再会したい懐かしの店員①-スーパーの精肉担当山田さん

新入社員の導入研修的なものや、本社での会議で疲労中です(この時期、同じような境遇の店長さん、部長さんも沢山いらっしゃるかと思います…)。そろそろ息抜きがしたいので、雑談記事を書いてみることにしました。

 

はじめに

これまでは、息抜きで『また打ちたい懐かしの裏モノ』シリーズを書いてきたのですが、惜しまれながら(?)先ごろ全7回をもって完走したので、今度は人物シリーズにしてみようかと思い立った次第です。

 

それらは、大学生時代のアルバイト先の同僚や、打ち手として通っていたホールの店員さんなど、この業界で出会ってきた多くの人たちの中から、未だに強烈な光を放っている傑物たちを厳選してご紹介してみたいと思います。

 

ちなみに、現在所属しているホール企業の同僚にも、エキセントリックな同僚は沢山居て是非ご紹介したいのですが、これはやはり身元バレに繋がることなので我慢します。

 

ですが、誰一人ご紹介しないというのももったいないので、シリーズの後半で、1人だけ登場してもらう予定です。

 

社内でこの人に関わる出来事を知っているのが私も含めて2人しかおらず、他方はかなり前に退社しているので、面白エピソード独占状態という訳です。

これなら先々公開しても構わないかと思っています。

 

それでは、さっそく第1回、スーパーの精肉担当山田さん をご紹介します。

 

山田さん、こんな人

パチンコスロット店でのアルバイト時代の同僚で、私よりも3~4歳上の、ちょっとだらしない先輩でした。

 

だらしないエピソードとしては↓

 

・5歳くらい年下の新人社員から毎日怒鳴られる

→特に、大卒でパチ屋は初めてという三浦さんという新入社員からは相当やられていました。

 

・バイト先から自宅がある松戸までの電車賃を払うとお財布が空っぽになる場合も多い

→基本的に、松戸駅から自宅までは約20分間徒歩。お金がある時はバス。

※仲間内3人で自宅に行く時ならタクシーの割り勘でほぼ同じ費用負担のはずだが、「タクシーの味を一度覚えると、もう元には戻れない」という妙な理由で絶対に利用しない。

 

・床屋に行くお金が惜しいので後輩のK野さんに切ってもらう

→謝礼で千円払う。千円あれば駅前の千円散髪店になら行けるはずだが…

※このK野さんは違法●物の常習者で、折に触れ機嫌が悪くなったりする(急に脱力する)ので切ってもらっている時は常に警戒している。

 

・自宅アパートの天窓が壊れて閉められないまま放置

→横殴りの雨などの場合は、上から降ってくる。

 

・カラオケ店で後輩バイトのW辺さんと共に大暴れ

→内装を破壊して2~3時間利用で8万円超請求される。

※そこに行きつくまでに有り金を遣い果たしていたため、私楽太郎がプ●ミスで借りて支払う。

 

・新人バイトの娘に誘われてライブハウスに同行

→グラムロック系のバンドが演奏中に、バイト先パチンコ店の朝礼で唱和する「いらっしゃいませ!」「お待たせ致しました!」「ありがとうございます!」といったマニュアル接客用語を大声で連呼して異常者認定され、店員から摘まみ出される。

※「好きになってしまったから、いいところを見せようとした」とは本人の弁。

 

・飲み過ぎて自宅に帰る気力もお金も無くし、公園での野宿を決意する

→ホームレスの方の段ボールを盗んで見つかり追いかけられるも、そこは体力がある山田さんが振り切ることに成功する。

 

・家飲みに後輩を誘って酒のアテでイカを購入

→4~5人居たが自分だけアニサキスにやられ、トイレから出てこられなくなる。

※捌いて刺身にしたのは本人。

 

・家飲みに後輩を誘って、泥酔した後輩が粗相

→吐瀉物を迅速に処理すべく、同棲中の彼女の生理用ナプキンで急速吸水。

在庫を全部使い果たしてしまい、肝心な時に無いのに気付いた彼女から激怒され近所の薬局に買い出しに行く羽目に。

 

