今回は、新機種の販売にあたっての事情について、最近このブログを読み始めて下さった方向けに書かせて頂きます。
はじめに
私は、BIGタイトル機の販売時期になると、ほぼ必ず今回のような記事を書いて最近の新機種の販売事情を読者の皆さんに紹介させて頂いています。
これは私のブログ運営上のスタンスなのですが、業界事情を判断するための材料を提供する事で、読者の皆さんご自身から今の業界の姿や今後どうあるべきかを是非考えて頂きたい、そのように思っております。
もちろん、私などが提供できる情報は、それこそ「核心的な情報」を持っている業界人からしてみれば、所詮は匿名の個人ブログであり全くと言って良いほど内容が無いものなのかも知れませんし、実際に何度もそういったお叱りを受けています。
なので、あくまでも参考程度で構いませんので、読者の皆さんにおかれましては、
目の前に設置されている遊技機がどのような経緯で世に出て来たものなのか?
ちょっとした時にで構いませんので、考えて下さるようになればと思います。
全日遊連が不公正販売と位置付けているものとは?
実際問題、遊技機の販売条件など、打ち手側にとっては、どうでも良い話題かも知れません。
近所の大手ホール、エリア内の上位ホールに行けばどんな話題作であっても最速納期で設置してあって、確実に遊技可能な訳ですから。
しかし、
- 直近機種(概ね1~6か月以内)の購入履歴上、該当メーカーが要求する水準の付き合いが無い
- 該当メーカーが要求する一定台数以上の案件入れ(●台欲しいと購入意思を示す事)ができない
このようなお店、要は中小ホールは、話題作の導入ができずに、広告宣伝規制上では新台導入以外の告知を堂々と行う事ができない状況で、それが可能な大手ホールとの告知上および集客力の格差において、大きな不公平感を味わう場面が多いというのが現状と言えます。
最近では、サミーの北斗7においては、直近スロット機である攻殻機動隊、獣王、サクラ大戦などの導入が条件である事を明言或いは強く匂わせる事で、話題作である北斗の販売にかこつけて今現在買い控えが起こっているスロット新台の完売を目論んだという経緯があります。
また、京楽の新作仕事人においては、10台程度の案件入れができなかったお店や、直近スロット機である水戸黄門、サイコパスに付き合えなかったお店は、導入ができなかったり2週間程度遅れての導入になったりといった事情があります。
この流れは残念ながら今後も継続し、年内に出て来る事がほぼ決まっているスロット新作北斗、パチンコ新作ヱヴァなどのタイトル機の販売にあたっても、相当厳しい条件を提示されるお店が続出するものと見ています。
要警戒なのは…
私見では、特に、遊技機販売会社であるフィールズが絡んで来る機種には要警戒であり、同社が直近で持っている販売案件のあらゆるものと絡めての条件提示になる場面が多くなるものと推察します。
※フィールズの販売案件=一部の京楽OK&ユニバーサル機、七匠、ダクセル、ビスティ、エンターライズなど
同社には、ホール側に対しての販売上のモラル的なものは何も無く、メーカーでは無いため打ち手側に対して面白い遊技機を全国各地のそれぞれ営業規模が異なるホールに幅広く供給したいという意思すらもありません。
何が何でも手持ちの販売案件を全て売り切るという意思を前面に出しているという点では、同社の株主にとっては心強く見えるのかも知れませんが、昨年末のヱヴァ11、モンハン狂竜戦線の販売に至る経緯を思い出して頂ければ、同社がいかにホール側から良く思われていないか、お分かり頂けるかと思います。
ただし、同社のやり方についても、数年前に退社した同社の営業マンの声をそのまま紹介させて頂けば、「三奉行(=3名の部長)以上の役職者が総替えにでもならない限りは、何も変わりません」という事になるかと思います。
【参考】2017年1月12日公開
『CRヱヴァ11いま目覚めの時とモンハン狂竜戦線の販売方法について-フィールズからの回答』
全日遊連からサンセイへの要請
ホール側だけでなくメーカー側にも、「エンドユーザーである打ち手側に過度な負担を強いる現状では、ファン人口の減少は止まらない」、「いつまでこんな事を続けるんだ」と思っている者は沢山居ます。
しかし、意思決定を司る立場の方々の考え方が変わらない限りは、何も変わらないというのはこの業界に限った事ではない悲しい現実と言えます。
そういった点では、このところ全日遊連が頻繁にアナウンスしている、不公正販売の是正の呼びかけは、是非とも継続して頂き、また各組合員(ホール)は、「これは、どうみてもおかしいじゃないか」という条件を提示された場合には、全日遊連に対して情報提供をしていく事が肝要かと思います。

全日遊連からサンセイへの要請

全日遊連から各ホールへの情報提供の呼びかけ
これらの資料画像2点は、日付にある通り、ごく最近出された通知書面です。
業界のあるべき姿とは?
これは、ビオトープにおける生物/自然環境保全の基本的な考え方から借用した考え方なのですが、私はパチンコスロット業界というのは、営業規模が大きい/小さい、営業力が強い/弱いといった事ではなく、多様である事によって適正な姿が保たれると考えております。
実際、取り締まり行政はパチンコスロットを大衆娯楽として位置付けており、また、そうあるべきだとして監督しています。
ここで言う大衆というのは実体が無い単なる集合的な概念ではなく、今このブログを読んで下さっていたり、日々ホールに足を運んで下さっているお父さん、お母さん、お爺さん、お婆さん、会社員のお兄さん、お姉さん、大学生やフリーターの若者、或いは定職に就いておらずパチンコスロットで生計を成している方もいらっしゃるかと思います、そんな全ての個々人を指しています。
ホール側の者として、私は、メーカー側の方々が精力を傾けて製作した遊技機が幅広いエリアのより多くのホールに設置されて、より沢山の打ち手の皆さんから楽しんで遊技して頂ける状況を理想としております。
読者の皆さんは、どのような業界の姿を理想としてお考えでしょうか?
