前回の前編記事では、40個(2.5円)交換店のざっくりした営業数字を例に挙げて解説させて頂きました。
Contents
後編の内容について
今回の後編では、具体的にどのような営業上のポイントや、難しい側面、釘調整にあたって考えるべき/やるべき事があるか等をご紹介してみようかと思います。
まだ前編記事に目を通してしないという方がいらっしゃれば、こちらの方からご覧頂ければと思います。
【参考】2016年8月23日公開
それでは以下で、9つのポイントを挙げて、それぞれについて簡単にではありますが解説していきます。
便宜上、番号を振っていますが、重要度を示す順位であるとか、そういう訳ではありません。
40個(2.5円)交換営業をするにあたって
①景品交換上の規制が障壁になる
まず初めに、そもそも論になりますが、40個(2.5円)交換の難しいところは、近年パチンコスロット併設店が多いという状況で、一物一価の規制が敷かれているという点にあります。
現状では、余程運営の仕方がまずくない限りは、「P低S高」の傾向にあります。
ここで、状況が悪く営業数字上のパフォーマンスが急速に低下しているパチンココーナーをどうにかしようとして、40個交換にシフトすることで活路を見出そうとしたとします。
その場合、現状ではしっかりと運営できているスロットコーナーを、一物一価の規制によって、パチンコの40個交換に引っ張られる形で8枚交換にせざるを得ません。
これでは、特に夜時間帯から遊ぶ客層が不利になったり、いくら高設定を沢山使用するとは言っても、4千枚計数してようやく5万円交換というリターンの低さに来店意義を見出せない若年層も一気に離れてしまいます。
②広告宣伝の規制が他店との差別化の障壁になる
40個交換は、低レートだが、高価交換店よりも遊べる調整で遊技台を提供するというのが大前提です。
しっかりとプラス調整にして、それでずっと集客し続け会社が要求する営業数字もクリアするというのが理想ではありますが、実際にはやはり頂くべきところは頂いたり、反対にしっかりと玉を見せたい時はそれ相応の集客をして打ち込んでもらわなければなりません。
平時の営業レベルが高ければ(すなわち還元度が高ければ)、釘の違いが分かる客層だけでなく一般客も含めた集客が勝手にできるとも言えますが、そういう状態になるには数ヶ月~年単位で時間が掛かります。
手っ取り早く「低レートだけど、近隣他店よりも断然遊べるお店」であると認知してもらうのは、やはり今書いた文言をそのまま告知物にして店頭に常設掲示するのが一番ですが、そんなことは現在の規制下では不可能です。
よって、規制に引っかからないように余程うまく告知したり釘調整していかないと、一般客を巻き込んでの集客が日常的にうまくいく前に、釘が見れる客層から食われる期間が長くなり、営業上の体力を消耗するというパターンが多いものと推察します。
③活用できる設備に制限がある
快適な遊技環境を提供しようとしたり、省スペース、人件費の削減といった取り組みを考えた時に第一候補に挙がるのは、各台計数システムかと思います。
このシステムですが、交換玉数が20個台、ギリギリ30個水準であれば、持ち玉をお客さん自身で計数しそのまま他の台に持って行って再遊技してもらっても問題無い訳ですが、40個水準でそれを可にしてしまうと売り上げ面で非常に厳しくなります。
じゃあ、持ち玉をカード化して他の台で使用する時には交換レートに基づいて手数料をとって(玉数を減算して)しまえばいいじゃないかと言えば、どのような交換レートであれ手数料をとってはいけないという取り締まり行政からの指導がありますのでそれは不可能です。
現状では、「カード化した場所だけで持ち玉を引き出せて、他のところに持って行った時はロックがかかって引き出せなくなる」という認証システムというか管理システムが無い以上、この設備に全面的に切り替えるのは困難と言えます。
④あらゆる面で、スタッフ手間になる
40個交換営業での、色々な場面を想起してみて下さい。
玉積みの状況下で持ち玉遊技時間が長くなり、計数対応には労力が掛かります。
計数し景品交換、そしてショップ(交換所)へ持ち込んでいざ交換、とここで、新規客であればどうでしょう?