ある月、彼女と合計で百数十万円勝つ

→普段は引きが弱い方だったが、全てがうまくいく確率変動月間に突入。

天からの恵みのような、まとまった額のお金を手にする。

 

・・・ざっと、こんな感じの駄目なお兄さんキャラでした。

 

 

山田さん、田舎に帰る

そんな山田さんですが、ある日の遅番の仕事あがりに、こう切り出しました。

 

山田さん「楽太郎よ、俺、田舎(中国地方の某県)に帰ることにしたよ」

 

楽太郎「え、でも、山田さんみたいな ろくでなし、田舎に帰ったらやれる仕事なんてないじゃない!」

 

山田さん「俺さ、今のパチ屋に来る前は、●駅近くのスーパーの精肉担当の仕事やってたんだよ」

肉はいいぞ、嘘つかないからな

「俺は結構評価してもらってて、和牛のパックの仕分けとかもやってたんだぜ」

田舎に帰って、スーパーで肉の仕分けをやるんだ。今付き合ってるやつと所帯を持ちたいんだよ。それが俺の夢なんだ

 

楽太郎「田舎のスーパーのお肉担当で結婚したって、絶対にうまくいかないよ、すぐ離婚だよ」

「いい歳なんだから、背広を着る仕事をした方がいいよ。肉なんか切り分けたところで・・・」

 

山田さん「他にやりたい仕事が無いんだよ。俺は、新鮮な肉を切りたいんだ

「仮に最初の頃はうまくいかなくても、スロの勝ち金が半年分の生活費くらいはあるからさ、きっと大丈夫だ」

 

楽太郎「・・・・・・」

精肉

夢がぎっしりと…

 

芋粥

その後まもなく、山田さんは彼女をつれて田舎へと帰っていきました。

 

寂しい気持ちはあるものの、アルバイトの出入りがとても多いお店だったので程なくして新たな仲間もでき、山田さんのこともいつの間にか思い出すことは少なくなっていき、更に数年が経ち就職した頃には、すっかりと忘れていました。

 

私はこの業界に本格的にお世話になる前に、一度サラリーマン経験があります。

8時前に出社して会議、日中は営業で外出、18時以降は資料作成や会議・・・退勤するのは毎日21~22時です。

※出先でサボって裏モノを打ったりと、不健全な自由度はありましたが。

 

「毎日、面白くないな」

 

そう思うことが多く、何か心の解放というか、そういったものを求めていたのだと思います。

 

「大作は無理でも、薄っぺらい文庫本くらいなら今夜でも読めるな」

 

駅前の書店で手に取ったのは芥川龍之介の短編集でした。

今はもう手元には無いので、うろおぼえですが、確か『羅生門・花・芋粥・偸盗』という書籍です。

 

その中の、『芋粥』の一節が、私の心を強烈に揺さぶったのです。

 

人間は、時として、充されるか充されないか、わからない欲望の為に、一生を捧げてしまふ。

その愚をわらふ者は、畢竟ひつきやう、人生に対する路傍の人に過ぎない。

 

何と言うか、突然山田さんのこと、彼が田舎に帰る前に私に話してくれたこと、それらが一気に思い出され、「俺は肉を切りたいんだ」といったその心が初めてわかったような気になりました。

 

ああ、こういうことだったのか。。。

 

頭の中にあるイメージを言葉にすると急に安っぽくなってしまいますが

・自由の追求

・自分の人生の主役になる

・納得出来ることをやる

 

こんな言葉が頭の中でぐるぐると回り続け、他にも色んな理由がありこれだけがきっかけと言う訳では無いのですが、程なくして私は会社を辞め、学生の頃楽しく働いていたパチンコスロット業界に舞い戻って来ました。

 

結局、その後はずっとこの業界に居て、それなりに楽しくやれているわけですから、もし機会があれば山田さんに会ってお礼を言いたいというか、スーパーで肉を切りたいなんて下らないと言ったことを詫びたいと思っていますが、今となっては再会する手掛かりさえありません。

 

 

今回は、これくらいにしておこうかと思います。

次回は、『モーニング仕込み担当Sさん』を予定しています。

 

