【前編】に引き続き、5.9号機時代の見通しを書いて行きます。
今回は、良い面にフォーカスしてみる
【前編】では、5.9号機時代が「新基準に該当しないスロット機」の段階的な撤去と同時進行する形で幕開けし、仮に最速最短で6号機時代が訪れるとしたらどのような経緯で事が進むのか、その可能性をフローで見て参りました。
その中で、どのような流れであっても、残念ながらスペックダウンが免れ得ず、より強いスぺックである旧基準AT機が残存している状況では、打ち手の支持が得にくくお店側も(売上不足が原因で)まともな設定が使えず、稼働低下のスパイラルに陥りやすいという悪いパターンを念頭において話を進める事になってしまいました。
これを受けて、【後編】では、視点を変えてポジティブな面を探し出して、2点話題にしてみようかと思います。
①5.9号機時代では、万枚達成の夢は潰えるのか?
②5.9号機は、打ち手側には何のメリットもないスペックなのか?
この2点について解説させて頂きます。
5.9号機での万枚の可能性は?
打ち手にとって、打ち気をそそる払い出し性能とは、どの程度の水準なのか?
これを数値化するのは難しいですが、敢えて基準となる獲得枚数を定義すれば、「万枚」達成の可能性の有無という事になるかと思います。
これについては、結論から言えば、5.9号機時代であっても万枚は十分にありうると言えます。
もちろん、モデルとなる実機が存在しないので、あくまでも計算上という事になりますが、
- 11~12時間遊技で稼動25,000枚ちょっと(フルウェイトではなく、演出や出目などを楽しみながら、のんびり回したと想定)
- 総回転数8,000Gちょっと
このような遊技条件とします。
更に、仮に、
- 最もパフォーマンスが高い設定6
- 5.9号機の規格上では理論値の上限である有利区間滞在率70%であったと仮定
このような条件であれば、推し順ナビで消化したG数は5,600G前後という事になります。
A+ART機の場合ではBONUSがどれくらい絡んだかによってかなり数値は上下しますが、単純にBONUS込みの純増枚数上限値である2.0枚/Gを上記押し順ナビG数に当て嵌めれば、11,200枚の払い出しという数値が出て来ます。
微調整として、2点考慮する必要があるでしょう。
- 有利区間は1,500Gの消化をもって一旦通常区間にリセットされる事
- 有利区間=指示機能(押し順ナビ)を作動させても良い区間と考えれば、必ずしもARTは最大値の1,500Gとはならず、どうしてもいわゆる準備中状態が発生する事
ここをどれだけ多く考慮するかは難しいですが、仮に終日の遊技で500G前後のART突入までの準備中G数があったとすれば、前述した11,200枚という払い出し枚数から、少なくとも1,000枚以上は減算して考える必要があるでしょう。
これら全てを総合しても、仮に展開に恵まれてポンポン有利区間に入り、出たり入ったりを繰り返しながらもほぼ終日遊技したとすれば、計算上では万枚に届く可能性は十分にあると言えます。
もちろん、有利区間上限によるリセットがある以上、一人の遊技客による一撃役を契機とした出っ放しの万枚という展開には期待できませんが、可能性としての万枚はあり得ると言えます。

5.9号機でも、まだ何とかなるかな?
5.9号機のメリットについて
次に、スペックダウンという点が過剰に(事実ではありますが)フォーカスされやすい5.9号機ではありますが、ではメリット的なものはあるのかどうかについて書かせて頂きます。
これはもう、開発の仕方によるので私のような門外漢には突っ込んだ説明は難しいですが、旧基準AT機時代は1人の遊技客が粘って7,000~8,000枚を獲得するような遊技状況であったとすれば、5.9号機時代は2~5人の遊技客がそれぞれ数千円~2万円ずつ投資して数百~3,000枚程度を獲得するような遊技状況が目に浮かびます。
また、ちょっと変な表現になってしまいますが、定量制の変則である「定時制」遊技を明確に想定して開発したり設定配分したりすれば、一定のファン層が発生する可能性はあると見通します。
すなわち、30分間程度の初期投資時間があって有利区間に入り、仮にそれが上限値である1,500Gであったとすれば、4.1秒ウェイトなどを考慮すれば一人当たりの遊技時間は2時間ちょっとという事になります。
表現を変えれば、2時間ちょっとで持ちメダルが一旦計数される機会が複数回発生する可能性があり、場合によっては旧基準AT機よりも売り上げが進む可能性まで出てくるという訳です。
極大なリターンを期待して1人が多額の投資を行うのではなく、一定時間で遊技がリセットされる事で複数客が少額ずつ投資して、結果的には旧基準AT機と遜色がない売り上げが発生する、という訳です。
売り上げの余裕があれば、お店側としては良設定を使用する余裕も生じる訳であり、それによって打ち手の着席意欲を喚起できる可能性も出てくるといった構図です。
無理やり具体的な新機種イメージを挙げれば、
『宝船2』(オリンピア)
- ART(純増2.0枚/G)
- 想定ベース値=35G/千円
- コイン単価=2.70円
- 大吉BONUS=ART初期G数1,000G、振り分け10%
- 中吉BONUS=ART初期G数500G、振り分け20%
- 小吉BONUS=ART初期G数200G、振り分け69%
- 超大吉BONUS=ART初期G数1,500G、振り分け1%
- 小吉~大吉BONUS(ART)中の特殊役を契機に、最長で1,500GまでBONUS(ART)継続
適当に書けば、まあ、こんな感じで、遊技イメージとしては投資数千円~15,000円程度で一勝負といったところでしょうか。
会社帰りのお父さんが、5,000円で初当たりを引き、振り分けに恵まれず小吉をGET。
BONUS(ART)200G中に上乗せは無く、300~400枚の獲得で通常区間にリセット。
交換枚数5枚台のお店であれば、交換価値は6,000~7,000円くらいな訳ですから、継続遊技するか計数して千円ちょっとのプラスにするか迷うところです。
なので、ジャグラー系のBIG BONUS終了後の状況に近いとも言えるでしょうか。
こういったスぺックのポイントは、
- 初期投資金額をイメージしやすい(得られそうな枚数に対して、いくら使って良いか)
- 遊技時間をイメージしやすい(初当たりから最長継続でも、2時間半くらいと概算しやすい)
- 止め時が明確である(通常区間にリセットされる)
- 遊技客が入れ替わりやすい事で、お店側はまともな売り上げを得られる可能性がある(それにより、良設定を使用する余裕が生じる)
これらが挙げられるでしょう。
また、取り締まり行政的には、最長継続1,500G=一撃3,000枚の期待値では、まだまだ射幸性が高過ぎると見なす可能性もありますが、止め時を明確に出来るという観点では、のめり込み防止のために最大限配慮したスペックであるとも言えるかも知れません。
まとめ
以上、ここ最近ご質問が多かった
- 楽太郎的には、スロット6号機への移行時期はいつくらいと読むか?
