つ機種の設定配分は落としてしまっている、と」
知人店長
「そうですね。個人的には、金曜、土曜、日曜、あとは3連休がらみで月曜が祝日になった時、ここのジャグラー系をまともな設定で営業したいですね」
「現状ではノルマがキツ過ぎるので、まず無理ですが・・・」
チグハグなパチ屋事情
その日は、こんな感じに”閉店くん”からジャグラーの設定配分、会社員層の考え方などに話題が移っていき、その後はなかり突っ込んだ業界事情の話になりました。
「くぎ確認シート」運用開始の問題や、国会の場で遣り取りされているカジノ関連の事についてなどです。
まあ、色々な事が動いていますが、まだ定まっていないものの方が多いので、成り行きを見守るより他ないのですが、どんな営業をしながら今後の動きを見て生き残っていくかが重要な訳です。
しかし、生き残りを図りたい、会社員客から来店してもらいたい、若者のパチンコ離れを食い止めたい、などと言う割には、それに対して有効な営業施策ができていないお店が多いのが現状と言えます。
もっと言えば、先ほどの話題でも出て来たように、ひと昔前よりも会社員客がかなり減ってしまったので状況改善したい、でも実際には一番苛めている客層は会社員層だった、という具合に、言っている事とやっている事が真逆の場合まであります。
綺麗事なのかも知れませんが、どの機種をどんな運用をするのか、といった細かい事よりも、まずはまだ少しでも打ち手側のニーズが残っている内に、それに可能な限り応える事が肝要と言えます。
そのニーズは、
- 仕事終わりだから、ちょっと遊びたい
- 休みの日だから、半日くらいパチンコスロットを打ちたい
- ゾロ目、旧イベント日、熱そうな日だから良設定が入るかも
色んなものがあるでしょう。
しかし、このままでは、そういった僅かなニーズというか、期待値さえも失われていき、
- 抜きたい時に客は無し
- 格好を付けた営業をしたい時に客は無し
このように、最悪の状況に陥る未来も見えます。
読者の皆さんは、どのようにお考えでしょうか。
今回は、これくらいにしておこうかと思います。
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[記事公開]
2017年4月21日
今はゲームセンターとパチンコ店と比べたら全く違う印象がありますが最終的にパチンコ店はゲームセンターに毛が生えた程度の印象になってしまうほど衰退してしまいそうな気がします。
云10年前が今と驚く程違うのであれば云10年後もまた驚く程違うのかなと(悪い意味になりますが)……。
出玉、釘と来たら次は換金率でしょうか?
MAXレートが10スロ2パチになってしまったりしたら個人的には凄く嫌ですが、考えれば考える程に健全な方向だなぁと思ったり(^_^;)
今回の記事の店長同士の会話の部分が大変興味深く、又参考になりました。
中の人の心理は客側から中々推察し辛いので楽太郎さんのブログにはいつも大変勉強させていただいておりますm(__)m
はく さん
貸玉金額上限と、交換個数はまた別の話なので、同時に規制が入る可能性は無いでしょう。
あるとすれば、既に「等価交換は世間一般の常識ではあり得ない営業形態」と指摘されているので、これを厳格化する。
現状では、全日遊連の取り決めを無視しても、通用してしまっていますからね。
ただし、実質的に換金の存在を認める事にも繋がるので、風適法にそれを記載するのは無理があるかと思います。
なので、警察が業界に対して「いかなる理由でも、等価交換は認めない」と指導して徹底して守らせ、
風適法に記載する事を回避するという流れは、あり得るかと思います。
貸玉上限については、時代ごとに何度も変更されてきた経緯がありますから、これは常に可能性はあるでしょうね。
現状では1個4円が上限ですが、「費消金額が少ない遊技に変えていく必要がある」等と言った具合に理由を付けて、1個3円以下の
貸玉金額にしないと営業不可、という変更の可能性は、ゼロではないかと思います。
抜きたい時に客は無し。出したい時にも客は無し。既に終わってますね。イベント出来ない時代ですから客を取り戻す方法はリニューアルして赤字営業しかないですね。(^◇^;)
それでも一度客離れすると勝てない印象が植え付けられるんで出してもどうせ最初だけだろと固定客を作るのは難しいと思います。
にょんたこす さん
そう言えば、パチンコでリニューアルなりグランドオープンするお店って、どんな釘で開店するんですかね。
張り切って入場したら、全台納品ゲージだった、みんな見た目でやる気を無くして、打たずにすぐ帰った、とか・・・
知人店長が言う、月間アベレージとはどのようなものなのでしょうか?
ミミメメ さん
言葉そのまま、単に、1ヶ月での平均 という意味ですね。
<4月 月間機種集計>
ポセイドン4台
稼動=10,500枚/日
台売上=37,000円/日
台粗利=7,200円/日
みたいな。
抜きたい時にも格好付けたい時にもきゃくは無し。まさにその通りですね。
イベントのやれない時だからこそ設定や釘でアピールするしかないのに、嘆いてばかりのホール。
新台入れて2〜3ヶ月で機械代回収どころか1ヶ月以内にある程度回収してそのあとは低貸しコーナーにほったらかしなんてのもよくありますね。
客が減った減ったと言うけど客だって身銭使って打ってるんだから明らかに抜いてばっかりの店には行かないですよね。
やっぱり交換率を下げるなりするしかないのかな。
それよりメーカーの年間販売機種数の縛りかな。
メーカーがあまりに巨大になりすぎたからこそ、それを維持するためにバンバンク●台を作ってバンバン売る。
ク●台だとわかっててもその後のビックタイトルの為に仕方なくそれを買うホール。
そのク●台の機械代を払う為に搾り取られるユーザー。
この負のループから抜け出さない限りパチンコパチスロ業界の未来は無いと思います。
というより抜け出す気がそもそも無いのなら今すぐ業界全て消えて無くなるべきではないかなと。
マサ さん
ご指摘頂いた負のループのどこかが決定的に機能不全に陥ったり、或いは構造自体がぶっ壊れでもしない限りは、なかなか変化は出ないでしょうね。
現実的に、ほぼ確実に何かしらの変化が生じる案件は、今のところ2点
①法改正
②管理遊技機
これらです。
ただ、この2点ではユーザーが遊べる余地が多くなる事までは確実ではないので、それが生じる条件としては、パチンコスロット併設店が多い現状にあっては「一物一価」の規制の撤廃が必要でしょう。
その陳情が認められる可能性は今のところゼロですが、法規を守る、組合としてまとまる、この要件を満たして全日遊連がメーカーや取り締まり行政に対して力を持つ必要があると私としては考えています。