今回は、これくらいにしておこうかと思います。
「新作牙狼は、スペックやゲーム性よりも、ド派手らしい台枠の方に興味があるぜ」という方は、そっと押して下さい↓
[記事公開]
2017年5月27日
導入しなきゃいいじゃん
新台なんてここ最近全部打たずにきてるよ俺は
まあバカ共が打つから入れないとホールとしては儲けが伸びないんだろうけど
俺の住んでる地域で一番まともな店(出る店とは言えない)は新台入れ替えはほとんどやらないよ、スロットは
その分ジャグラーが甘く使われててそこそこ打てるのが見つかる
しかもパチンコはボッタ回収クソ釘でしっかり利益をカバー
新台入れ替えでちゃんとバカが食いつくかんねぇ
クソボッタ さん
今は、新台を買うのと同時に、稼働を買っている感覚のお店が多いでしょうね。
それを養分扱いするか、新しいもの好きな会社員層の開拓手段とするかによって調整度合が変わって来る訳ですが、クソボッタ さんがご指摘のように勝ち負けに執着しない無頓着な客層からむしり取るだけの使い方をしているお店が大部分と言えるかと思います。
先日致しましたコメントへのご返信に感謝申し上げます。
さて、今回の記事についてもコメントをさせて頂きますと、もし仮に機械選定の多様化が完全に担保された場合においてもホール(各企業)は予算低下を行えない以上エンドユーザーへの皺寄せは止められないと考えております。
何か具体的にこれをやればWIN-WINという状況を作れると言うものは持ち合わせて居ないのですが、業界人として最近の組合や各企業の動向は首を傾げる物が多いように思えてなりません。
今回の記事の影響を受けないオンラインスロットが営業活動を始めている中で
箱物での営業展開のみを行う企業が存在する限りは徒労に終わると予想しておりますが再度ご意見を伺いたいです。
出血は抑えられるけど予算は上がり続けるし!ってすっげえもどかしいですーー(T_T)
たー さん
機械代負担はどんどん増えるでしょうね。
台枠のモデルチェンジが活発化するのは規定路線ですし。
これが管理遊技機になったとしても、機種ごとに後付け機能的なもの、押しボタンや牙狼のお面的なもの、仕事人の提灯的なものもセット売りして・・・という流れになれば、いかに台枠に共通部分が多くなるとはいっても、そういったオプション物によって価格が跳ね上がる未来図も見えます。
ご返信ありがとうございます。
「新台の魅力」をホールもユーザーも手放せ無い状況を変化させること無しには組合の効果が出ないと思います。
確かに新台訴求以外で成功させてる企業はあります。
この点について楽太郎さんの周りで成功させてる店舗等は体感でどの程度の割合でしょうか??
たー さん
買い物が少なくても成功している店舗の事例は、収支状況が分からない以上突っ込んだ事は言えませんが、全体の1~2%程度でしょうね。
売り上げはほぼ確実に減るので、その分粗利も目減りするのは必定です。
減った売り上げで粗利を維持しようと試みると、稼動が急落して売上減、更なる粗利減というスパイラルに陥るからです。
成功しているのは営業面で数字を維持/上昇させる事ができたからではなく、バックヤード管理や会社としてのシェイプアップによって無理をせず、無駄を省き、ムラを無くす努力の賜物としてのものだと思います。
多様性とかいうなら一番に日工組を批判すべきでは?
あそこが特許で参入障壁あげて新規メーカーは99%参入できない
仕組みになってるんだから
既得権益でガチガチのパチンコ業界が多様性とかブラックジョークですよw
おにぎらず さん
それより、一番先にやるべきは自己批判でしょうね。
警察庁が要求する法規も、組合としての取り決めも何も守らずに多様性などど言っても、好き勝手やっているだけなのに多様性とはちゃんちゃらおかしい訳で。
サミーや三洋には言わずにサンセイにだけ言うのも何だかな~、と個人的には思ってしまいます、いじめる相手を選んでいるようで。
それだけ牙狼の期待度が高い&サンセイがエゲツない商売をしてきたから、ってのは分かりますが、仮に真っ当な販売をしたから客に還元してくれるのか、となると現状の一般入賞口の様子やヘソ釘スルー釘を見ると期待もしにくい。
とりあえずこれからの過程を、こちらのブログを通して生暖かく観察させていただきます(笑)
ゴンザレス さん
少なくとも、直近ではサミーと大都、ここらへんには同じものを出した方が良いですね。
しかし、一番はフィールズです。
あれほど酷い会社は無いですね。
メーカーではないので、ユーザーの事も中小ホールの事も眼中にありません。。。
フィールズはそこまでやって何故大赤字になるのやら・・・不動産でも買って敢えて赤字にでもしてるのかな?
ゴンザレス さん
何かしらの事業投資が響いた可能性はありそうですね。
まあ、一番はユニバーサル機の販売予定がズレ込んで、売る物が減ってしまったからですが。