- 6号機への移行に至るフローはどのようなものか?
- 5.9号機の可能性について(払い出し性能)
- 打ち手側には、何のメリットもないスペックのように思うがどうか?
こういった内容について、ごく簡単にではありますが【前編】と【後編】に分けて解説させて頂きました。
今回は、これくらいにしておこうかと思います。
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パチンコの一発台や権利物での定量交換がスロットに応用されると考えれば、仕事帰りのスロッターでも希望はありますし、のめり込み防止にもなりそうですね。
新基準のまどマギや北斗でも万枚を何度か目撃してますし、全く出ないという訳では無いようです。バジⅢも演出的には面白いので、出玉スピードをもう少し上げた定量型が出てくれればと思います。
ナナベエ さん
出玉スピード、業界的には短期出率と表現したりしますが、せめてここら辺だけでも規制緩和があればもう少し状況は変わって来るんですがね。
パチンコの場合は、天下一閃などは6分間で4,500個の払い出しがある訳で、他方スロット新基準機はダラダラ長時間のゲーム性ばかり。。。
3000枚リミットが付けば初当り確率か上乗せ確率なんかが甘くなるかなーと妄想してます。
「同じ機械割で」という条件付きですが。
シビ さん
その通りですね。
制限が付くなら、どこかを甘くしない事には打ち気をそそる事は難しいですからね。
楽しく読ませて頂いてます。
昨今はAT ART に話の焦点が行きがちですが
自分のようなリーマンスロッターはどうしても
閉店時間とのにらめっこで稼働しています。
Aタイプの獲得枚数の上限緩和は有り得ると
お考えですか?
店舗は致し方なくART に最近シフトしていますが、7時を回ると稼働がダレてますよね。50枚程度のゴミボーナスで残業より疲労感を感じます。
緩和はあくまで法改定ではなく法解釈にとどまるのでしょうか。閑古鳥が鳴き始めたバジリスク3のシマを見ていると、何故こうなったのか悔しさで一杯です…。
レネゲード さん
日電協や回胴式遊技機製造業者連絡会の理事クラスの方でないと、今後どの程度の規制緩和見通しがあるかや、法解釈が可能なのかは分からないでしょうね。
我々ホール側では、警察庁のその時々のスタンスは行政講話でしか知る由もないですが、彼らは過去にも規制緩和を陳情したりしているので、場合によっては要職同士顔が利くという場面もあるでしょう。
5.9号機の発足が決まる前後、山佐と警察庁のお偉いさんが密会していただの、そういう話があるくらいですから。
確かに8万円突っ込んだけど一撃10万円帰ってきた!という様なことが無くはない今までの台だと、投資がかさんで後に引けなくなりますからね。ある程度は諦めることの目安が増えれば、まぁ止める契機にはなります、依存症だとそんなの関係ありませんが。
後は小景品が100円200円くらいになってくれれば、更に止めやすいですね。
ゴンザレス さん
重い勝負を挑んでもリターン期待値が低いのであれば、地獄へ一直線みたいな展開にしかならないですからね。
綺麗事を言うようですが、やはり時間や上限金額を決めた遊技に切り替えていかないと、打ち手に待っているのは破産・・・
来店しても、良さげな台が無いのであれば退散する決断が必要ですね。
お疲れ様です。
役比モニターの解説も時間のある時でもお願いします。
何となくイメージは出来るのですが、それが合ってるのか?
筐体にボーナス比率、小役比率がセグ表示されるのでしょうか?
そもそも何のために役比モニターを着けるのかが不明でして、クリーンな業界だとアピールしたいのか?
行政機関へのアピールなのか?
エンドユーザーにはメリットあるのですかね?
北の養分 さん
主基板ケース内に役比モニタが付いて
・累計 有利区間比率
・6,000G 連役比&役比
・累計 連役比&役比
これら5項目がセグ表示されます。
見方なり詳細についてはまだ公開されていません。
また、有利区間滞在中である事を打ち手が視認できるように、何かしらの表示ランプが筐体外部に取り付けられる可能性も非常に高いです。
2016年6月16日の回胴式遊技機製造業者連絡会での質疑応答で、佐野会長(山佐)は「現行の5.5号機と比較して、5.9号機の払い出し性能は50~60%水準になるのではないか」という主旨の発言をしているので、5.9号機移行当初は間違いなくスペックダウンします。
※その後、何年後かは分かりませんが、何らかの形で規制緩和に動く可能性はあると思います。
今、私が把握している限りでは、こんな感じですね。