2015年11月17日ホテルインターコンチネンタル東京ベイ(港区)での秋季セミナーでの
警察庁保安課課長補佐大門 氏の講話が、特にホール側にとって、非常に厳しい内容となっているので要旨をご紹介します。
<講話内容要旨>
・今後、高射幸性機種の撤去が進められる予定だが、取り決めた撤去期限のぎりぎりいっぱいまでホールが設置しようとするのであれば、いくらメーカーが低射幸性機種を販売しても、遊技市場に出回ることは期待できない。
・保通協の検定を通過した遊技機の性能とは、10分間に数十個がコンスタントに一般入賞口に入賞するものである。
数値としては、10分間に50個が一般入賞口(10玉賞球)に入賞すれば500個であり、それが1時間の遊技であれば500個×6倍で3,000個の賞球となる。
これは4円パチンコでは12,000円相当であり、本来大当り玉以外に遊技客に払い出されるべきものである。
・検定機の性能を逸脱した遊技機が市場に出回ることに関しては、ホール側にも責任がある。
営業利益に対する貢献度が高い遊技機をホールが欲し、それをメーカーが製造するという構図があるのは否めない。
今後、業界を挙げた高射幸性遊技機の回収を進めるにあたり、まずはホールの意識改革をいかに進めていくか考えて頂きたい。
<変わってきた状況>
11月上旬までは、高射幸性遊技機の存在や、検定と異なる仕様で販売した機種があるということに関しては、主にメーカー側の責任が大きいという見解を持つ業界人が多かったかと思います。
よって、今後高射幸性機種が回収されるのであれば、あくまでもメーカー(日電協、日工組)主導で
①対象機種のリスト化
②スケジュール作成
③取り締まり行政へのスケジュールの報告
④ホールに十分な下取り価格を提示
このような工程で話が進んでいくものと認識されていました。
特に、ホール側としては④が気になるところであり、例えば営業上貢献度が高い機種が回収されるのであれば、十数万円の下取り価格の提示や、なんなら入れ替えるための新台は無償提供だと息巻いているお店もあったかと思います。
それが、メーカーはホールが欲するから製造したのであって、高射幸性機種の回収には、まずはホール側の意識改革が必要という内容の講話があったことで、メーカーとしてはある意味、取り締まり行政からちょっとした免罪符の発行を受けたとも言えます。
十分な下取り価格の提示や入れ替えるための新台の廉価販売(無償提供)をホール側(全日遊連など)が要求したとしても、「いや、取り締まり行政としては、ホール側にも大いなる責任があると認識しているので、そんなにホール側に都合の良い金額では対応できない」というメーカーが出てくるでしょう。

稲妻の如き衝撃が全国のホールに…
<下取りの仕組み>
パチンコスロット機種の下取りの仕組みや金額的な相場がわからないという人のために、現状わかっている限り最新の例を挙げて簡単にご説明したいと思います。
1月18日稼動開始(地域差あり)
『戦国乙女~深淵に輝く気高き将星~』
定価449,000円(税込484,920円)
①台数値引き
4台以上の購入の場合、1台あたり10,000円
②設置中の高射幸性遊技機の下取り金額
1台あたり30,000円
③撤去済みの高射幸性遊技機の下取り金額
1台あたり20,000円
私が管理しているお店では、設置中の下取り対象機種は
・麻雀物語2
・ラブ嬢
・黄門ちゃま喝!
・戦国乙女剣戟に舞う白き剣聖
こんな感じのラインナップになっています。
また、会社の倉庫には
・主役は銭形
・カウボーイビバップ
これらが2台ずつあり、どちらも撤去済みの下取り対象機種になっています。
こういった条件で、例えば
「今作の新しい戦国乙女を5台購入する。設置中の古い戦国乙女1台撤去&倉庫に保管してある銭形とカウボーイビバップを全部下取りに出す」という入替プランを立てた場合
定価449,000×5台=2,245,000円
これに所費税8%を加えると2,424,600円となります。
これから、以下のものが引かれます
①台数値引き(4台以上購入の場合有効)
10,000円×5台=50,000円
②設置中の高射幸性遊技機の下取り
前作の戦国乙女30,000円×1台=30,000円
③撤去済みの高射幸性遊技機の下取り
銭形2台+カウボーイビバップ2台=合計4台
どちらの機種も1台あたり20,000円なので、
20,000円×4台=80,000円
これらの条件で今作『戦国乙女~深淵に輝く気高き将星~』を5台購入すると↓
税込み定価2,424,600円-(①+②+③の合計160,000円)=2,264,600円
このような金額になるというわけです。
※遊技機の価格や販売条件に関しては、数十~数百店舗を有する大手ホール企業には、更に別のオプションが存在していると言われています。
私のところは大した規模ではないので、提示してもらえる販売条件は上記くらいのものです。
<今後どうなる?>
今後の高射幸性遊技機回収に関して、メーカー責任大という状況下でもっと話が大きくなれば面白いかなと考えていた店長さん(特に小規模店舗)も多かったかと思います。
これまでの新台購入時に、大手とは価格面や導入条件、日程等でかなり差をつけられてきたので、気にいらないメーカーや競合店舗の一つや二つくらいは、どの店長さんにもあると思うからです。
例えば牙狼魔戒が5台程度のお店なら、それが今後仮に回収対象になったとしても別に痛くはありませんが、近隣の大手店舗は営業プランの変更が必要になるでしょう。
また、メーカーであるサンセイはそれを回収して新たに設置してもらうための遊技機を販売しないといけません。
※その販売に際しては、前述通り、ホール側にかなり有利な条件の提示が期待されます。
こういった観点で、話が大きくなってくれた方が対岸からの見物的な状況になり面白いとも言えます。
メーカーがこれまでのような高圧的な態度や厳しい条件での販売ではなく、小さいお店にもある程度付き合える条件を提示してくれる可能性もあるという見通しを立てている店長さんも居るのではないでしょうか?
11月上旬に、回収の話が世の人々の知る所となった時は、メーカーの株価は軒並み上昇しました。
回収するということは次に供給が発生するので、メーカーの販売特需が期待されたということでしょう。
しかし、もしも相当な金額での下取り要求をメーカーが呑むことになった場合は、その目論見は外れます。
また、中古機を取り扱っている業者も、自社が抱えている在庫の中で、どの機種がどれだけ多く回収対象になるかハラハラドキドキしながら成り行きを見守っていることでしょう。
いずれにしても、全ては
・回収対象機種のリスト化
・回収スケジュール
これらが明示されないことには、何も進みません。
また、何か情報が入れば、記事にしたいと思います。
長い文章にお付き合い頂き、ありがとうございました。
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