「あれ、おかしいな、2万個も計数したのに、この金額って合ってるの?」
これは40個交換あるあるなのですが、「金額が少ない」という問い合わせが非常に多くなり、それに対して、説明し辛いご時世ながらもどうにかこうにかご理解頂く対応も当然、スタッフが行います。
景品カウンターでも、特殊景品/金景品に交換した後で「あれ、少ないな、おたくレートいくら?」みたいな感じの遣り取りが多く、更に「一旦特殊景品/金景品に交換した後だけど、やっぱり全部タバコに変更したい」といった、交換ギャップ分を損と感じて少しでもお得感がある一般景品の取得に変更するという場面も多々あります。
その際は、交換内容の取り消しをPOS操作する必要があり、これはそのお客さんから特殊景品/金景品の回収も伴う特殊操作な訳ですから、管理職が対応したりといった具合に、面倒に感じているお店も多いかと思います。
※その場で申し出ないと、交換取り消しは対応しないというお店がほとんどです。本人確認が困難になってくるので。
また、前述のように、釘が見れる客層だけが有利にならないように、ラッキーナンバーのコーナーや一回交換コーナー、定量制コーナーといった具合に特殊ルールを提示したとします。
この場合にも、17~18年くらい前までであれば、そういったルールはどのお店でも見られた光景ですが、私見では2000年~2002年くらいにかけて一気に等価交換/終日無制限のお店が増えていく中で、自然に特殊ルールのお店は減っていきました。
現在のように、あまり一般的ではないルールで遊んでもらうにあたっては、ルールを説明したりランプによる区別や札の抜き差し、声掛けなどの対応がその都度必要になるため、これも接客最前線である巡回スタッフの手間をとらせることになります。
ホールコンピューターとインカムを連動させて、定量到達台を把握したりといったことは、昔よりは容易になってはいるものの、それでもやはり、最後は人による対応なので、どうしようもなりません。
こういった事情が、人件費を削減したいという経営者、まずは稼働ありきで手間が掛かっても集客したいという店長さん、この両者間の思惑の合致を難しくします。
⑤経営者の理解を得ることが難しい
前編で触れた通り、40個交換はその気になれば連日収益率30%超といった高いパーセンテージでの営業が可能です。
更に言えば、私の経験的にというか感覚では、全台を28個ボーダーのスタート数値からマイナス2回転くらい落とした渋い調整で臨めば、毎日は無理ですが、要所で40%近くまでは取れると思っています。
しかし、これでは粗利益を主眼に置いた店都合だけの営業システムになってしまい、他店よりも断然遊べるんだという事を認知してもらってファンを増やし売り上げも増やす、ひいては発生した余裕の中から更に遊べる台を多く提供するといった好循環には絶対に成り得ません。
ここで、前編で触れた仮想店舗に再登場してもらいましょう。
・ちょっとした都市部の駅前
・小規模パチンコ専門店/200台
・全て4円貸し/40個交換
・持ち玉の台移動不可/共有不可/貯玉再プレーなし
・全台玉積み(各台計数システムではない)
・近隣に極端に強い営業力を有する他店が無い
こういったお店で、ある日の営業数字は
当日売り上げ/372万円
粗利益/116万円
利益率/31.2%
景品割数/11割
全体出率103.3%
稼動(台あたりアウト個数)/14,000個
こんな感じでしたね。
ここで、このお店が仮に、以前は閑古鳥が鳴いていた等価交換のお店だったらとイメージしてみて下さい。
全国的に等価交換営業が廃止されていく流れの中で、店長さんとしては、「27~28個交換の水準じゃ駄目だ。俺はお客さんに近隣他店では絶対にお目にかかれないような遊技台を提供してファンを増やして、この店を復活させるんだ!」という強い信念をもって経営者を説得して、起死回生の方策がうまくいき、売り上げも稼働も以前より上昇させ粗利益も若干だが増やすことに成功したお店であると。
そんな中で、上記のような営業数字が残る日が出てきたと。
店長さんとしては、「この週末は、えらい抜けちゃったな。来週は準新台コーナーを全部板1~2枚開けて、看板機種の北斗無双には千円22回水準の台も用意して、それでお客さん方に埋め合わせしよう。稼働が落ちるのは早くて、復活させるのには時間が掛かるからな!」
このように考えていたとします。
しかし、現場経験が無い経営者というものは、こうは考えないのが常です。
一度、大きく抜けた数字を見てしまうと・・・
「なんだ、できるじゃん」
このように考えます。
一時的に大きく抜くことはできても、長期にわたってその水準でやり続けることは不可能であり、それがひいては以前のような閑古鳥が鳴くお店に逆戻りするリスクを孕んだ考え方であると、すんなりは理解できないのです。
