パチンコ機の部品交換時に、ホールコンピュータのデータ開示が求められる場面について-回答

今回は、パチンコ機の部品交換に関する、少し突っ込んだご質問にお応えします。

 

北の養分 さんからのご質問

いつもお世話になっております。

 

●●(エリア名)、■■(都市名)の某法人の役職者から聴いたのですが、P部品交換の際に直近1週間、又は、相当期間のHCデータのジャーナル提出を求められる事になりそうだと。

 

つまり、「メーカーで出荷時のスタート、BY、T1Yを満たしていなければ、交換部品の設置保証書出さないよ。」との事。

 

機械点検の際に命釘の上下左右角度、幅、各基準釘もチェックして曲げていたら保証書出さない旨聴きました。

 

メーカーなり販社は法令遵守しているが、ホール企業が勝手に上げ下げしているよ、悪いのはホール企業ですよ…。

 

と、責任転嫁の姿勢に出ているとの事です。

 

そこで質問ですが、この間、日工組と警察庁保安課で何か遣り取りありましたでしょうか?

 

また、日工組から全日遊連に対して、ジャーナル提出の件や保証書の不発行という強権発動の警告等、通達文書出ていますでしょうか?

 

釘確認シートの件は存じ上げておりますが、あくまでもホール企業に対して自浄作用を求める物、極端な逸脱をしない事を求める物だと認識しております。

 

何か行政通達や関係団体の文書を見逃していましたら申し訳ありません。

________

ここまでが、北の養分 さんからのご質問です。

 

回答

<事情通の打ち手が増えて来た事について>

まずはじめに、北の養分 さんに限らず、こういった業界事情についてある程度動きを把捉している打ち手の方が増えて来たな、と、私としてはそのように思っております。

 

これは、あくまでも私見ですが、業界にとってはウェルカムな状況です。

 

もちろん、事務的な事も含めてそんな細かい事なんか一切気にしないで遊べるのが本当の大衆娯楽の姿だ、というご意見もあるでしょう。

 

しかし、我々の業界は、「確率」という誰にでも平等なチャンスを提供するという大前提にさえも「裏モノ」等によって手を付けて来た結果、ここ10年ほどのように、以前のようなプログラム改変や裏モノ等の営業使用が(完全にとは断言できないのが悲しいですが)姿を消している現状でさえも、多くの打ち手から「本当に正規品なのか」と常に疑いの目で見られてしまっています。

 

つまりは、「大らか」だった時代の負の遺産を継承して、今の高度情報化社会の中で営業している訳ですが、当然の帰結として、web上では色んな情報が飛び交います。

 

その中には、正しいもの、立場が違えば見方も違うもの、或いは完全に間違っているものも流通しています。

 

そういった状況で、特に営業現場であるホールの事情について、自身の勝ち負けの印象にとらわれないで、あくまでも事実だけを判断材料にしてフラットな視点で考えて下さる方が増えているのは、好ましい事だと考えております。

 

出荷時と同じ釘の状態では、仮に30個交換店であっても粗利がマイナスになってしまうような機種が存在する。

 

つまりはメーカーとホールの関係は依然としてうまくいっておらず、未来図も共有していないという現実。

 

だがしかし、十数年前までは実質的に黙認されていた釘調整が、カジノ関連や依存問題などの動きも相まって厳格にチェックされるようになり、ではどうやって合法的にパチンコの利益をコントロールしていくのかが議論されているのが現状と言えます。

 

そういった中での、パチンコの事情に関するご質問ですから、資料を交えながら記事の体裁でお応えしようかと思うに至った次第です。

 

それでは、今回の北の養分 さんからのご質問↓

 

ホール側が、(警察庁や日工組から)ホールコンピュータのデータの開示などを求められる事になるという取り決めについて、その後、何か動きがあるのか否か

 

これについてお話ししようかと思います。

 

<全日遊連からの通知>

結論から申し上げると、

 

2016年(平成28年)4月以降、ホール側がメーカー側から「ホールコンピュータのデータの開示」を求められる場合がある

 

この取り決めの内容自体は、何も変わっていません。

 

おさらいしますと、

 

全日遊連発 第480号

2016年(平成28年)3月30日

 

この書面で、「2016年4月1日以降に新たな型式として販売された遊技機について、部品交換後の点検確認時にホールコンピュータのデータ開示が求められる」旨の事が通知されています。

 

<全日遊連と日工組の取り決め内容>

この2016年4月1日以降に新たな型式として販売された遊技機の特徴としては、その取扱説明書に「設計値」というものが記載されています。

 

それは、下の参考資料のような体裁になっています。

取扱説明書:設計値イメージ

取扱説明書:設計値イメージ

 

この「設計値」=「納品釘(出荷釘)」状態、或いは「ノーマルゲージ(無調整)」での実射値であり、遊技機に基本的に装備されている部品類や釘/風車などの物が変更(部品交換)された場合には、その値にも変化が生じる可能性がある、という事です。

 

そのため、メーカーとしては、型式試験に適合した時と同じ状態である事を担保するための措置として、「設計値」に変化が生じる可能性がある部品類を交換した際には、ホールコンピュータのデータと「設計値」を比較して確認する場合がありますよ、というのが、取り決めの内容です。

