研修風景を眺めながらふと思う-西太平洋の遠洋航海者

文化人類学、或いは民俗学の領域では「現地滞在調査(フィールドワーク)」を重要なアプローチ方法としているのは良く知られていることかと思います。

言葉が通じない、衣食住が根本的に異なる人たちや土地のことを知るにあたっては、まずは実際にその土地に入り込んで行くという取り組みが肝要であることは、門外漢である私たちにも何となく理解できます。

 

異文化に飛び込む

大学生の頃、文系だったという方ならご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、マリノフスキーという人類学者がいます。

 

20世紀前半に、西太平洋のトロブリアンド諸島で、現地の社会経済や独自の文化についてフィールドワークによって調査を行い、それを基に『西太平洋の遠洋航海者』という論文を世に送り出すわけですが、これがなかなか面白いのです。

 

ものすごくかいつまんで要旨を書くと↓

・サークル状に島々が並んでおり、現地の人々はカヌーで移動している

・マリノフスキーは、移動する人々が宝飾品を交換し合っていることに着目する

・宝飾品には、赤い貝殻で作った首飾り(現地語でソウラヴァ)と白い貝殻で作った腕輪(現地語でムワリ)がある

・ソウラヴァとムワリには、単なる物質的な価値以上のものがある

 

こんな感じになります。

 

実際は、この物々交換的な交流が、海によって分断されている島嶼部の人々が生活習慣であったりその土地土地の伝承や歌といった文化的なものの交流を生み出すという点でもっと大きなスケールの話なのですが、ここでは割愛させて頂きます。

 

まあ、無茶苦茶簡単に言えば、マリノフスキーは

「何?あの赤いのと白いの。住み込みで調べてみるか!」

こんなノリだった訳です。

 

不思議な遊び

3月は別れの季節。

 

私が管理しているお店でも、毎年この季節になると、大学/専門学校を卒業するから、田舎に帰るから、それぞれの理由でアルバイトスタッフが退社していきます。

 

そして、それに入れ替わりで、新しいスタッフが入社してきます。

 

パチンコスロットをやったことがある人、無い人、様々ですが、無いという人が最初に疑問に思うのは、大体はこの業界の景品交換システムではないでしょうか。

 

また、打ち手目線でも、新しい土地に転勤になった、大学進学で独り暮らしを始めた、このような場合、新天地である近所のホールでパチンコスロットを打って幸運にも持ち玉を作れた・・・よし、景品交換!

 

古い打ち手の読者の方なら、必ずこんな経験があるかと思いますが、まずは特殊景品がどんなタイプの物なのか非常にドキドキします。

・”ライター石”なるものが封入してある小箱

・やたらと重い金属製ボールペン

・メダルっぽいものが封入してあるプラスチックの板

・銃弾のようなものが封入してある細長い小箱

・”高級ボタン”なるものが封入してある小箱

・栞のような形状のものが封入してある小箱

 

関東圏だけ見ても、「金景品」が流通を始める以前は、こういった実に多種多様な特殊景品が存在していました。

 

パチンコスロットを打たない人からみれば、

「玉やメダルがあんなのに変わってニコニコしている・・・一体何の価値があるのか?意味不明」

こんな感じに見えるでしょう。

 

そして、この特殊景品の交換場所は、これまた更に不思議な場所です。

後について行くと・・・

後ろからついてくる奴がいる・・・

 

換金所はどこだ?

新しい土地や不案内な出先で遊んで、凄く困るという人もいればこれが最高にスリリングで楽しいんだという人もいる、それが換金所探しです。

 

傍目から見れば、

「謎の小箱を山ほど持った男が、周囲をキョロキョロ見渡しながら薄暗い路地に入っていった・・・危ない奴かも」

このように思われても仕方ありません。

 

また、常連客っぽい人の後ろを付いて行って場所を突き止める場合は

「付かず離れずの距離感で追跡している?犯罪の匂いがするな!」

このように思う一般人の方も居ると思います。

 

それだけ、不案内な土地で特殊景品を交換するのは、一筋縄ではいかない行為でした。

 

ちなみに、私が利用したことがある、一風変わった換金所は↓

・お花屋さんの2階

⇒レジに「あの~これ」と声を掛けると後ろの階段を指さされ、上がっていくとそこが換金所。汚い猫が居る。

 

・路地の突き当り

⇒行き止まりかと思いきや、木製の壁の真ん中に長方形の切れ込みがある。

壁をノックすると「ヌッ!」と箱が押し出されてきて、そこに特殊景品を入れると「ズズッ!」と引っ込む(手も一緒に持っていかれるくらいの勢い)、そしてしばらくするとまた「ヌッ!」と箱が押し出されてきてお金を受け取る。

※もちろん、金額が合っているかどうか、確認する暇などない。

 

