全てがマルハンの都合の良い方へ 向かっている【その③】

前々回~前回までの記事で、まず、各種取り締まりの強化は、小規模でも独自の広告宣伝やイベントを駆使した営業で大手店舗に対抗するという営業手法がとれなくなってきていることから、全国のホール数が小規模店舗を中心に大きく減少してきていることを見てきました。

それにより、マルハンを筆頭とする大手店舗には間引き効果が表れ、減ったファン数でも営業が成り立つ状態になっています。

参考:「全てがマルハンの都合の良い方へ 向かっている【その①】」

 

また、取り締まり行政側から「射幸性を落とす」ことを求められていることへの回答として実施されると謳っている等価交換営業の廃止は、実は減ったファン数でもある程度の粗利益を維持させるためのホールにとって都合の良い手段として活用されると説明してきました。

 

お客さん側に戻す金額を減らし、場合によっては貸し出し玉/枚数も減らすことで、短期~中期的には粗利益の維持或いは、更なる増収の見通しが立ったと言えます。

参考:「全てがマルハンの都合のよい方へ 向かっている【その②】」

 

現在のパチンコ店の状況は、かつて多種多様な交換率のお店が、それぞれ独自性のある営業を実施していた頃と比較すると、「健全」という観点ではそうなのかもしれませんが、打ち手にとってはお店の選び甲斐がない実に面白味のないものになってしまいました。

 

あらゆるお店が同じ土俵での勝負を強いられ、飛んだり跳ねたり道具を使ったりすることを規制されてしまえば、強いのは体が大きく体力もある大手店舗と相場は決まっています。

 

これからは、マルハンを筆頭した大手ホール企業がより優勢な業界になっていくでしょう。

 

 

この流れを踏まえて、今回の記事では、

「パチンコ業界は、今後どのように変化していくか?」

について解説していきたいと思います。

 

1<パチンコ業界は、今後どのように変化していくか?>

結論から書きますが、直近5年以内に・・・

・小規模店舗中心により一層経営が持たなくなるお店が増え、全国の店舗数は9,000店舗程度まで減少する。

・業界規模は15兆円水準まで縮小する

 

より細かく見れば、

・パチンコスロットのみで生計を立てていた専業のファンは全て廃業する。

・遊技機メーカー数社が統廃合する

このような状況になるものと推察します。

 

これらはあくまでも私見であり、考え方が妥当なものであるか否か、信憑性が高いか否かは、この記事を読んで下さっているあなたご自身でご判断下さい。

 

 

それでは、次に、ここ最近の取り締まり行政側の考え方について、箇条書き的にざっくりとご紹介していきたいと思います。

全てがマルハンの都合の良い方へ

警察庁は業界をどのように見ているのか?

 

2<取り締まり行政=警察庁(保安課)の2015年時点での見解>

※主に保安課長の講話や、業界団体の代表者との会合の場での発言というかたちで考え方が表明されますが、ここ最近は大体同じ内容なので、それらを整理してみました。

 

①パチンコ業界の現状をどのように認識しているか?

・市場規模は18兆8千億円で、他のレジャー産業と比べて突出して高い

・参加人口は年間970万人であり、ヘビーユーザーへの依存度が高い状態が続いている

・一人あたりの年間遊技費用は、平成元年では50万円だったものが、200万円になっている。

・客が射幸性の高い遊技を求めるのだから仕方ないという考え方は、国民の多くが依存を問題視するようになった現在では通用しない。

 

※遊技人口が年々減少する中で、市場規模がさほど変化していないことの裏側には、遊技客のヘビーユーザー化があるという考え方が基本になっています。

※ここで出てくる数値に関しては、『レジャー白書2014年』(作成:公益財団法人日本生産性本部余暇創研)のデータを基にしている模様です。

 

②憂慮していること

・ギャンブル依存の疑いがある人は厚生労働省研究班調べでは536万人と推計されるという報道がなされている。パチンコに対する社会的な関心、批判はこれまで以上に強まっている。

・児童の車内放置(致死)事故が多発している

・店舗敷地内における置き引き被害は、増加傾向にある

 

③評価していること

・1円パチンコに代表される、遊技料金の低価格化への努力は評価できる。

・業界による災害支援や節電、社会福祉への貢献活動は評価できる。

・依存症問題の相談機関であるリカバリーサポート・ネットワーク等への業界全体での支援は、ぱちんこで問題を抱えている人たちへのアプローチとして成果がある。

 

④強く指導したいこと

・広告宣伝の健全化を徹底する必要がある。現状では、規制の目をかいくぐろうとする悪質な営業者が見受けられる。

・遊技機の不正改造(基板改造やプログラム改ざん等)の絶無に向けて、不正改造情報の収集や不正に強い遊技機づくりが必要である。

・釘曲げは悪質な不正改造であり、風営適正化法で規制される無承認変更である。

※釘に関しては、「一般入賞口に全く玉が入らない遊技機ではなく、10分間で数十個入賞する」遊技機で営業するようにして頂きたいという見解です。

 