 

では、具体的にどのような場合に、ホールコンピュータのデータの開示が求められる可能性があるか、と言えば、それはメーカーなり設置業者なりが部品交換時の現場点検で使用する「ぱちんこ遊技機点検マニュアル」に記載されています。

 

該当する箇所の資料を、下に用意します↓

ぱちんこ遊技機点検マニュアル

ぱちんこ遊技機点検マニュアルの一部

 

<日工組からの協力要請内容>

それでは最後に、日工組は、全日遊連に対してどのような内容でこのホールコンピュータのデータ開示を要請したのかについて、通知書面の該当箇所を書き出して紹介します。

 

2016年(平成28年)4月7日

日工組から、全日遊連への通知

 

「ホールコンピュータのデータの開示等のご協力について(ご参考)」

________

1.ホールコンピュータのデータを開示して頂きたい項目

  • 「通常時の出玉率」(B):特賞中以外(変動時間短縮機能未作動時)の出玉率
  • 「確変or時短時の出玉率」(BA):確率変動時、変動時間短縮機能作動時の出玉率 です。

 

以上、2項目のみの開示となります。

※売上等の機密事項を開示頂くことはございません。

 

2.ホールコンピュータのデータの開示方法

  • 上記「通常時の出玉率」及び「確変or時短時の出玉率」の値が表示されたホールコンピュータの「※1 画面上」による確認又はその値が表示された「※2 印刷物等」で確認させて頂きます。

 

※1、2:目視にて点検確認者が開示データを記録します。

 

3.データ確認ができない、又はホールコンピュータを導入していない場合

  • 点検確認作業の際、点検確認者が通電作業により、取扱説明書の設計値と各社で決めた時間の「※3 実射した値」で比較します。

 

※3:入賞口等の入賞個数を実射にて確認します。

 

4.点検確認者の身分証の確認について

  • 点検確認者には、身分証(遊技機取扱主任者証)の提示を義務付けております。提示がない場合には、当該点検確認者に身分証を提示するよう要請してください。

________

以上が、日工組から全日遊連への通知書面の内容です。

 

今回話題にしている、

 

取扱説明書にベース値が記載された遊技機について、部品交換時にはホールコンピュータのデータの開示を求める場合がある」

 

というのは、この資料が基になっています。

 

 

以上、北の養分 さんからの質問にお応えする形で、パチンコ機の部品交換、ホールコンピュータのデータ開示の事情について現状を紹介させて頂きました。

 

 

今回は、これくらいにしておこうかと思います。

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[記事公開]

2017年6月13日

コメント
      • メーカー社員「このデータは見なかったことしよう」

        になるのか、もしくは

        メーカー社員「おたくのデータはこちらです。ちなみに弊社がテスト時にとった非公式データがこちら。随分と差がありますね。話は変わりますけど弊社の新台の件なんですが・・・」

        になるのか。まんま恐喝ですけど、販売売上は上がりそう(*´・ω・`)

  1. とても勉強になりました。
    御多忙のところ、お手数おかけしました。

    去年の4月以降の型式、特図1の賞球が4個乃至5個になった遊技機からの取扱なんですね。

    それでもBYカット、S値も??適正とは思えない…
    BAは酷い時には返し3玉で78とか…2玉で83
    このような遊技機設置しか出来ないなら、利益確保が苦しいなら、損益分岐点を変更したらどうなんだろ?

    と遊技しながら、該当ホール企業を心配してしまいます。

    私は変わった遊技者だと思います。
    営業努力はしているが、外部要因で数字が出せないところを応援したくなります。
    接客は良いのに、遊技機が残念でも台売入れます。
    「今期は店長も少し格好つけれるかな?」
    「台売4万、アウト15,000から25,000稼働目標!」
    「間違えてがっつり赤でたらごめんね店長。」

    だからS値やBY、BA等厳しくなると、
    「大丈夫なんだろうか?こんなに下げすぎたら取れる売上も粗利もショートしまくりじゃあないの?目標達成しても顧客離反するよ…」
    と遊技しながら思ってしまいます。

    そんなの気にしないで弾けば良いのにw
    と思われるかも知れませんが、個人的に、
    集客とは?稼働とは?顧客満足度と従業員満足度を高めるには?

    等々遊技しながら思っております。

    長文になりましたが、重ねて記事の御礼申し上げます。

    • 北の養分 さん

      お客さんから営業面の事を心配してもらっている時点でこの業界どうなんだ、とも思いますが、パチ歴スロ歴が長い方は、やはり「短期で抜き切って、ハイさよなら」よりは「勝ったり負けたりで、長く適当に遊ばせて欲しい」と思いながらお店と付き合う方が多いですよね。

      ありがたい事ですm(_)m

  2. BAに関しては、4月以降の台でこの表のYが85よりも下の台が、
    無調整でもめっちゃ減る台はあるというのが現状のようです。

    BYも左側の賞球口3個のうち、2個は1分に1個入ればいいほうで、残りの1個も1分に2発程度の台とかもあったりと
    遊技台毎に設計値が様々なので、調整する側も毎回大変そうです。

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