今回は、業界の先行きに関するご質問にお応えします。
たこす さんからのご質問
はじめまして楽太郎さん。
今日、夕方テレビを観ていたらパチンコ規制のニュースが映っていたのですが、その内容にびっくりしています。
出玉の大幅な削減。
四時間で最大五万円の利益しか打ち手に発生しないようになる。
最大出玉がMAX2400からMAX1500になるっていうような内容でした。
何でもギャンブル依存の方が月に負ける額の平均が五万円だからなんとかっていう内容もありましたが、よく理解できてません。
ただ最初に思ったのが、「これパチンコ業界本当に終わるんじゃないのか?」って事です。
長々と打っても現在の数分の一しか勝てず、低貸出の一円パチンコ等などはちょっとしたお小遣い程度すら勝てなくなるような気がします。
打ち手にとことん不利になり、お店にとってもお金をいれてくれる額が明らかに減るのはわかっています。
客と店、双方にとってデメリットにしかならず、業界そのものを潰しにきているような内容にしか思えません。
最近、近場のホールが次々と閉店しました。
これは業界にとっても危機的な状況なんじゃなかろうか?
と常々思ってしまいます。
もうゲームセンターのメダルゲームで良くないか?って
その内パチンコ屋自体に行く意味が無くなりそうで…
一人のパチンカーとして、かなり複雑な気持ちになっています。
楽太郎さんはこれからの業界はどうなっていくと思われますか?
回答宜しくお願い致します。
________
ここまでが、たこす さんからのご質問です。
(全文、そのままです)
それでは、回答です。
巨大な業界の前途は・・・?
回答
法改正案通りに決定すれば業界は終わる?
パチンコスロットに何を求めるかは人それぞれですが、今回の法改正案に対して、
「これで、パチンコスロットは終わる」
という印象を持っている方は居るでしょう。
しかし、人によっては
「メーカーとホールと打ち手が居る限りは、決して終わらない」
という答えを持っているでしょうし、
「専業層にとっては致命的でも、遊技目線の打ち手にとっては時間消費型の遊び色が強くなるだけで、そこまで影響は受けない」
「換金が禁止されない限りは、完全終了する事は無い」
このような考え方を持っている方もいらっしゃるかと思います。
では、どれが正しい見方なのかと聞かれれば、打ち手であれば社会における属性(年齢、職業など)や使用金額、リターン期待値の高低によってかなりの差が出て来るので何とも言えません。
また、ホール側であれば、どの程度の営業数字を期待しているのかという点で、ホール企業ごとに大差があるかと思います。
私はホール側の人間なので、装置産業における供給側であるメーカーの事情までは詳しくありませんが、彼らにとっては「作って、売れている」内は製造業としては構わない訳であり、もしも彼らが「割に合わない商売になったな」と感じて、大多数のメーカーがパチンコスロット機の製造/販売から撤退した場合には、業界が根元から揺らぐのは確実と言えるでしょう。
業界の外から、業界のこれまでのノウハウを発展的に継承してくれて特許使用にも問題が無い企業が参入して来るのであればまた話は別ですが、現状ではそのような未来図は見えないと言えそうです。
これは、管理遊技機時代に突入しても、同じ状況のままだと思います。
要は、業界の未来図に
- 打ち手がどんどん増える
- 他業種からの鞍替えや新事業の出資対象として、ホール企業が増える
- 新規参入も含めて、メーカー数が増えたり事情規模が拡大する
このような期待感は、ゼロと言えそうです。
つまり、実質的には、今ここにいる打ち手/ホール/メーカーだけで「どうにかこうにか、やっていかなければならない」のがパチンコスロット業界の姿と言えます。
しかし、打ち手には、余程の依存者でもない限りは、すぐさま離脱するという選択肢があります。
また、メーカーにも、別事業へのシフトチェンジ、ウェイトチェンジという選択肢があります。
よって、本当の意味で「どうにかこうにか、やっていかなければならない」立場なのは、ホール側および どうしてもパチンコスロットで遊びたい客層だけと言えます。
このような事情を総合的に考慮して
「今回の法改正案の通り決まれば、パチンコスロット業界は終わると思いますか?」
このご質問に応えるならば、私のお返事としては
「完全に終わる事は無いが、残ったホールと打ち手は、パチンコスロットとの付き合い方を変えていかなければならない」
このようなものになります。
ホール数の減少と、楽太郎の考え
では、ホール側は今、どんな営業をしているかと言えば、会社が要求する粗利益水準を維持する事に精いっぱいの状況と言えます。
これは、裏を返せば、会社が要求する粗利益水準がべらぼうなものでなければ、致命的に苦しい状況ではない、とも言い換える事が可能です。
毎月17%水準の粗利益が無いとやっていけないお店と、12%で構わないお店とでは、釘調整の度合いも設定配分もまるで違います。