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コメント
  1. 本日も楽しく拝読させて頂いております。
    私もスーパー経験があり、この業界じゃなかったらスーパーの青果部門に行こうかと考えていたくらいです。
    ちなみに精肉の和牛の切り分けはスーパーだと花形ポジションにあたるんですよ!(私が勤めていたのが肉のハナ〇サだからかもしれませんが)
    不注意があると手を切ってしまったりするので私みたいな超がつくおっちょこちょいにはおそらく務まりません。
    この記事を拝見して、山田さん、なかなかの実力の持ち主だな!と思った方は少ないかもしれませんが私を含めいらっしゃるはずです。
    ダメダメだけど憎めないスタッフは昔の方が断然多かったと思います。何やってるんだろう、ではなくどう生きているんだろう、と思ってしまう諸先輩方に、アラフォーとなり多少なりとも世間を知った今、会ってお話を聞いてみたいものですね。。。

    田舎に帰った山田さんのご多幸を切に願うばかりです。

  2. 読者何某 さん

    え!そうなんですか?
    そう言えば、「俺は鳥じゃなくて牛だからさ」と自慢げに話していたかと思います・・・
    あれは山田さんなりのアピールだった可能性がある訳ですね。

    バックヤードでビニールエプロン、長靴、抜け毛防止のほっかむり姿であらゆるお肉を白いトレイに黙黙と封入していく作業風景をイメージしてたので、まさか花形ポジションがあったとは。

    ・・・そういう話を聞くと余計に、「肉なんて」とは、悪いことを言ってしまったものだと後悔しますね。。。

  3. 「肉なんて」とは確かに酷いです苦笑
    和牛は単価も高いですし、牛は切り方によっては、豚や鳥の肉もそうなんですが、固くも柔らかくもなり、サシ(霜降りが)が入っているような肉ですと見せ方も出てきます。トレイに置くにしても手早く美味しそうに置くのはなかなか難しいんですよね。
    スーパーの精肉のバックヤードでは一目置かれた方じゃないと任せてもらえません。
    いろんな仕事が世の中にはあり、いろんなプライオリティがありますよね。
    山田さんは強い拘りを持っていそうな方なので凄く適性がありそうな予感がします。

    • 読者何某 さん

      「牛の場合、体温が指先から肉に移ると、脂が溶けて商品として見栄えしないからスピードも重要」などと良く話していました。

      たしかに妙なこだわりがある方でしたので、田舎に帰ってうまいことどこかのスーパーに雇ってもらい、幸せな家庭を築いていることを祈るばかりです。

      今回、経験者談ということで、とても勉強になりました。
      スーパーのバックヤード事情を教えて頂き、ありがとうございますm(_)m

  4. 初めて拝見しましたが、とつも面白かったです。
    過去のも読んでみます。頑張ってください。
    人生いろいろですなあ。

    • kotaro さん

      ちなみに、記事には書かなかったのですが、この山田さんの彼女は先ごろ結婚した女優の田中麗奈にそっくりです。
      ダメダメ男に、美女がくっつく、世の中ではよくある不思議現象のひとつですが、実に羨ましかったですね。

      しかし、この女性はとても怖くて、何かで激怒した際に、山田さんがシャワー中にズボンを全部洗濯して外出したらしく、山田さんは生乾きのジーンズ(当時流行っていたエビス社製)で出勤してきたこともありました。

      ・・・結婚するとは言っていましたが、果たしてうまくいったのでしょうか?

      今回は、コメント頂きありがとうございましたm(_)m

    • 千葉にゃん さん

      お褒め頂き嬉しいです。

      まさか山田さん本人も、こんなブログで自分のことが紹介され、コメント欄ですでに2件「良い話だった」「面白かった」といった高評価を頂くことになるとは思ってもいなかったでしょう。

      2Fのパチンコフロアで巡回中、ドル箱の底上げ用の台車を取りに行こうとしているバイト仲間に、島端から台車を転がして渡そうとして(BARでの「あちらのお客様からです」的な感じで)、受け取り損ねた台車が勢い余って階段から1Fへと落下して階下のお客さんやスタッフを驚愕させたことなど、今となっては良い思い出です。。。

      ひと昔前は、こういったおバカなスタッフが沢山いましたが、今は大人しくなったというか、まともなスタッフが増えたなあと実感しますね。

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