これらのことに関しては、今後も遊技産業健全化推進機構と積極的に連携して、厳正に取り締まっていく、というスタンスです。

 

⑤パチンコ業界に望むこと

・依存問題対応ガイドラインの策定や(遊技予定金額の)自己申告プログラム等の取り組みがあるようだが、速やかに対策して欲しい。

・のめり込んだ人へのケアだけでは不十分であり、射幸性を抑制してのめり込ませないようにしていく取り組みが求められる。

・小額&短時間で遊べる、止め時の判りやすい遊技の提供に努めて欲しい。

・射幸性の抑制は必ずしもパチンコ産業の縮小を意味しない。手軽に楽しく遊べるようになったと実感できる状況を実現させれば、新たなファンを創出できる。

 

 

3<今後の業界の方向性について>

パチンコ業界は、その規模が大きく縮小したとはいえ、2015年9月末時点では全国に10,300以上の店舗が存在する19兆円規模の巨大レジャー産業です。

 

その各店舗を、法令を順守した営業になっているか、釘の1本に至るまで逐一個別に把握管理、指導することは取り締まり行政側のキャパシティーを大きく超えています。

 

よって、今後の取り締まり行政側のスタンスとしては、法人の管理指導時には経団連と向き合ってきたように、より一層全体としてのパチンコ業界=全日遊連を最上位とした組合組織と向き合っていくようになるでしょう。

 

各エリアの組合組織では、マルハンを筆頭とした大手ホール企業が絶大な発言力、影響力を有しているし、それは今後より一層強くなっていくでしょう。

 

私が9年ほど前に管理していた店舗があるエリアで、そこの組合の定例会(原則として月に1回開催)に参加した時のことです。

そのエリアでは、それまでは月に1日の店休日を設けてお客さんを融通し合っていましたが、「営業上の自由への干渉であり、当社としては許容しない」というマルハンの一言で廃止されました。

 

また、5年ほど前の組合の会合では、出玉イベントに関して、当時自らは「7のチカラ」と称するイベントを実施して集客しているにも関わらず、他店舗のイベントに関しては、「健全化の流れに逆行する過激なイベントを実施している店舗があり、遺憾である」として、健全化センターへの通報も辞さない覚悟であるとの態度を示していました。

※「7のチカラ」は、「広告的なイメージ付けの一環でありキャッチフレーズである。よってイベントではない。デジパチは7が揃うと嬉しい遊びであり、当社のPRとしてではなく、この業界全体のPRとして行っている」との説明でした。

 

最近では、9月初旬、東京都下での「等価交換営業の是非について賛否取りまとめ」の会合があるので、会社としての見解を持ち寄って頂きたいとの前触れがありました。

 

ところが、実際に会合に参加したところ「大手店舗との意見交換を基に、11月2日以降の等価交換営業は廃止することに決定しているので、賛否採決は実施しない。今後はこのような日程で進める」との一方的な通知でした。

 

釘調整の問題に関して、「一般入賞口に全く玉が入らない遊技機ではなく、10分間で数十個入賞する」遊技機での営業を取り締まり行政側が求めていたわけですが、原則として等価交換営業を行っているマルハンがこの通りの水準で釘調整にした場合はスタート回数を大幅に下げることになり集客上の問題が発生します。

 

抜き打ち的な立ち入り検査期間である健全化センターは、当初この水準での立ち入り検査を実施していたものの、9月以降は「1玉も入賞しない遊技機は今後通報対象とする」と、事実上のトーンダウンに至ったことには、マルハンの圧力があったものと推察します。

※その後、若干状況が変わりました。

2015年11/4付けで、一般入賞口に入るような状態で検定を通した後、販売するときには検定時と異なる状態の機械をホールに販売していたというケースがあったことを、メーカー団体である日工組が認めました。

それにより、メーカーとしては、設置された該当機の回収に向けて取り組んでいくことになりました。

更に状況が変わってきた場合は、また記事にしたいと思います。

 

 

4<まとめ>

マルハンは、取り締まり行政側からすれば、全面的に法令順守し、社会貢献活動に意欲的で、雇用の巨大な受け皿となっているパチンコ業界のオピニオンリーダーです。

 

業界に関わる諸問題に関しては、今後より一層、同社の意見を最大限考慮していくことが予想されます。

 

遊技機メーカーも、マルハンに買ってもらえる機械の製作に全力を尽くすようになるでしょう。

※反対の言い方をすれば、大手メーカーでも数作連続でマルハンにそっぽを向かれてしまえば、潰れる可能性があります。

 

 

それがどのような結果を招くか?

私は、この記事のタイトルにある通りだと思っていますが、皆さんはどのように思われるでしょうか?

 

全3回(前書き的な説明記事も合わせれば4回)に分けて

全てがマルハンの都合の良い方向へ 向かっているということについて書いてきました。

長い連載記事に最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。

 

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