稼動に関しても、話題の最新台の導入によって「稼動を買っている」お店と、少なくとも新台入替に依存してはいないというお店とでは、置かれている状況や営業数字の考え方がまるで違います。
お客さんから入れてもらった売上の考え方についても、その中で出たり飲まれたりで結果的にこれだけの粗利益が残りました、稼働はこれくらいでした、という数字の考え方をしているお店がある一方で、「稼働なんかどうでもいい、何なら売上=粗利ならありがたい」とさえ考えているようなお店もあります。
それでは、打ち手側は、どのようなお店に生き残って欲しいかと言えば、わざわざここでお話しする必要はないくらい明白でしょう。
遊びとして成立するような遊技台を数多く提供してくれるお店、これに尽きる訳です。
そうは言っても、ホール側も商売ですから、フォローできる客層とそうでない客層がはっきりしてきます。
遊びなんかでは満足できない層、つまりは生活できるくらい勝ちたい層は、退場する時期に差し掛かっていると言えそうです。
また、生活破たんしていても、それでもパチンコスロットを打ちたいという層も、今までは社会がそれを許さないという倫理的な問題に留まっていましたが、今後は国がそれを許さずホール側により一層の「管理」を求める段階まで来ています。
パチンコスロットが時間やお金や労力を掛ける対象としては「割りに合わない」ものに成り下がったと考える層や、今後の家族からの申告や管理強化の結果としてホールに通えなくなった層の離脱が進むのであれば、ファン人口は数年以内に劇的に減るでしょうし、現状の年間940万人という数も百数十万単位で一気に減少してもおかしくはないと言えます。
もちろん、ホール数も劇的に減るでしょうし、その減少幅はこれまでのように年間300~500店舗という水準を大きく越えて千数百店舗水準にもなると見込みます。
しかし、この流れ自体は、ファン人口に見合う産業規模に変化するだけなので当然です。
また、風適法をはじめ諸法規を遵守した営業が出来ないお店であれば、これまでは半ば黙認されていた行為も厳しいチェック目線に晒されるようになって行くので、今後はいくら店仕舞いする羽目になっても仕方が無いように思います。
過去記事やコメント欄で何度かお話ししていますが、
①駅前/地域の主要な立地で営業していたホールが潰れる
②地域民にとって本当に有用な商業施設や社会福祉/教育/医療介護施設、行政施設などができる
③地域が再活性化する
④生き残ったホールが地域の余暇の受け皿として機能し、一定の恩恵を得る
ごく簡単ではありますが、このような流れになる場面もあるかと思います。
より理想的な流れは、ホールに対して地域経済の足しになるような形で新たな納税負担を課して、それを原資にして先ほど②で挙げたような「地域民にとって本当に有用なもの」が助成されれば良いかと思います。
そうすれば、ホールも社会の一員としての地位を若干なりとも高める事ができますし、現状のように組合単位で自主的に取り組んでいる寄付寄贈/社会貢献活動よりも有用な働きが出来るようになるかと推察します。
まとめ
以上、ごく簡単にではありますが、法改正案が出て以降の状況や今後の見通しについてお話しして参りました。
一言でいえば、
「法改正案の通り決まれば色んなものが縮小するが、それでやっていけないホール/打ち手が離脱するのは必然であり、残ったホールや打ち手は、従来的な営業の仕方やお金/時間/労力の考え方を改める必要がある」
こんな感じになります。
今回は、これくらいにしておこうかと思います。
コメント頂ける方は、下の方からお願い致します。
「ファン人口に対してホール数が多過ぎるから、現状の半分程度の5,000店舗水準くらいまでは減るだろうな~」という方は、そっと押して下さい↓
[記事公開]
2017年7月25日
理に適った分析と思います。
ただ、意図的にある視点を外してキレイにまとめた感があります。
それは、生き残っていくホールの条件や意義 についての大手チェーンの思惑の点です。
少なくともあそこが寡占市場化した業界において 地域の余暇の受け皿などという社会貢献を将来的に想定しているとは思えないです。
daidai さん
歴史を紐解けば、エリア内での輪番店休や総設置台数上限、チンドン屋は使わない、といった組合の内諾事項を「ウチはそんなの従わない、法的法則力も無いし」と堂々と破って大規模店舗を等価営業で展開していったのは他ならぬマルハン等の大手ですからね。。。
私は、daidai 様のご指摘とはまた違う視点を外して楽太郎さんは回答したのかなと思いました。
メーカーの在り方、機械の価格や売り方についてです。
自分たちホールに変化を求めたにとどめていますが、本当はメーカーも大きく変わらないといけないのに。
メーカー側特に大手は、自分たちの在り方について疑問を持ったりしないのでしょうか?
