パチンコ業界における依存問題の取り組みの経緯および今後の見通しについて

2017年1月20日の全日遊連全国理事会以降、色々な事が一気に動き出したのは、最近の記事でも解説させて頂いた通りです。

 

年始からの、業界事情一覧

まずは、「不正」遊技機の撤去問題に絡んで、撤去に応じなかったお店がある事。

 

これに関しては、こちらの過去記事を参照頂ければと思います。

 

【参考】2017年1月31日公開

『2016年12月末までの「不正」遊技機の撤去に応じなかった店舗の状況について』

 

そして、業界としては努力目標という位置付けながらも、実質的には取り締まり行政側がその取り組みを重要視しているという点からほぼ必須案件化しているとも言える、スロットのスペック比率の問題も採り上げられました。

 

これに関しては、

【参考】2017年2月5日公開

『新基準に該当しないスロット機の設置比率が50%超の店舗数一覧(エリア別)』

 

こちらをご覧頂ければ、現在の状況がお分かり頂けるかと思います。

 

ですが、やはり年始の動きの要点としては、取り締まり行政側の

  1. 釘調整へのチェック体制の強化(行政通報の再開)
  2. 依存問題に対しての、業界を挙げての取り組み状況の検査

 

この2点が、最重要項目であると言えます。

 

釘に関しては、各都道府県警によって取り組み姿勢に温度差はあるでしょうが、営業現場の状況を実際に確認するという意思表示や、メーカー側に対して釘問題についての経緯を改めてヒアリングするという発表から、

 

  • 「不正」遊技機の撤去問題の落着をもって釘に関わる一連の問題を終わりにしたりうやむやにする気は無いという事
  • 警察庁としては業界側からの説明やデータ報告を100%信用している訳ではない事

 

これらの事情がはっきりと見て取れるかと思います。

 

また、依存問題に関しては、これはカジノ法案や他の公営ギャンブルや嗜好品との関連/比較で述べるとキリがないのでそれは割愛させて頂きますが、兎にも角にも、パチンコは射幸心をそそる営業活動である以上、その適切な管理、依存/のめり込み防止に努めるのは当然であるというスタンスが分かります。

 

この事情に関しては、最近こちらの記事で解説させて頂き、いみじくも業界全体に対して注意喚起させて頂いた次第ですので、まだ読んでいないという方がいらっしゃれば、ご一読願います。

 

【参考】2017年1月26日公開

『依存/のめり込み問題こそ業界が最優先に取り組むべき課題-対応力が無いと判断されれば、更なる行政介入を招く』

 

こういった、行政絡みや組合絡みの記事は、読者の皆さんにとっては読んでいてあまり楽しいものでは無いかも知れませんが、いくらイベントや話題性のある新機種などで業界が盛り上がっても、それはあくまでも一時的/表面的な事に過ぎず、業界が立脚している根っこの部分が砂場のような状態ではすぐに崩れる危険性を孕んでいます。

 

根っこの部分とは、取り締まり行政側(監督官庁)の意向に沿った業界である事が第一に挙げられます。

 

これがクリアできなければ、いくら業界や打ち手側が盛り上がっていても、昨年のように「検定を通したは良いが、やはりダメ。早期に撤去回収するように」、「今までは盤面に対して概ね垂直であれば突っ込まないとしていた釘だが、今後は厳しく見させてもらう」といった具合に、足元を一気に攫われるが如く状況が一変してしまうという訳です。

 

なので、年始に出て来た

  1. 釘調整へのチェック体制の強化(行政通報の再開)
  2. 依存問題に対しての、業界を挙げての取り組み状況の検査

 

これらの案件に対しては、業界にとっては、対応しないという選択肢は与えられていないという事を認識すべきです。

 

この期に及んで、

  • 努力目標なんかどうでも良い
  • 法的な根拠(強制力)がないなら対応しない
  • やっても効果が無いからやらない
  • 他のギャンブルや嗜好品はどうなんだ、パチンコだけが問題じゃないだろう

 

このような考え方をしているホール企業が存在するのであれば、非常に危険であると判断します。

 

店長、部長以上の役職者が、前述してきたような取り締まり行政側のスタンスや業界全体としての取り組み姿勢を理解しておらず、「流れ」を読めないようでは、営業現場だけではなくホール企業としての存続さえも危険に晒す場面も出て来るでしょう。

 

