中古機導入時のリスクと書類上の面倒な点について-その②

表題について、前回の①の記事では、中古機を営業のメインとして扱った場合のリスクについて簡単に解説させて頂きました。

今回は、一般の方はあまりご存じない事柄のご紹介という目的で、警察への書類申請(変更承認申請)のことについて書かせて頂こうかと思います。

 

前回の記事で断りを入れさせて頂いた通り、今回も一般の読者の方を念頭に置いて分かりやすい内容を心がける都合上、業界人の読者の方がいらっしゃいましたら、ちょっと物足りない内容になってしまうかと思います。

どうぞご容赦下さい。

 

遊技機の導入に際して

まず、パチンコ店が遊技機を新規設置するにあたり、所轄警察署の生活安全課に対して決まった形式に則った書類を提出し、受理される必要があります。

これを「変更承認申請」と言います。

 

変更承認申請に際しては

・店内構造(機種配置)の変更を説明(図示)する

・新規導入機種やそれに付け加える部品(ハーネス類、ゴト対策部品)等の出所を全て明らかにする

⇒検定通知書や保証書、誓約書などを添付

・申請費用を納入する

 

これらのことが必要であり、地域差はありますが、遊技機を新規に導入して営業を開始したい日の1週間前までには、この申請手続きを完了しておかなければなりません。

 

ある程度の規模があるホール企業であれば、この申請書類の体裁を整えたりする業務は全て事務方で行ってくれますが、小規模店舗であれば店長さんや一部の役職者の方が行っているところも多いことかと思います。

 

機種選定をして入れ替え日程を組んだり、売却手配したり、書類を作ったりといった業務は地味ではありますが、ミスした時のロスが大きかったりリカバリーするのにより一層の労力が掛かったりするので、重要な業務であると言えます。

 

「不正」遊技機の撤去回収の現状

検定時と異なる釘の状態で販売された可能性がある遊技機=いわゆる「不正」遊技機の撤去回収問題については、世の中的にも注目度が高いと判断してこのブログでも沢山の記事を作成してきました。

 

3月上旬の現状では、その撤去回収対象機種を明示している第二次リストまでが公表されている段階です。

 

これについては、1月中旬の記事において、2016年内はリストが公表されてもその機種の撤去回収は進まないという私見を述べさせて頂きましたが、現状ではその通りになってしまっているようです。

 

つまり、撤去回収リストとは名ばかりであって、実際には

「今後は、中古で買って新規設置とか部品交換とかはやっちゃ駄目リスト」

とでも言い変えた方が良いものになっています。

 

メーカー団体である日工組はリストを公表することで、今後業界は一丸となって「不正」遊技機を撤廃していくというポーズを警察や世間に対して提示しただけで、実際にはその「不正」遊技機と入れ替わる形で全国のホールに導入するためのまともな機種の開発販売を進めることは出来ていません。

 

また、これは他業種のようなリコールや賠償が絡んだ問題とは決定的に異なり、メーカー側が無償で交換するとか、対象機種の設置期間に応じてその入れ替えに伴う機種を大幅に割り引いて提供するとか、そういった対応は今のところ皆無です。

 

一方、ホール側も、リストがただの機種名の一覧に過ぎず、その撤去回収スケジュール(設置期限日の設定)が明示されていないことを良いことに、「まともな新台が出てこないんなら、取り締まり行政や世間から射幸性が高過ぎるとして問題視されている旧MAX機でも、買えるうちはどんどん買って設置しておこう」という動きも見受けられます。

 

リストに記載されてしまわないうちに、ルパン7(消されたルパン)のMAXや北斗6拳王(或いは宿命)を買おうとしていたお店、或いは牙狼金色を新台時に購入していなかった小規模店舗では魔戒が高価なので代わりに金色を中古で導入して2015年11月~2016年秋口までを凌ごうと目論んでいるお店もあったのではないでしょうか?

 

今回の第二次撤去リストには上記のうちルパン7(消されたルパン)MAXが記載されてしまったので、一部のお店では入れ替えプランの変更を余儀なくされたというところもあるでしょう。

 

また、全国的に設置台数が多い沖縄3なども第二次リストに記載されたため、部品交換しないと復旧できないような性質の不具合が生じた場合などは、撤去せざるを得なくなってしまいました。

申請書類

検定有効期間3年を満了できない機種も?

 

今後の、中古機の新規設置時の面倒な点

それでは、本題です。

 

前述の通り、新規に販売された機種であっても中古市場で購入した中古機であっても、お店に新規設置するためには事前に所轄警察署への変更承認申請が必要です。

 

では、変更承認申請してその内容での新装開店を待っている状況で、申請書類に記載した中古機が第三次撤去リストに記載されてしまった場合はどうなるのでしょうか?