・細長いビルの地下3~4階

⇒人ひとりすれ違うのも困難なほど狭く薄暗い階段を降りていくと、急に光が見えてきてそこが換金所。夏でもヒンヤリと涼しい。いつも石の床面が濡れており、下に降りるほどなんだか臭い(湿った鰹節のような感じ)。

 

・金融会社の隣

⇒「●●興業」的な社名の看板があるところに、木の板に筆で「金融業登録」と書いてある(絶対に登録していない)。そこの隣が換金所。

換金所の正面の強化ガラスには

「立ち止まらない、話しかけない」と書かれている。

※立ち止まらないと交換はできないのだが・・・などど、怖くて突っ込めない。

というか、そもそも話しかけてはいけないので突っ込みすら不能。

 

ざっと書くと、こんなのがありました。

 

慣れれば平気

人間は、どんな状況であってもある程度経験的に慣れていく生き物です。

 

パチンコスロットを打ち始めた最初の頃は、いちいちドキドキしていた景品交換でも、ああこの店はライター石なのね、換金所は裏ビデオショップがある路地の左なのね、と特に疑問に思うこともなくなります。

 

また、初めて打ったという友人と一緒に交換しに行く時などは、不安がる友人を横目に「ウブだなあ」くらいのことを考える間違った余裕さえも出てきます。

 

虎穴に入らずんば虎子を得ずとはよく言ったもの。

 

煙草の煙が充満し、遊技客の喜怒哀楽が渦巻く異様な空間であるパチンコスロット店。

そんなアンダーグラウンドな場所に、勇気を出して入店したあの頃・・・

 

それが今では、ホールはちょっとしたホテルのエントランスのような空間だったり、換金所も明るく清潔で、東京なら「TUC」というちゃんとした看板まで出ていて随分と分かりやすくなりました。

 

土地土地で千差万別だった特殊景品も、まだエリア差はあるものの「なんじゃこれ!?」と驚くような物や無暗に重いもの、大きいものは姿を消しつつあります。

 

 

ある意味、前時代的でローカル色があったものが今どきで統一感があるものに変わり、面白みが無くなったとも言えます。

 

今朝がた、ウチのホール社員が、アルバイトの新人に

「玉はここで流して、ボタン押すとチケットが出てきて、それをフロントに持って行ってもらって金景品と換えるの」

「交換所はこっちで、でもここですよ!とか言っちゃダメ!そういうことになってるの」

 

こんな風に教えているのを眺めながら、もしもマリノフスキーがパチンコスロット店を観察したら、どのように見えるだろうか?

こんなことを考えてしまった楽太郎でした。

 

 

雑談を書けて、気が紛れました。

(2月のパチンコの営業数字がとても悪く、ぐったりしていたので・・・)

 

 

今回は、これくらいにしておこうかと思います。

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コメント
  1. 札幌で自分で玉流して自動的に景品が出るシステムを導入していた店舗があり、よく行っていました。時は流れ隆盛を誇ったお店も経営が変わっていました。北海道と比べると関東圏の方がレアな景品交換所が多い印象です。

    1月、2月と制作物を扱う弊社もそこまで売り上げが伸びませんでした。
    ホールの皆さまには頑張っていただかないといけません笑

    • 読者何某 さん

      換金所の件は、まだまだネタがあるのですが(こっちが焦るくらい積極的にコミュニケーションを図ってくるところ、中で麻雀をしているところ等)、それはまた追々記事にしていこうかと思います。
      ※読みたい方が居ればですが…

      広告関連に関しては、仰る通り、1~2月はわざわざ外注してまでPRしたい機種がない時期でした。

      今後に関しては、私見では、関東圏では特に立体制作物を機種告知に使用するお店がより一層増えてきているように見えるので、権利関係さえクリアできるのであれば
      ・某女子戦車モノ
      ・ヤンジャンのゴキブリ退治モノ
      ・ヤンマガの吸血鬼退治モノ
      ・昭和の熱血野球マンガ など

      この先出てくるであろう、これらの立派な製作物なら欲しいというお店はあるかと思います。

      個人的には、サミーの展示会場に飾ってあったような、実物大の黒王号が欲しいです。
      雄々しくて非常に格好良いですから。
      ただし、私のお店には、置く場所がありません。。。

    • sssさん

      換金所や景品交換がらみでは、たぶん20本くらい雑談記事が書けると思いますが、かなりグレー(或いは完全にブラック)なことや身元バレのリスクが大きいネタも多いのでそれは小出しにしていきたいと思います。

      ちなみに、どうでも良い補足なのですが、記事中のお花屋さんには若い娘さんが居て(身内かアルバイトかは不明)、その方も猫同様に見映えしないというか、個性的な顔立ちをしていたのが思い出されます。

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