釘に関しては、このブログでは今までも頻繁に話題にして参りましたし、今後も避けては通れない話題になるでしょうから、本記事では特に触れません。

 

今回は、前述のような直近での取り組みの重要性を鑑みて、業界による依存問題への対策および動向について、簡単にではありますがまとめて、改めて注意喚起させて頂こうかと思います。

 

このブログはまだ運営開始してから1年3か月くらいであり、PV数も月間38万くらいでそれがまともな数なのかどうかさえ、ブログ運営が初めての私には分かりませんが、注意喚起したところで全く意味がないから扱わないと最初から決めつけてはおりません。

 

もしも、同業のホール側の方で、現時点ではこの問題を軽視しているという方がいらっしゃれば、強く意識付けして頂く機会になればと思います。

 

依存対策についての動向まとめ

以下、事情に明るい業界内の知人から提供してもらった内容を、抜粋してご紹介します。

(お約束上、情報の出元は書けません)

________

 

<2015年1月27日>

パチンコ・パチスロ産業21世紀会(全14団体で構成)

賀詞交歓会

 

この場で、「安心娯楽宣言」が発出され、この中に依存/のめり込み問題への対策が盛り込まれる。

<2015年2月18日>

日遊協の依存問題プロジェクトチームを中心にして、業界6団体で構成される遊技産業活性化委員会も加わり、「パチンコ店における依存(のめり込み)問題対応ガイドライン」が制定される。

 

この時点では「ガイドライン」原本が、誰でも閲覧/ダウンロード等が可能な状況で用意されている訳ではなかった。

 

また、「日遊協の主導によるプロジェクト」という印象が強く、他の団体や機関を巻き込んで、この問題に業界が一致して取り組んだとは言えない状況となっていた。

<2015年から2016年12月末にかけて>

 

業界全体が、釘調整の問題(一般入賞口が拾うか否か)、検定時と異なる釘の状態で販売された可能性がある遊技機=「不正」遊技機の撤去問題に集中して取り組む。

 

その過程で、依存問題への取り組みや、ECO遊技機(封入式)導入プランについてなど、先々を見据えての事は後回しにされた感が大きい。

<2016年12月15日>

国会の場で、IR推進法が成立し、同月26日に公布される。

同日26日に、ギャンブル依存症対策を検討する関係閣僚による初会合の場がもたれる。

 

業界の監督官庁である警察庁も、遊技業界の依存対策4点を示し、そのひとつに「ガイドライン」を挙げる。

 

具体的な対策4点は、以下の通り

  1. ガイドラインの運用
  2. リカバリーサポートネットワークの活動を周知のものにし、活動を支援する
  3. 出玉性能を確認でき、射幸性を抑制する遊技機(5.9号機を念頭に置く?)を開発する
  4. 「検定機と異なる可能性のある遊技機」の撤去/回収

<2017年1月20日>

全日遊連全国理事会

 

この場での行政講話において、警察庁生活安全局保安課長 小柳氏が、依存問題は業界が取り組むべき最重要課題であると位置付ける。

<2017年1月26日>

9団体連絡会議

 

この場での行政講話において、警察庁生活安全局保安課長補佐 津村氏が、今後の立ち入り調査の方針を示す。

 

また、警察庁は、各県警本部に、依存対策の立ち入り検査を指示する。

 

具体的な検査項目は、以下の6点

(罰則規定は今のところありませんし、実態調査的な意味合いでの立ち入り検査だと思われます)

  1. 依存(のめり込み)を注意喚起する全日遊連制定の共通標語の、折込チラシなど広告宣伝物への挿入
  2. リカバリーサポートネットワークの案内ポスターの掲示
  3. 自己申告プログラムの案内
  4. 依存の自己診断チェックリストの常設
  5. 初心者への適度な遊技方法の案内
  6. その他の諸対策の実施状況

<2017年1月27日>

パチンコ・パチスロ産業21世紀会(全14団体で構成)

賀詞交歓会

 

この場で、21世紀会による、「パチンコ・パチスロ依存(のめり込み)問題に対する声明」を発表する。

(ただし、具体的な施策については言及せず)

<2017年2月上旬>

 

全日遊連は、公式HP上に、これまでは日遊協のプロジェクトチームを中心にして取りまとめられていた「ガイドライン」など、「のめり込み防止対策各種ツールダウンロード」ページを用意する。

<2017年2月6日>

一部の地域より、依存対策の立ち入り検査が開始される。

_______

 