オーイズミの記事を読ませてもらいましたけども、ああいう取り組みは本来は「リーディングカンパニー」がなすべきことと思います。
ずん さん
業界の変革期において、メーカーの在り方に物申したい気持ちは強いですが、それより何より自分達の事を(これまでの反省も含めて)しっかり考え直さないと先は無い、そう思っています。
治療不可能な真性パチンコ・パチスロ中毒患者が多数いるので換金が禁止されない限りパチンコ業界(大手のみ)は安泰だとおもいます。
どんなにスペックダウンしても、また、一玉の貸出金額が下がろうと真性のパチンコ中毒患者は換金できる限り打ちつづけます。
酢史郎 さん
射幸性がどうの、依存がどうのという議論の中心には常に「換金」があるにも関わらず、それには触れないようにしているという風潮は大いにあると思いますね。
グレーな部分を残す限り業界はいつもおびえながら営業しなければなりません。
グレーな部分、つまり換金について真正面から議論して
決着をつけるべきではないでしょうか?
この本丸について業界としてとりくむべきだと思います。
ishiken1018 さん
今回「5万円」という具体的な金額表現が出て来た事が、今後そういった方向で議論する時に影響を与えるのか否か?
そこらへんには私も注目していますね。
ただし、業界団体側から進んでそれを議論する、という段階にはまだ至らないかと思います。
諸規制に対応するのに精一杯の状況ですからね。
楽太郎様の
「完全に終わる事は無いが、残ったホールと打ち手は、
パチンコスロットとの付き合い方を変えていかなければならない。」
これにつきると思います。
市場規模は小さくなると思いますが、適当な遊戯として捉えれば、
まだ、楽しくやれるとは思います。
ただ、みなさん危惧してらっしゃるように大手ばかり残ってしまう事だけは
避けて欲しいところですが、自由競争の中じゃぁそうなってしまうのは
自然の摂理ですよね・・・淋しいですが。
オーイズミの取り組みに他の大手が追随すれば良いのですが、
一旦吸った甘い蜜の味はなかなか忘れられないですからね〜〜
メーカーにもホールにもユーザーにも言えることですが・・・
うさぎ団 さん
一時の「遊技」や「余暇の過ごし方」を提供するのがホールであり、その金銭感覚で営業できないホール企業なら撤退すべき、という議論にもなりますかね。
それは打ち手側やメーカー側にも言えて、「生活費を稼ぐ事」や「仕事」という感覚でホールと付き合うのはいかがなものか?
ホール側が付き合いにくい販売条件や価格で押し通すのは、いかがなものか?