更に言えば、レート変更して1~2年経ち、幸いにしてファンも増えてまともな営業ができるようになったとします。
全国のホール企業の社長室/会議室内での会話はもちろん推測するしかありませんが、そこで、多くの場合はこのような話になるでしょう。
「レート変更が奏功して、営業面では快方に向かった。これは素晴らしい。でも、店長さ、売り上げが3倍に増加したのに、なんで粗利益は5%しか増えてないの?もっとできるだろ」
そして、もしもこの経営者の考え方が、ダイレクトに営業現場に反映されることになれば・・・その後の成り行きは、読者の皆さんも容易にイメージできるかと思います。

高価交換店との違いを出すには・・・
⑥機種選定が難しい
これ以下では、釘調整の実務面での事について書いていきます。
パチンコの機種選定に関しては、「TOP(最速)導入時期」、「スペック」、「コンテンツ」といった要素が重要ではありますが、40個交換店を切り盛りする店長さんにとっては、これ以外にも重要なポイントがあります。
40個交換店で格好が付けられるゲージ構成なのかということです。
これに関しては、過去記事で簡単にではありますが触れていますので、もし興味がある方はそちらもご覧頂ければ嬉しいです。
【参考】2016年7月12日公開
最近は釘調整に関して大きな声で言いにくいような状況にありますが、敢えて書けば、一時期のパチンコ機は過度に射幸性が高く”遊技”とはかけ離れた丁半博打的なスペックが全盛でした。
そのようなスペックは、売り上げが伸びるからこそ、うまく引っかかった時の爆連に耐えられる訳です。
この時点で、察しが良い読者の方であれば、この先の筆の進み方は全部分かるかと思います。
売り上げが伸びるような機種とは、等価/高価交換営業のお店であっても損益分岐となるスタート数値が辛いです。
言い方を変えれば、大量獲得に結び付きやすいスペックであれば、そんなには回せない訳です。
これは、交換レートが変わっても同じ事です。
もちろん、高価交換店よりは余裕がありますが、それでも「え?40個交換のお店で、この釘幅なの?ショボいなあ」、「釘がぐんにゃり曲がってるよ。ここ、テンゴの店(40個交換店)だろ?」
打ち手目線では当然このような印象になり、低レート店の大前提というか宿命とも言える、高価交換店では体感できない遊技機会を提供して、ファンを増やす、ということが難しくなります。
40個交換店なのに千円15~16回くらいで放置されているCR北斗拳王を打って爆連し、4万個を交換した打ち手の多くは、このように思うのではないでしょうか?
「なんか損した気分。スタート数値が他の28個交換店とほとんど変わらないんなら、そっちで打てば良かった」
機種選定時に爆連スペックだと分かっている訳ですから、これはもう「バカスカ連チャンして4万個出ちゃった場合は、宣伝だ。これを見せ玉にして稼働を上げて相殺するんだ」くらいの意識で購入する必要があり、過度に恐れてそれを釘調整にまで反映させてしまっては、せっかくの新台が台無しです。
ちなみに、最近私が他エリア探訪中に立ち寄った40個交換店のCRRe:CYBORG009と、デラマイッタの釘調整は酷いものでした。
どちらも寄りのゲージ構成に特色があり(アクリル部分が多かったりと特殊である)、命釘は大きく見せたいものの、それでは粗利が取れないと踏んだのでしょう、寄りのこぼしポイントをぐんにゃりと曲げたり渡りの道連釘を叩き下ろしたりしており、まさにここまで書いてきたような「これで40個交換か・・・」と絶句する水準の釘調整でした。
つまり、無様な釘調整にするくらいなら、最初から導入しないという判断も肝要と言える訳です。
⑦釘調整者による、近隣他店舗の調査が必須である
前述のように、広告宣伝の規制下においては、遊技数値に関して「当店は他店とはこれだけ違います」とは言えません。
これが17~20年前、源さんやモンスター、エキサイト、浜ちゃん、そしてギンパラや海物語の全盛時代で低レート店もまだ根強い支持があった頃であれば
「当店の源さんは、ヨソ様よりもガンガン回します」
「海品質保証。他店より1回転でも少なければ言って下さい」
こういった煽り告知は普通でしたし、実際にかなり遊べる釘調整で提供して看板に偽りが無い状態で派手に営業するというお店も多かったです。
それが今では、お店によっては色々な手段/媒体で(ユーザーが求めているという言い分で)かなり派手な告知をした上で営業し、一昔前とは比べようもない程度ではありますが、適当に命釘幅を広げて集客を図っているという状況です。
このような状況下において、40個交換で営業するという事は、更にそれ以上の見た目の良さ、体感値の良さ、ストレスの少なさといった好印象を、打ち手から感じてもらう必要が生じます。
そのために、何をしなければいけないか?