ざっと、こんな感じになっています。

 

現在進行中のもの、今後の見通しについて

前述した動きに関係して、依存問題については、

 

[内閣官房]

「ギャンブル依存症等対策室」

※厚生労働省も関わっている

 

[厚生労働省]

「依存対策推進本部」

 

[各政党]

自民党、公明党、日本維新の会、民進党

 

これらの組織が、それぞれ政策を立案中。

 

よって、パチンコ業界の監督官庁である警察庁に対しては、これらの組織からそれぞれ、これまでの取り組み内容についての問い合わせが来ており、また今後は国会の場で質疑応答がなされる可能性もあるものと想定されます。

 

また、業界が国民や政府を納得させる事のできる依存対策を構築できなかった場合には、政府や他省庁による直接介入を招く前に、業界を事前に経由する事なく警察庁によるパチンコスロット依存対策の構想をかぶせてくる可能性すら想定できる状況になっています。

 

つまり、現在進められている、各都道府県警による立ち入り検査は、こうした状況を見越しての実態調査的な意味合いがあるものと見通します。

 

 

以上、業界における依存問題の取り組みの経緯および今後の見通しについて、簡単にではありますが、まとめさせて頂きました。

 

 

今回は、これくらいにしておこうかと思います。

コメント頂ける方は、下の方からお願い致します。

 

 

 

「依存問題に関しては、業界として監督官庁の指導に従う気があるのか?組合組織一丸となって取り組む気があるのか?まずはその姿勢を、本件に対するスピード感という形で見せて欲しい。それができないなら、これまでと何も変わらない!」、という方は、そっと押して下さい。

にほんブログ村 パチンコブログ パチンコ店・店員へ
にほんブログ村

コメント
  1. 記事の1月26日公開部分の
    >>営業現場だけではなくホール企業としての存続さえも危険に晒す場面も出て来る

    これは、当該営業現場、当該ホールに止まらないのではないでしょうか。つまり、一部のホールが危機意識を持たずに好き勝手に行えば、一罰百戒的に業界全体に影響を及ぼすのではないかと思うのですが。
    逆に言えば、守らないもの勝ちとばかりに動くホール、企業が増えていくことも懸念されます。楽太郎さんは、一部大手についてそのようにお考えのようですが。

    今回の記事とは直接関係ないので、今度機会があればご教示いただきたいのが「検定釘」の謎です。確か大当たりの出玉60%制限でしたっけ?これを守るために一般入賞口に平常的に入らないといけない、そうなると割数の関係(店の対応ですが)で始動口やアタッカー・スルーにマイナス調整が入ってしまう、程度の理解をしています。
    で、検定釘というのは、セブン機でいえばどれくらい回るものなのか、デフォルト的な検定釘の台を店舗に並べたら、ホールの利益(仮想売上に対する割数)はどれくらいになるのでしょうか。それが余りにも現実からかけ離れると、検定自体がファンタジーを前提としていないかという疑問があるわけです。

    • daidai さん

      「デフォルト的な検定釘の台を店舗に並べたら、ホールの利益(仮想売上に対する割数)はどれくらいになるのか」
      「それが余りにも現実からかけ離れると、検定自体がファンタジーを前提としていないかという疑問がある」

      相変わらず、ご指摘が鋭いと感心しております。

      最近はありがたい事にご質問案件が非常に多く、人気ブログにでも昇格したのかと錯覚するくらいです。
      記事作成のお約束をしたものの、実際に記事公開するのが1週間後くらいになったりと心苦しいですが、それでも良ければ機会を見て記事にしてみたいと思います。

      もちろん、検定釘での実射データが必要なので、それも含めて結構時間がかかるかと思います。
      それでも良ければ、気長にお待ち頂ければと思いますm(_)m

  2. この前もそうですが、相当強い情報提供者がいらっしゃるようで

    14団体会合出席者かRSNですかね……などと詮索するとゴンザレスさんとかナナベエさんあたりに怒られそうなのでやめますが

    今回はやばそうですね

    こっちの方も、部品の欠損や無承認変更を指摘されたホールさんの情報が入って来ています

    警察の意気込みは相当です

    • 珊瑚 さん

      これで、行政側の方とかだったら更に面白いですね。
      ・・・とか書くと、また憶測を呼びそうなのでこれくらいに。
      そう言えば今日、維新の会が法案提出しましたね。

