1円未満の超低貸し玉コーナーの利益はどれくらいあるのか、ご紹介してみたいと思います。
まず、パチンコの利益の考え方についてですが、色んなところから発生させることができます。
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利益発生の仕組み
①貸し出し時の玉減らしによる利益
➡以前は100円あたり25玉貸し出していたのを1玉減らすなど、消費増税に伴って、という名目で変更したお店も多いと思います。
これは、遊技の参加料を取得しているようなもので、微々たる玉数ではありますが、塵も積もれば非常に大きな「節約」となります。
②釘調整による利益調整
➡スタート数値や電チューサポート数値のマイナス調整により、大当りまでの初期投資金額を増やしたり、確率変動中の持ち玉をじわじわ削ることで利益を生み出します。
また、アタッカー付近のマイナス調整により、大当り玉を削ることでも利益発生します。
例えば、電チューサポート161回転中に上皿1杯分削る&アタッカーで1回の大当り中に50玉削る効果は、30連チャンしたとして(毎回大体161回転で当たったと仮定)↓
・上皿1杯(概算80玉)×30連チャン=2,400個
・アタッカー削り(50玉)×30連チャン=1,500個
これを足すと3,900個となり、仮に無調整で機械設計値通りの出玉や確率変動ベースで営業した時と比較すると、
・3,900×4円交換(等価禁止以前)=15,600円
これだけの金額を「節約」することになるわけです。
打ち手にとってみれば、ふざけた利益の生み出し方だとは思いますが、そうすることでスタート数値を上げたり、会社が要求する利益を生み出したりと、釘調整する立場の人間は毎日それなりの苦労をしているわけです…
③交換ギャップによる利益
これは言うまでもありませんが、玉1個の価値が変われば利益も変わります。
10,000個出して40,000円になるのと、30,000円なのには大きな違いがあります。
余談ですが、十数年前に大宮に出張した際、時間が空いたので店頭に「高価交換営業中!」ののぼりがあるお店でパチンコを打ってみたら50,000個近く出したことがありました。
釘調整的には激渋だったので、「等価に近い営業じゃこれくらいのスペックでもこんな調整にしないと利益は出ないよな、確ベースも相当低いぞ、まあ仕方ないか」とある意味納得の上で打っていました。
願うべくもない最高の展開で大量獲得した私は喜び勇んで景品交換、ずっしり重い金属棒(ペン形状の特殊景品)を袋一杯にGET。
先に交換を終えたおじさんに付いて行き、換金所に到達します。
受け取った金額は…15万円以下!
これって3円交換だよね?このエリアは3円で高価交換なのか!?2.5円のお店ばっかりなの?
…非常にびっくりして帰宅の途についたことがありました。
(まあ、看板に偽りありなのか、他店との比較上高価だったのかは、今となっては分かりません)
④一般景品の交換利益
「安く仕入れて、高く(店側の利益を乗せて)売る」という、商売の原則で利益を発生させています。
販売(交換)価格が法律で決まっているタバコを例に挙げると↓
マルボロライトメンソール
・仕入れ金額421.28円
・販売(交換)価格460円
仕入れ価格は、取引先との関係性でお店によって多少上下するかも知れませんが、私が管理しているお店ではこの価格です。
この商品は、月に平均して700個くらい出る人気商品なので、その交換利益(出庫差益という言い方をする場合もあり)は↓
1個あたりの交換利益38.72円(460円-421.28円)×月間販売個数(700個)=27,104円
こんな感じになります。
・・・ざっと見てきましたが、0.5円パチンコの営業で、どこの部分の利益が大きいか?
私が管理しているお店では1円未満のパチンココーナーは設置していないので、0.5円パチンココーナーを設置している知人の3円(33玉)交換店の情報を元にデータ紹介したいと思います。

塵も積もれば…
0.5円パチンコの営業データ(抜粋)
3円交換で、ラインナップ的には
旧MAX機:ミドル機:ライトミドル機:甘デジ=3:4:2:1くらいとのことです。
まずは、遊技に関わるデータからのご紹介です。
①営業データ
全60台 | 総売上金額/日 | 平均台アウト個数/日 | 平均台粗利金額/日 | 一般景品交換利益/日 |
410,000円 | 31,800個 | 2,400円 | 18,300円 |
稼動が良いか否か、遊べるコーナーになっているかどうかは、立地やエリア、釘調整の数値にもよるのでなんとも言えませんが、データ提供してくれた知人曰く「近所の店よりは、まともな方」らしいです。
※例えば、郊外のロードサイド店舗では車でわざわざやって来たお客さんの滞在率が高めになりがちなのに対して、都内駅前のお店などは短時間遊技客が多めでお客さんが回転しやすいといった感じに、稼動も売上も粗利益もかなり変わってきます。
ちなみに、一般景品交換利益には、お客さんが捨てていった玉やチケット(計数レシート)、ホール内に落ちて景品交換されなかった玉も利益として計算しているとのことです。
このデータを元にすると
・1日あたりの台粗利2,400円×全60台=1日あたりの0.5円コーナー総粗利144,000円
➡144,000円×30営業日=4,320,000円
・1日あたりの一般景品交換利益18,300円×30営業日=549,000円
これを足すと、知人のお店は
0.5円パチンコの利益
➡4,320,000+549,000=4,869,000円
全60台の0.5円パチンココーナーで、月間でこれだけの利益が出ているということになります。
これも多いか少ないかは、そのお店の考え方にもよりますし、併設している4円パチンコやスロットとの兼ね合いもありますので一概にどうだとは言いにくいですが、私の印象としては「良稼動で、良く遊ばせている優良店」のデータに見えます。
②機械代の節約効果大
この知人のお店に限らず、どのお店でも、低貸し玉コーナーに設置している遊技台は、大体は4円パチンココーナーからお役御免になった機種や、グループ店から回してもらった御下がりの機種をメインに構成しているかと思います。
私が管理しているお店でも特別な事情が無い限り、最新機種を直接低貸し玉コーナーに導入するということはしません。
低貸し玉コーナーに新台を導入できるのは、ある程度の資金力と打ち手を楽しませる意識を兼ね備えた、比較的まともなお店だと思います。
ただし、その新台を遊べる釘調整で提供するか、回収専用にするかは別問題です。
ラインナップが古めでも、年配のお客さんが止め打ちしない打ちっ放し遊技で千円160回以上回るとか、それくらいの調整数値で提供しているのであれば、私の印象ではかなりお客さん寄りの遊べるコーナーだと思います。
4円コーナーのように機械代が掛からない分だけかなり多くの金額を節約できるし、そうして生まれた余裕をある程度遊べる釘調整で提供すれば稼動にもなり、その稼動がまた稼動を呼ぶという好循環が発生します。
十数年前は1台20万円台だったパチンコ機が、今や各種値引きを駆使しても30万円中盤くらいなわけですから、この節約分は非常に大きいと言えます。
まとめ
ざっと見てきましたが、0.5円パチンココーナーの利益を考えるにあたっては
・3円交換店等の換金ギャップがあるお店では、交換一般景品の交換利益も含めて、しっかりとした利益が発生している
・入替が少ない分だけ、機械代の節約効果が大きい
これらのことが見えてきたかと思います。
もっと言えば、終日良稼動しているコーナーがあれば、ホール内がかなり見栄えします。
それによる雰囲気的な相乗効果というか、なかなか数値で算出しにくい効果もあるものと思っています。
終日閑散としているお店では、ゆっくり遊ぼうという気にはなかなかなりませんからね。
・・・今回は、これくらいにしておこうかと思います。
何かの参考にして頂ければ幸いです。
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