業界に関わる皆が、もう一度しっかり考え直したり行動に移さないと、この先は本当に無くなるのかも知れませんね。
ホールの方なのに自己弁護しないで、変わるべきはホールで、昔の利益水準維持にこだわるホールはどんどん潰れて当たり前みたいなご意見なのに正直驚きました。
ホールに地方税を課税すべき、とかもです。
ユーザー目線ではホール経営を圧迫しているだろう新台価格の上昇も気になりますが・・
また、パチンコ、スロットを「仕事」みたいな言い方をするプロ連中はこのタイミングで消えて当然なのかなと思います。
どん兵衛 さん
私のような40代の業界人だと、業界の現状に対して割とシビアな見解を持っている者も多いですよ。
50代以上の先輩方はいわゆる「パチ屋」であり、30代以下だと経験不足、ちょうど良いキャリアにあるのが40代なので、どうすればもっとまともな業界になるか考えた時には、ファン人口を減らさないための取り組みって何なんだっけ?という考えに必ず行きつきますからね。
公安委員会の方、発想の転換をして1玉の貸出を最低40円メダル1枚200円にしてみてはどうでしょうか。
遊技人数は確実に減少するとおもいます。
お金持ちか、余程のギャンブル中毒以外はパチンコ店にあしをはこばなくなるとおもいます。
一時的に自己破産、自殺者、遊興費用捻出の為に犯罪を犯す者が増加するかもしれませんが
その時は「パチンコ=悪」として三店方式を含む換金行為を完全廃止にしたらいいとおもいます。
酢史郎 さん
20代で借金があった時、冗談抜きでそのような考え方になりましたね。
スロット1回転10万円で、当たりorはずれの1/2勝負。
当たったら倍で、はずれたら掛け額がパー
プロセスとしての遊技を飛び越して、お金を主眼に置けばそのようになる訳で。。。
出玉規制で射幸性を抑えられると 客が離れる というのは、
旧MAX機が撤去された時も 実際 そうだったのでしょう。
ただ これは私見ですが、
「ギャンブル性の高い台、波の荒い台で一か八かの勝負する方がカッコいい」とばかりに
無理をして、見栄を張って、そういう台を打つ層が多い気がします。
それこそが依存症なのかもしれませんが。
私は、リーチや当たりの演出をいろいろ見たくて
甘系の台をあれこれ打つことが結構あるのですが、
「甘デジなんて、貧乏性、度胸のないヤツ、ジジババが打つもんだよな、
ダッセーよな」的な視線を非常に感じます。
私自身は他人にどう見られようと構わない性格なので、まぁいいのですが。
今後、メーカーやホールさんに求められるのは、
荒い台でのバクチこそ最上という「見栄」を 客からどう取り払っていくか、
甘いスペック打つのだっていいじゃん、カッコ悪いことない、楽しいよ という雰囲気に
どうやって持って行くか、ではないかと思うのですが。
東京の通りすがり さん
さらっとお書きになりましたが、本質を突いていると思います。
実際、私のお店のある年配の方は、ずっと甘デジで遊んでいたもののスペックが複雑化したり初当たり出玉がショボくて当たってもすぐに追加投資になる状況で、低貸しコーナー客へと変わりました。
その際、「なんだか、都落ちしたような気分」と言っていたのが印象的でしたね。
>「甘デジなんて、貧乏性、度胸のないヤツ、ジジババが打つもんだよな、
ダッセーよな」的な視線を非常に感じます。
>私自身は他人にどう見られようと構わない性格なので、まぁいいのですが。
自分もパチンコは当たってこそ楽しめるので甘を良く打ちますがこんなふうには感じたことがないです
ちょっと悪口みたいになってしまうのですが少し自意識過剰気味なのでは?
荒い台を打つ人は見えというよりただギャンブルが好きなだけだと思いますが
自分も連荘したときのそう快感ほしさに北斗7を打つことがありますが単発で時短七回とかw糞台wとなることが良くありますw
たろす さん
一度出し入れする金額が大きくなってしまうと、なかなかその感覚をレベルダウンできないままのめり込んでいく傾向はあるかと思いますね。
それに、いくらかの見栄みたいなものがあるか否かは置いておいて、より強い刺激を知ってしまうと余程の事がない限りは反応できなくなるというのは、やはりパチンコスロットは射幸心をそそるおそれのある営業だと再認識させられます。
この業界はなんか、同和問題に似ているきがする。
戦後の弱者?における特権階級的黒歴史。
takato さん
裏口や路地裏で育った業界が「アミューズメント」というきれいな着物を身にまとって表に顔を出して来た時点で、今のような状況になる事は実は決まっていたのかも知れませんね。
経営者の顔が見えないっす。例えばHPでは御大層に「地域貢献」やら「お客様の喜びの為」「お客様の笑顔の為に」なんて書いてあっても、実際は「客?あぁ諭吉さんや一葉さんのことね。」と言っているような釘や態度だったりしますし。
そういう意味のない言葉よりも「私は業界をこうしたい!」というような発言を見たいですねぇ。そうすりゃ店の色もちょっとは分かりますし。
ゴンザレス さん
「経営理念」を店頭に掲示する事を義務付けましょうかね。
そうするとどうなるか・・・看板に偽りアリのお店ばかりです。
電気料金をお安くします。
良かったらご検討下さい。笑
たかはし さん
む!
おいくら万円安くなるんでしょうか、気になります。。。