  3. 一部の方を除いて 現場の危機感は
    非常に高くなっています

    その反面 経営層は
    一部の方を除いて 昔の感覚のままです

    ここ数年の変化にも対応できない
    対応する気のない企業は
    本年度の動きで 法的にも営業的にも
    一気に傾くはずです

    企業・法人の枠を越えた
    マインド軸での再編も
    更に加速していくでしょうね

    • クレメンツ さん

      経営者層は、本当に世ズレしていますよね。
      大げさじゃないのという御意見もあるかと思いますが、この業界に関してはメーカー/ホール双方にとって、これが一番頭が痛い問題です。

      マインド軸での再編については、同意見、というか、そうなって貰わないと困ります。
      変わらなければ、生き残れないという意識。

      それが無いメーカー/ホール企業が幅を利かせた場合は、本当の意味で業界は終わるでしょうね。

  4. 大手ホール「ウチラには関係ないお話で・・・」

    そう思うくらい、酷い煽りがありますねぇ。大手ホールで何店か見せしめに摘発しないと、変わらない気もしますがね。

    しかし釘に関しては「24時間監視カメラを回し、●日間は保存すること。釘整備の現場が見つかったり提出を拒否したり偽造した場合も営業停止とする。」くらい強硬になりそうですね。

    • ゴンザレス さん

      釘に関しては、警察が「遊技盤面に対して概ね垂直」とかではなく、「ホール側は絶対に釘を触るな」というスタンスなら、話は変わって来るでしょうね。

      所詮は、パチンコは色んな事が大らかだった時代の産物な訳で。

      厳格に法規を当てはめたり、自分自身の事は大目に見て欲しいけど人の事は厳しく追及する世の風潮にあって、最早パチ屋と警察の事情はただの茶番劇くらいにしか思われていないというのが、全くパチンコを打たない人の目から見た本音かと思います。。。

    • サカツ さん

      世の中的にも、かなり話題になっていますが、どういった記事が求められているんですかね?
      御面倒でも「店長が可能な不正について」とか「打ち子の使い方について」とか、ピンポイントでご質問頂ければ、それにお応えする事は出来るかと思います。

  5. えーっと 個人的にですねパチンコの方が苦手でございまして

    まずは目の前の盤面のケースが邪魔なので外していただいて 1玉1玉指でつまんでスタートチャッカーに入れて抽選を受けるという事はできないのでしょうか?

    もしそれが可能でも やっぱりパチンコは苦手でございますので ジャグラーを打とうと思います。
    それでは厳正なホール勤務ご苦労様でございました!

    • 平和信者 さん

      これは、打ち手側の本音ですね。
      お金を払っているんだから、せめて抽選くらいはちゃんと受けさせてくれよ!と。。。

  6. 店舗で使用しているホールコンには、釘管理メニューが機能としてありますが、やっぱり所轄の立ち入り検査時にはチェックされるのですかね?

    ホールコンメーカーへの指導等はあったりするのかな?

    • ボリボリ さん

      本庁も含めて、警察がホールコンピュータのデータや接続状況を立ち入りでチェックするというのは、私が知る限りでは神奈川県のボナンザの摘発事例以外には無いですね。

      ホールコンピュータのメーカーに対しては、こういう機能は法規に違反する可能性がある的な通知が行く場合はありますし、また業界状況を考慮して、自主的に機能制限するというのがこれまでのパターンです。

      例えば、廃業リスク減のために貯玉補償する機構がありますが、その上限が100万円となっています。
      なので、メーカー側は会員システム機能を100万円までの貯玉/メダル数までしか溜められないように制限する、などです。

      なので、釘問題によってチェック目線が厳しくなってきた事を考慮して、基本メニューである釘台帳、チェックシートなどと呼ばれる機能を制限する可能性もゼロではないと思います。

      現状では、ホールコンピュータで管理している調整履歴を、立ち入り時にホールコンピュータの内容をチェックされて、何月何日に何番台の釘幅を11.75から12.25に変更して数値がどう変わったかといったデータを閲覧されるのをリスクと考えて、そういったものは全て自社PCで記録管理するというホールが出て来る可能性もゼロではないと思います。

コメントを残す ※【送信】ボタンを押して頂くと、即時反映されます。読者の皆さん同士での遣り取りでは「>お相手名」表記して頂くと分かり易いです。※同じツリー(入れ子)内では最大10件までの遣り取りが可能です。