 

申請書類の内容が、単に中古機だけの入れ替えであった場合なら、単に申請を取り下げたり、別の機種に変更して再度申請しなおすだけで済みます。

 

ただし、申請書類の中身が、新台と中古機の入れ替えが併記してあった場合は、少し状況が変わってきます。

 

例えば

・新台CRテラフォーマーズ

・新台CR巨人の星

・中古機CR牙狼金色

・中古機CR真花の慶次MAX

・中古機CRヱヴァンゲリヲン10MAX

 

このような機種構成であり、次回公表される第三次撤去リストに

・中古機CR牙狼金色

・中古機CR真花の慶次MAX

 

この2機種が記載されてしまった場合は、お店側としてはどのような即時対応が考えられるでしょうか?

※そもそも、リストに記載されるリスクがある機種を直近で導入しようとか考えるなよ!

そのような声もあるかとは思いますが、特に極端に集客力を落としている小規模店舗などは、営業の目玉機種を作る目的や割安な旧MAX機で売り上げ増に成功すれば御の字と考えて、際どい中古機でも入れ替えプランに入れる可能性は今後も十分にあります。

 

想定される警察の判断と、ホール側の対応策

これには、事前に知人店長や営業部長クラスの方々と意見交換していますが、結論から書くと地域差が生じるかと思います。

理由は、申請書類をどのように扱うかは、各地域の警察が判断することだからです。

 

新装開店待ち状態での申請書類の内容が、新台と第三次撤去リストに記載された中古機で構成されていた場合

①書類自体が取り消しと判断される

⇒ひとまとめの書類でもって新台とリスト記載中古機の新規設置を申請しているのだから、中古機の方が設置不可扱いとなった場合は、その書類そのものが無効とされ、どちらも次回の新装開店は出来ない可能性があります。

一旦、正式に受理した申請であっても、所轄としては申請に瑕疵があったものとして取り下げる可能性があると思います。

※ちなみに、すでに納入した申請費用は返還されません。

 

この場合のお店側の対応としては、リスト記載機種は入れ替え予定から外し、新台や設置しても問題がない中古機だけで再度申請書類を作成し、開店予定日も後ろ倒しすることになるでしょう。

仮に、近隣の他店舗が予定通り翌週の月~火曜日に話題の新台で新装開店しているのに、自店は書類の再提出に手間取り開店日が1週間遅れてしまったとなれば、営業上大きなマイナス影響が出る場合もあるでしょう。

 

また、中古で購入したは良いが、実際には設置できくなってしまった訳ですから、売った販売業者との間では交渉が必要になります。

 

その交渉内容としては

・直近でリストに記載されるリスクを犯したお店側が遊技機代金や申請費用などを全額負担

・リスクを承知で販売した販売業者が、遊技機代金などを全額負担

・リスクを承知で販売した販売業者も、ある程度の割合で遊技機代金などを負担

 

こういったものになり、いずれにしてもお店側と販売会社の付き合いの深さというか関係性が密か否か、或いは中古機の価格が高いか安いかによっても、対応内容が変わってくるでしょう。

 

②リストに記載された中古機だけが営業に使用できない

⇒書類の再提出の必要はなく、予定日に新台や設置しても問題がない中古機は新装開店できて、リストに記載された中古機だけ電源を落としておけば良いという可能性もあります。

仮に対象機種が多い場合ずっと止めておかなければならないのは痛いですが、ほんの1~2台程度であれば、お店側としては急いで事務方を動かして書類を作り直したりしなくて良いので、対応としては比較的楽なパターンです。

 

③申請書類を2部提出できないか所轄担当者に交渉する?

⇒私自身経験がないことであり、このような申請をして受理された事例があるのか否かは分かりませんし情報も乏しいですが、申請の制度上というか理屈上は可能かと思います。

仮にこれが可能なのであれば、新台入れ替え用の申請書類と、直近でリストに記載されるリスクがある中古機の入れ替え用の申請書類で分けて、もし中古機入れ替え用の書類に記載した機種がリストに記載されてしまった場合は、そちらの書類だけが無効になるのでリスク軽減できる、という寸法です。

もちろん、申請費用はいつもの倍かかってしまいますが・・・

 

 

以上、読者の方にはあまり馴染みが無いというか、興味を持ってもらいにくい話題ではありますが、リスト絡みで面倒な思いをしている業界人も多いこの時期に、敢えて記事にしてみた次第です。

 

いずれにしても、書類をどのように扱うかは、各都道府県でエリア差が大きいことが予想されます。

 

月並みではありますが、直近でリストに記載されそうな機種の新規設置、或いはかなりの台数を設置し続けることにはリスクがあるのは、常に念頭におくべきことかと思います。

 

また、まず無いとは思いますが、例えばリスト記載機種の撤去回収が遅々として進まないことに業を煮やした取り締まり行政が、「半年以内に、全て撤去しろ!」とお触れを出すなどした場合は、大規模店舗ほど短期間にまとまった入れ替え費用が掛かってしまいます。

 

まあ、そうならないように段階的にリストが公表されているとも言えますが、許認可業種であるパチンコスロット店の営業には、不安定な面があることは、昔も今もこれからも、変わりがありません。

 

 

今回は、これくらいにしておこうかと思います。

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