近隣他店がどの程度の数値、どのようなゲージで使っているか、リサーチを怠らないという事です。
一昔前までは、釘調整者はもちろん一端の管理職であれば皆、日常的に近隣他店で遊んだりリサーチ目的で弾いたりしていましたが、なまじ毎日営業データが見れるという事もあり、勝ち目が薄いと最初から分かっているので打ちになんか行かないという者も増えてきています。
弾いてもらったときに、一般客にも分かる水準で”違い”を出し、それでいて尚且つ、釘が見れる専業層に張り付かれて食い物にされないような加減、開け閉めのタイミングなどが重要になってくる40個交換営業であれば、「他店の調整具合なんか知らないよ、何ヶ月も出向いてないから」という訳には行きません。
⑧スペックに応じた叩き分けが必須である
これに関しては、読者の皆さんの方が日々痛感しているのではないでしょうか。
甘デジだろうが、8個保留仕様だろうが、ダブルスタート(ステージ上にも始動口があるタイプなど)だろうが、”まわるん”と謳った機種だろうが、確変突入率が低いスペックだろうが、何が何でも千円15~16回くらいの回り方で統一しているんじゃないかというお店もあります。
ちょっとでもボーダー理論を齧っていたり、日常的に機種情報サイトを閲覧しているという人であれば、「ここの店長って、損益分岐点把握してるのかな?」と疑ってしまうような使い方をしているようでは、とてもではありませんが40個交換営業などは無理でしょう。
それが、玄人筋の客層が好みやすい羽根物なども設置してあるバラエティーコーナーであれば、どれくらい釘調整に力を入れているお店なのか、その技量がどれ程なのかは、比較的簡単にバレやすいと言えます。
低レートで敢えてお金を入れる価値がある釘調整か否か?
打ち手に期待させる事ができないのであれば、せっかく稼動を回復させるために実施した40個交換への変更も、失敗に終わる可能性が高くなってしまうという事です。
⑨イベント営業時の釘調整に労力が掛かり、相応のやる気が問われる
最後に挙げるのは、やる気を出したときの営業についてです。
仮にここでは、そのお店の旧イベント日だとしましょう。
他の営業日との差別化を告知面で図ることは難しいご時世ではありますが、そこは低レートの強みということで、近隣他店が絶対にできないくらいの回し方で臨むとしましょう。
ここでも、一手間掛かります。
命釘ガバ開きで臨もうとなった時に、取り締まり行政側から最近指摘されるようになってきている釘幅の上限値の問題です。
それは概ね13.00mmとされており、これよりも明らかに開けた調整であれば、著しく射幸心を煽る営業を実施しているという証拠を丸出しにすることにもなります。
そんなこと、いちいち気にしていられるか、という店長さんや釘調整者も居るでしょうが、行政指導/処分のリスクがある以上は無難にやらざるを得ません。
よって、一応は開けても命釘13.00水準で留めるとします。
エリア差にもよりますが、読者の皆さんが日常的に目にしている、弾いている台の釘幅は12.25から板でプラスマイナス2枚(11.75~12.75)といったところです。
13.00は、これより大きい釘幅な訳ですから、どんな機種でもしっかりと回るかと言えば、必ずしもそうではありません。
これも過去記事で軽く触れていますので、興味がある方は後ほどご覧頂ければ理解が深まるかと思います。
【参考】2015年12月19日公開
要は、命釘だけに頼らないで、打ち手をびっくりさせるくらいの調整、回り方にするのは、それ相応の手間を掛けなければならない機種が増えてきているということです。
まとめ
更に細かく見ていけば、もう2~3のポイントがあるでしょうが、これくらいの解説で十分お分かり頂けたかと思います。
少なくとも、今挙げてきたような事をクリアできるお店(経営者、店長、釘調整者、管理職、スタッフ)でなければ、レート変更の方策は上手くいかない可能性が高いという事です。
まだまだ全国には高価交換店が多い訳ですから、そこで敢えて40個交換の自店に来店してもらうだけの要素を提供できるか否か?
取り組みの成否は、半端な覚悟ではなく絶対に成功させるんだという明確な目的意識があって、これまで書いてきたような労力を払えるかどうかに掛かっていると言えるでしょう。
今回は、これくらいにしておこうかと思います。
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低交換率での営業で懸念される部分について、細かく分析されていて恐れ入りました。確かに近場の「40個/8枚交換」のお店は、トラブルを避けるためか、一見のお客さんが打ち始めた際にはスタッフがいちいち声をかけて、「特殊景品への交換玉/枚数は○○です」と説明しています。4パチは一部の海ジャンキー数人が打っているだけで、死んだシマになっていますが、1パチはかなり盛況で、7~8割方埋まっているようです。問題のスロットはやはり集客に苦労しているようで、特にART系は終日0回転も多いです。設定123を使わないというのが周知されて、数年間の信用があるのにもかかわらずです。ジャグラーについては、話好きの常連さんをうまく利用して、「今日は2/3が設定6」みたいな情報を周囲のお客に流してはいますが、全50台弱で7~10万回転ほどなので稼働率は微妙です。労力をかけた割には・・というところでしょうかね。それでも近隣の等価店に比べれば良い状況なので、オーナーのやる気次第ってところでしょうかね。
獣 さん
高価交換店よりも千円あたり5回転以上多く回る機種や、連日全設置台数の10%以上を設定6にしても稼動がとれない40個、7枚のお店はけっこうあると聞きます。
やはり広告宣伝面で訴求できないのと、あとはひと昔前のように、複数店舗を打って回って比較するほど余裕がある客層が居ないということでしょうか。
比較してくれれば、それなりに40個交換のお店の良さがわかるのでしょうが、高価交換店で負け続けている人ほど良店探しをしなかったり、或いは最初から「遊べる店なんて他には無い」と決めつけていたりする事情もあるのかも知れません。
個人的には、大手メーカーから完全に無視されている小規模な低レート店にも、頑張って生き残って欲しいです。
ご丁寧にメール返信頂いただけでなく、このような補足記事まで書いて頂き本当にありがとうございました。
私はオーナーの理解が得られていませんので、まだレート変更の土俵にも立てていないという事がよくわかりました。
当面は、現状のシステムで、少しでもまともな営業ができるように頑張ってみます。
すが さん
メールの際は、業界の後輩という事もあり、ちょっと厳しい言い方になってしまってすみませんでした。
しかし、割数に余裕を持たせる事が主眼のレート変更は本当に危険です。
パチンコならまだそれでも何とか、運も手伝って立ち直せる場合がありますが、スロットだとまず無理です。
※関東圏とのことですから、エルニドをご存知かと思います。
末期の頃を思い出してみて下さい。
どんな状況であれ、すが さんが店長職として生き生きと働けるようにお祈りしていますm(_)m
エルニド!
「設定1,2は置きません!」と開業当初から述べてた店ですね。
新宿店には開店当初行っていました。8枚交換でも、今でいうAタイプメインの時代なので(2~3号機の時代なので怪しげな連チャンも多かったですが)朝からとことん粘ってプラスにして夜においしいご飯を食べる、という馬鹿学生の需要には沿ったものでした。
350枚ビッグですから、初期投資で粘れるんですね。財布は2万あれば終日何とかなるという感覚の時代でした。
しかし、5,6告知なんかもありましたが、明らかに出ていない・・・
しかも新宿は当時はグリンピースという強力なライバル店があったので(今は見る影もない)どんどん客が飛んでいったのを覚えています。
高設定イベントをその後打っていましたが、どう見てもガセでした。
「店がガセイベなんてやるはずない」と考えていた馬鹿学生を成長させてくれた店でもありました。
そう考えると、交換率の低い店、特にスロットに関しては、4号機はもちろん、今の5号機の大部分は適していないのかな、とも思えます。
前提となるのは、低交換率は割数が高いこと(高設定)の期待値が高く、持ち玉で長時間遊技、稼働することです。昔のホールの煽りでよく言われた「粘りと根性」です。
もっとも、楽太郎さんご指摘の通り、パチ、スロともに射倖性をメインに台の開発がなされてきました。大当たりを引いても低出玉、低枚数で、どっかで薄いとこ引いて爆発させる、というものばかりですので、平均的に見れば初期投資がかさみます。
7枚交換は、ビッグをゆるーく積み重ねていって、2000枚(約3万)出れば大勝ちで、投資分との差額で高い飯を食おう、というスタイルに沿っていました。
中間設定はあっても低設定はない、という前提なので、最初の1万円でなんとかビッグを引ければ、負けても半日は遊べるかなあ、という感覚でした(もちろん、泣きながら午前中に撤収ということもしばしば)。
しかし
・昔みたいな「粘りと根性」という客が激減した
・店も経営者の意向として「粘りと根性」の客に対応した経営を行っていない
・メーカーの開発する台が「粘りと根性」の需要に対応していない(ジャグくらい?)
そう考えると、高い割数への期待値が乏しく、店も客も射倖性による高収益、大勝ちの味を覚えてしまっているという現状では、低交換率営業に客を呼び戻すビジョンが浮かびません。1パチに客がついているという話を聞く限り、可能性はあるとは思うのですが、一次的な収益性を犠牲にしても稼働率を高めて、薄く広く利益を漸次高めていく、という長期的発想がない限り、やはり難しいと。
まあ、そもそも台単価が高すぎて、設備投資との関係で収益を高めざるを得ないという現在の業界の構造自体、業界全体を破滅の方向に追いやっているのかな、と思います。客からすれば、メーカーも店舗も同じ穴の狢なわけですが。
daidai さん
相変わらず、さすがの見識です。
・高射幸性遊技機による高収益/大勝の味を覚えてしまっている現状では、低交換率営業が成功する見通しが薄い
・機械代が高過ぎて収益性を高めざるを得ないという現在の業界の構造が業界自体を破滅の方向に追いやっている
ここから、どうやって「遊技」としてのパチンコを再興していくか。
それとも、やはり大衆娯楽の正体は遊びではなく射幸性だと開き直るか。
後者であれば、規制下であっても抜け道的な営業手法や機械開発が継続するでしょうし、もしも本当に遊技の復活を目指すなら、ちょいパチみたいに出涸らし茶葉で淹れたような機械ではなく、本当の意味での期待感をそそる新台が出てくるでしょう。
個人的には、大一の新台が楽しみです。
なるほど。
理解があり理性もあり、長期視点を持てるオーナー。
ある程度な期間の損、一時的な損を耐えられる肝の座った店長。
どんな台でも適正に打てる釘師。
どんなに忙しくても采配を取れる役職者。
給料は変わらない&今まで以上に忙しくなるが、真面目にキビキビ働いてくれる社員やアルバイト。
それらがあれば実現可能なんですね・・・って無理ですやん。アドリブ店長も真っ青ですぜ(笑)
ゴンザレス さん
全国にどれだけの40個交換店があるのかは分かりませんが、当座の粗利だけを追い求めるご時世には逆行するような営業を追求すること自体が、自店の差別化に繋がる訳で。
それができるのは、まあ他事業収益があったり、自社物件だったり、そういったホール企業に限られるんじゃないでしょうかね。或いは、本当に小規模な企業で、従業員が食べていければいいんだくらいの感覚でやっている経営者だとか。